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悪い男ってどっちかしらね😅でも西岡っていう人物なのかしら?…怖いねぇ颯介さんと凛さん行く末どうなるのかな
ズルい颯介さん😆💓💓💓🤭

己の気持ちしらんか😎 颯介さん、悪よのぉ🥰
食事のあいだ、颯介はいつもよりも口数が多く、凛が思わず笑ってしまうような話題ばかりを選んで話してくれた。
きっと、沈んだ気持ちを少しでも明るくしようとしてくれているのだろう。
そのさりげない気遣いが胸に染み、凛は目の前に広がる夜景と美味しい料理を心から楽しむことができた。
食事を終えて駐車場へ向かうと、タクシーの姿はどこにもない。
「諦めたみたいだな」
「だといいですけど……」
颯介の方へ振り返りつつ道路に目を向けた凛は、暗がりの中、向かいの店の自販機のそばに立つ男性の影を見つけてしまう。
「わわっ!」
凛の妙な声に、颯介が眉をひそめた。
「どうした?」
「いっ、いますっ! まだ、いますっ!」
怯えた声で言いながら、凛は慌てて付け足す。
「振り返らないで! 車に乗るときに、さりげなく見て……向かいの自販機の陰です」
「わかった」
そう言うなり、颯介は凛をぐっと抱き寄せた。
「ちょっ……ど、どうしたんですか?」
「いいから、しばらくこのままでいろ」
「でっ、でも……」
たくましい腕に包まれ、凛は身動きが取れない。
すると颯介が静かに続けた。
「俺たちは付き合ってることになってるんだろ? だったら、仲がいいところを見せつけるのは、いい撃退法になると思わないか?」
その言葉に、凛は「なるほど」と思った。
だが、こうして抱きしめられていると、颯介のたくましい腕や厚い胸板の筋肉を否応なく感じてしまい、なんだか落ち着かない。
時折鼻をかすめる爽やかでウッディな香りにも、思わずくらくらしてしまう。
そのとき、颯介が穏やかな声で凛に呼びかけた。
「凛、俺を見て」
突然の言葉に、凛は促されるまま顔を上げた。
視線の先では、颯介がこのうえなく優しい笑みを浮かべていた。
(だめ……本当にどうにかなりそう……)
心も体も崩れ落ちそうになった瞬間、颯介が静かに告げた。
「前に言ったよな。『俺を堕としてみせる』って。だったら、キスしてみろよ」
「えっ?」
凛は驚いて目を見開く。
「ほら。俺を蕩かせてみろよ」
「そ、そんな急に言われても……それに、この状況を利用してません?」
「うん、してる」
「あっさり白状してるし……」
凛は少し呆れつつ、思わずくすっと笑った。
その笑みを見つめながら、颯介が続ける。
「君がどうやって俺を蕩かせるのか、楽しみだな」
「蕩かせるもなにも、強引すぎます」
「強引でもいいだろ。せっかくあの男がチャンスをくれたんだ」
どこまでも前向きな颯介に、凛はまた小さく笑った。
そして、覚悟を決める。
(よーし、見てなさいよ、このイケオジ! 凛様の巧みなキスで一瞬にして虜にしてあげるんだから)
体の奥から力が湧き上がり、凛は再び颯介を見上げた。
颯介はそんな凛を、楽しそうに見つめている。
次の瞬間、凛は背伸びをし、颯介の後頭部に手を添えてぐいっと引き寄せた。
その強引さに驚きつつも、颯介はされるがままにしている。
そんな彼の唇に、凛はそっと自分の唇を重ねた。
触れた瞬間、体中に電流が走る。
全身がとろけそうになり、立っていられなくなる。
それでも凛はなんとか踏みとどまり、ゆっくりと唇を動かしていった。
最初は触れるように優しく、そして徐々に深く、その動きはどんどん熱を帯びていく。
(なかなかやるじゃないか……)
頬を緩めながらされるがままになっていた颯介は、そう思った。
そして、しばらく凛の積極的なキスを味わったあと、今度は自分から攻め始める。
突然の形勢逆転に、凛は体から力が抜けていくのを感じた。
そして、とうとう立っていられなくなり、颯介にもたれかかる。
颯介はそんな凛の体をしっかり支え、巧みなキスを続けた。
「んっ……」
凛が小さく抵抗しても、びくともしない。
颯介は凛をいとおしそうに抱きしめたまま、熱を帯びたキスを重ねる。
「んっ、ふぅ……」
とろけるような感触の中、凛がうっすら目を開けると、目を閉じた颯介の整った顔が間近にあった。
その表情はなんともセクシーで、思わず見とれてしまう。
彼の頭越しには、いくつかの星が瞬いていた。
(綺麗……)
そう思いながら、凛は颯介に身を委ねた。
その頃には、西岡の存在などすっかり頭から消え失せていた。
凛が再び目を閉じると、颯介はキスを続けながら、うっすら目を開けて凛が示した方向を確認する。
暗闇の中に、男がひとり立っている。
顔ははっきり見えないが、先ほどの動画の男に違いない。
しばらくして、ようやく二人はそっと体を離した。
颯介が穏やかに微笑むと、凛は頬をほんのり染め、恥ずかしそうに視線を落とす。
「じゃ、そろそろ行こうか」
「……はい」
颯介は車のキーを開け、まず凛を助手席へ乗せた。
そのあと、落ち着いた足取りで運転席側へ回り込み、静かに車へ乗り込む。
「今夜は俺の事務所へ行こう」
「えっ?」
「熱いキスを交わしたカップルが、このまま別れるのは不自然だろう?」
「それはそうですけど、でも……」
「大丈夫だ。何もしないから」
「べっ、別に、そんなこと心配してませんからっ!」
凛が頬を膨らませると、颯介がおかしそうに笑った。
「ははっ、そんなにムッとしなくてもいいだろう。それに、事務所が不服なら、ホテルにするか?」
「ホ、ホテル?」
凛は思わず飛び上がりそうになった。
「い、いえっ、大丈夫ですっ。事務所で十分です」
「了解。じゃあ行こうか」
颯介はそう言うと、キーを回してエンジンをかけ、車を静かにスタートさせた。