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なんかもう、色々と了解した。
「取り敢えず、真似出来ないという意味で特殊と認めます。突っ込むと泥沼にはまりそうなので、ここで撤退します」
「賢明な判断だ」
先輩が、もっともらしく頷いてみせる。
「という訳で、自称普通の人間の方が、よっぽど多機能で訳わからんという話だ」
「それはちょっと例が悪すぎないでしょうか」
未亜さんが突っ込みを入れる。
うん、僕もそう思うぞ。突っ込まないけれど。
そして。
「なら、最後は私の番ですね」
彩香さんが口を開いた。
「私は魔女です。魔女というのは、一族がある訳ではありません。普通の人間の中から、ごく希に魔女としての能力と素質を持った人間が生まれるそうです。私もきっとそうだったのだろうと思います。残念ながら、両親とも知らないのでわかりませんけれど。
そんな訳で、現地の施設で小学校に通っていたのです。そして小学校6年の時に、魔女同士の保護機関というのでしょうか、そういう組織に拾われて。魔女にとって危険な一神教の国から、比較的寛容な多神教の先進国である日本にやってきました。
ここまでについて、悠君はどう思いますか」
そう言われても。
「親がいなくて大変だったろうなとか、そんな環境から日本に来て、更に色々大変だったんだろうな、とか。言葉や慣習も全然違いますし」
彩香さんは頷く。
「そこは便利な魔法があるんです。他人の経験や記憶をコピーするという魔法。たとえば日本語の知識とか常識とか。他には、日本の高校1年生として必要な知識とか。このおかげで、私は不自由なく日本語を話せますし、暮らす事も出来ます。ただ、あくまで他人の経験なので、喋る機械とかに実際に出会ったりすると、まだどきりとしたりしますけれど」
なるほど。
あの機械を怖がったりする理由が理解出来た。
飛行機で来たとか、そういう話も納得だ。
「それで質問ですけれど、悠君は私が魔女ときいて、どう思いますか。忌むべき存在だとか、見るだけで不吉だとか、怖いとか思いませんか。思ったら、正直に言って欲しいです。今まで言わなかった私が悪いのですから」
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