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れんこん
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(今日は雨、か…
「頭いた……」
雨の日は憂鬱である。
低気圧頭痛などで気分も下がる。
眠れないままの日は相変わらず続く。
(こんな家もきっと、死ねばなくなる…
一人息子の俺に無駄にプレッシャーをかけ続ける両親。
父は医者、母は名門高校、大学卒業。
無駄に頭の良い家系に生まれたせいなのか?
人生谷あり山あり。
難しいものだ。
医者として稼ぎ、跡を継がせようとする。
大人に媚を売りへらへらと。
そんな親に付いていきたいとも思わない。
口を開けば
『青井家の為に』
だの
『跡を継げ』
だの
『貴方を思って言っている』
だの
毎度毎度反吐がでる。
眩む視界を抑えながらスマホと財布を握り外へ出る。
冷たい風が頬を掠める。
痛む頭には丁度良い。
何処か遠くへ行ってみたくなった。
休日の雨、人の少ない駅へ向かう。
一部運行停止の部分もあるが、大丈夫だろう。
適当な電車を選び、適当な駅で降りる。
何とも最高な一人旅だろう。
人気が少なく寂しい電車に座り、外の景色を眺める。
梅雨も近く、分厚い雲が空を覆う。
所々で降り、色々な場所に行ってみた。
美術展や、博物館、当日チケットが取れた為見て回った。
あまり来る機会がなく、小学校以来か、なんて思いつつもやはり面白く、興味を惹くものばかりで時間は溶けた。
(此処に入れば全て忘れられる?
(自分の存在をなかった事に出来そうだ。
雨の勢いは少しずつ増し、人の居ないレストランに入る。
親に止められていたジャンクフード。
カップ麺を食べているのだから、別に何も思わない。
どうせ食べた所で無関心なのだから良いだろう。
普段より多く、はち切れそうになるまで食べ続けた。
好きなものを、出来るだけ沢山。
詰めて、詰めて、詰め込んで。
(親という枷がないだけで、こんなに楽なのか…
久々に食べた少し濃いめのバランスを無視した食事を噛み締めて、店を後にした。
雨は止まず、ぶらぶらとまた一人旅を再開する。
もうすでに家を出てから5時間ほど経っていた。
駅へ向かう。
昼になるに連れ人は少なくなって行き、俺は一人で電車を待つ。
ふと、足音がした。
誰かが歩いてくる。
自分とほぼ同年代か、年上くらいの男性…青年。
綺麗な緑がかった瞳を持ち、白いパーカーを身に着けていた。
一つ空けベンチに座り、駅に二人で電車を待つ。
雨音と風音が心地良く鳴り、頭痛も少しずつ和らいで行く。
(所持金が尽きるまで、続けるか……
そう想いながら、電車の迫る音を聞いた。
コメント
2件
ああ、第7話読んだよ。雨の日の“一人旅”、めちゃくちゃ刺さったわ…。 主人公の「親っていう枷がないだけでこんなに楽なのか」ってとこ、胸がギュッてなった。重い空気と低気圧頭痛、逃げ場のなさがひしひし伝わってきて、でもちょっとだけ自由を味わってる感じが切なかった。ラストの緑がかった瞳の青年、この先どう絡むのか気になるなあ…!