テラーノベル
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#omr
次の日。
目が覚めたとき、
久しぶりに、
「よく寝たな」って思えた。
頭が重くない。
胸のあの感じも、
少しだけ、薄れている。
「……」
ぼんやりと天井を見つめる。
なんでだろうって考えて、
すぐに、答えは出た。
「……元貴がいたから、かな」
小さく呟く。
誰かが隣にいるだけで、
こんなに違うんだって、
少しだけ不思議に思う。
体を起こすと、
キッチンの方から音が聞こえた。
フライパンの音と、
何かが焼ける匂い。
「……あ」
思い出す。
昨日、そのままここで寝たんだって。
少しだけ髪を整えて、
ゆっくりリビングの方へ行く。
キッチンには、
元貴が立っていた。
エプロンもつけてなくて、
いつも通りの格好のまま、
手際よく何かを作っている。
「……元貴」
声をかけると、
ちらっとだけ振り向く。
「起きた?」
「うん」
少しだけ間があって、
僕はそのまま、
ぽつりと口に出した。
「……なんか、よく眠れた」
自分でも驚くくらい、
素直な言葉だった。
元貴は一瞬だけ止まって、
「ふーん」
って、興味なさそうに返す。
でも、
そのあと小さく、
「そりゃよかった」
って付け足した。
それだけなのに、
なんか、
少しだけ安心する。
「……昨日、ごめん」
ふと、言葉がこぼれる。
「急に倒れ込んだりして」
元貴はフライパンを返しながら、
「あー、別にいいよ笑」
軽く言う。
「慣れてるし」
「……なにそれ」
思わず、少しだけ笑う。
その空気が、
昨日よりもずっと軽くて。
「ほら、座って」
元貴が顎でテーブルを指す。
「もうすぐできるから」
「……うん」
言われた通り座りながら、
僕は少しだけ思った。
完璧に大丈夫になったわけじゃない。
でも、
またちゃんとやれそうな気がする。
そんな朝だった。
次回♡500
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