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2章完結お疲れさまです!!! ていうか、見るのめっちゃ遅れて ごめんなさい! 3章…精神負担がえげつないって 一体どんな…続き楽しみにしてます!
これは、d!様の二次創作(軍パロ)です。
ご本人様には一切関係ございません
エセ関西弁、捏造注意
その他の注意書きはプロローグを参照ください
でははじまります
gr「それでは、2人とも、この書類にサインをしてくれ」
ペンを持って、丁寧に名前を書く。
このペンを紙から離した瞬間、僕たちは幹部になる。
htは、その剣の腕と医療に関する知識の深さを買われて、無事、幹部になることが認められた。
2人で、この国を発つための準備をしていたら、自然と涙が出てきて、お互いそれを笑い飛ばした記憶がある。
騎士たちも、住民たちも、僕の新たな門出を祝福してくれた。昨日、盛大に教会でパーティーを行ったばかりだ。
春が来たようで、雨の日も次第に減ってきている。ただ、相変わらず日射しは柔らかく、本格的な暑さが来るまではまだ時間がある。その頃にはもっと、街は元の姿を取り戻していくことだろう。
os「うし、書き終えた!」
ht「よいしょっ、と!」
tn「はーい、じゃ、拝見させてもらうで〜」
tnは優しい笑みを浮かべながら、まず僕の紙、次にhtの紙を見ている。
tn「うん、問題なし、と。ほれ、grさん」
慣れた手つきで、書類をgrに渡す。
gr「ん。うん、問題ないな。それでは、本格的な式典は帰ってから行うとして…、」
gr「ようこそ、我がW国へ!!」
声高らかに彼はそう言い放ち、僕たちに国のエンブレムが入ったバッヂをくれた。
gr「これは、W国に所属する全ての人々が持つものだ。ただ、付けるかどうかはそれぞれの判断によるぞ」
ht「こんなんつけるほかないでしょ」
os「どこにつけるん?」
ht「……、どうしよう」
os「まあ、とりあえず胸のあたりでいいんちゃう?」
ht「うん、そうだね」
gr「それから、幹部のみが付けるアイテムも幾つかあるのだが、それは安全保障とか諸々の関係で持ち出しできないので、W国に戻ってからってことで」
os「はーい」
屋敷の外には既にたくさんの人たちが僕たちの旅立ちを待っていた。
笑っている人、泣いている人、手を振っている人、大きな声で祝ってくれている人、楽器を奏でる人、祈っている人、他にも、たくさん。
「すうききょーげいかー!!!」
「お気をつけてー!!」
「W国の人たち、ありがとー!!!」
数ヶ月前は予想もしていなかった。こんなに街中が笑顔で満たされるなんて。あの時、絶望のどん底にいた人たちは、今、希望を持って輝いている。
あと少しで泣いてしまうところだった。流石にこんな場面で泣き顔は見せられない。
gr「osさん、人気者っすね〜。俺今のうちにサイン貰っとこっかな〜w」
tn「変なこと言ってへんではよ歩けや」
os「え〜、僕のサイン?あげるめぅよ〜?」
ht「え、マジで?ありがとう」
gr「あ、あの〜、私が先に予約してたんすけど…w」
tn「まあまあお前ら、ここは間を取って俺が最初にサインを貰えばええんちゃうか?」
gr「どこの間を取ったんだよ」
tn「知らんww」
空は遠く、心地よく、今、一秒一秒が過ぎてゆく。
昼を告げる教会の鐘が鳴る。次いで、人々の祝福の声と、祈りの音楽。
気付けば、もう、街の出口に僕たちは立っていた。
騎士たちは、式典用の豪華な服装と剣を見に付けて、綺麗に整列して待っていた。その中から一人、金の髪を綺麗に三つ編みにした背の高い女の騎士がこちらへ歩み寄る。
「枢機卿猊下」
彼女はひざまずいてそう言った。
「この度は、貴方様の新たな門出に我ら騎士一同、謹んでお喜び申し上げます。貴方様のいらっしゃらない間は、我々が、この街を引き受けます。どうか、ご心配なさらぬよう」
os「これまで、不甲斐ない私のそばで、街の復興と民の再生にご尽力いただき、誠にありがとうございました。この数カ月は、私の中で、本当にかけがえのないものでした。あなたがたのこれからの道に、神の祝福があらんことを」
感情が込み上げて、今度こそ泣いてしまいそうだ。もう、視界が濡れて歪んでいる。
「…っ、貴方様の旅路にも、神のご加護があらんことを!」
一斉に騎士たちが賛美歌を歌う。懐かしいメロディー。僕が最初に、この街の長となったとき、彼らが歌ってくれた歌。
「枢機卿猊下!!」
こちらをキッと見上げた彼女の目は、潤んでいた。
os「はい!」
「必ず、必ず!戻ってきてくださいませ!!待っておりますから、ずっと!」
os「うん、…うん…、はい!戻ってくるから!いろいろ学んでここに帰ってくるから!!、その時は、また、!」
「はい!!」
彼女の手を取り、強く握る。お互いもう、涙でぐちゃぐちゃだが、それでもいい。一緒に居れるこの時間が、たまらなく惜しくて仕方ない。
os「みんな、ありがとう!!、必ず戻ってくるから!」
最後に、高台へ登ってみんなに手を振る。
これで、本当に最後なんだ。しばらくは、もう戻ってこれない。
os「あ〜、辛いよぉ…、悲しいし、嬉しいし、っ、本当に、本当に、ありがとう…!」
この際体裁なんてどうでもいい。感情をせき止めるものが完全にぶち壊れ、とにかく今の自分のすべてを街にぶちまけている。
そして、その内に街は視界から遠ざかり、今度は海が見えてきた。
船は、広かった。ていうかデカい。戦艦と客船を兼ねているようで、甲板には何やら物騒なものがたくさんついている。
gr「最近物騒だからな。これくらい装備しねえとヤバいんだよ」
実際港にいくつか軍船が停泊している。これから戦争に行くのか、近海の治安維持のためなのか。
客室は中々に広く、窓からは海面がよく見えた。目を凝らせば小さな魚が踊っている様子が見える。
os「お〜、すっごい。本棚とか机とかちゃんとある」
ht「ベッドもふかふかだ!」
os「…、でも、なんで相部屋?」
ht「確かに」
tn「それは〜、その、部屋があんまりなくてな…」
ht「なるほど、大変だね」
tn「お前らなら別に相部屋でも構わんと思ったんだが…、嫌やったか?」
os「いや、これでいいめぅ!htにちょっかいかけ放題やし!」
ht「やめてよ!?」
os「んふw」
早速騎士たちに手紙を書きたくなった。汽笛が鳴り、船が揺れる感覚がした。前と違ってここにはインクもペンも紙も十分にある。だけど、僕が手にしたのは、あの時と同じ。真っ白な紙に黒いインクの入ったペン。
『もしもし、お元気ですか?』
祈りながら、一文字ずつ紡ぐ。
みなさんのこれからが、幸福に満ちあふれた素晴らしいものとなるように、そして、W国での新しい日々も、素晴らしいものとなるように。
海の日に照らされて光る十字架は、碧く、どこまでも深い光を僕の目に映し出していた。
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こんにちは、てってれーです。
一回作品保存してなくて8割くらい消えてブチギレ案件でした。どうみても自分が悪いけど、どうしてもスマホに責任をなすりつけてしまう。
基本この章はosさん視点で進みました。他のみんなの視点も書きたかったけど、ネタバレパーリナイになりそうだったのでやめました。
第三章は精神負担がえげつないことになる予定です。まあ、頑張ります、はい…。
というわけで、さようなら〜