この作品はいかがでしたか?
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🤍side
俺の兄さんは真面目で優しい
とても勤勉で常に努力を怠らない、勉強では一度も勝てたことがない
けれどそれをひけらかしたりせずにより一層勉学に励もうとする優しくて真面目な人
俺にとって自慢の兄さんだった
けれど最近兄さんの様子がおかしい
兄さんが夜に外へ行こうとしていたのを止めてから父さんは出歩けないよう夜は全ての門に鍵をかけるようになった
それから兄さんは普通に過ごしているかと思いきや時折、すごく辛そうな表情をするようになった
父さんとは不仲になりどんどん笑うことが減り、冷淡で、以前のように人情深い兄さんではなくなってしまった
まるで心の支えがなくなったみたいにー。
〜3年後〜
💚side
あの出来事から3年
俺は20歳になった
結局あの日から一度も俺と大介は会うことが出来ないまま月日が流れた
自分から好きだと言ったくせにいきなり会いに行けなくなってしまって…
俺は何をしているんだろう
今でも大介に家柄を隠していたこと、あの日に無理やりにでも会いに行かなかったことをずっと後悔していた
大介に会いたい…
会ってまだ想っていると伝えたい
でも大介は俺の事なんか忘れているだろう
俺は大介に好きと伝える資格なんかないのだ
そう思いながらこの3年間を過ごしてきた
父)亮平、また勉強しているのか?
💚……
父)はぁ…無視か
💚……
💚俺に何か用ですか?
💚用がないなら出ていって下さい
父)ああ…実はお前にまた縁談の話が来ていてな
父)お前は家を継ぐことが決まっているし、相手も名家のお嬢さんだからいいんじゃないかと思ってな
父)今まで散々断ってきたんだ
父)そろそろ身を固めてもいいんじゃないか?
「縁談」
この言葉を聞く度に嫌な気持ちになる
まだ心の中で大介のことを想っている
会えなくなったあの日からこの気持ちがなくなったことは一度もない
だから全て断ってきた
💚興味がありません
父)しかしだな…
💚前に父さんにも話したことがあるとは思い
ますが、今の私には女性への関心なんてありません
💚断ってください
父)……
父)そうか…
父)その気になったら声をかけてくれ
父)今回は私からお断りの連絡をさせてもらうな
パタン
そのまま父は襖を閉めて出ていった
💚(分かっている。跡を継ぐなら早く身を固めなければならないことくらい)
ただ俺の恋心をずっと掴んで離さない人物は後にも先にも1人だけ
大介…本当にもう…会えないの?
💚はぁ…縁談なんてくだらない
することがないのでまた勉強するために机に向かう
そろそろ休憩でもしようかと思っていた時だった
コンコンッ🚪
💚はい
🤍失礼します…
💚ラウールか、何の用?
🤍新しい使用人の方が入ってきたので兄さんにご挨拶したいと…
💚(使用人がわざわざ挨拶に来るとは丁寧な人だな…)
💚そうか…
💚通していいぞ
🤍分かりました
🤍あ、どうぞ入ってください
?)失礼します
ドアの向こうから聞こえた少し高い声
聞き覚えのある声だった
どこかで聞いたことのある特徴的な声
💚……え?
ラウールに通されて俺の部屋に入ってきたのは使用人の制服を着た端正な顔立ちの男性
色の白い肌に高い鼻、大きな瞳が俺の心を掴んで離さない
💚……だい…すけ…?
忘れもしない俺の初恋の人
🩷お初にお目にかかります
🩷今日から使用人として住み込みで働かせていただきます
🩷”大介”と申します
🩷これから何卒よろしくお願いします
🩷”亮平様”
その人は一瞬目を見開いて驚いたようだったがすぐに表情を元に戻し、淡々と続けた
俺を突き刺すような冷ややかな視線を向けてくる
🩷《りょーへぇ!ぎゅー!》
月明かりに照らされた君の眩しい笑顔が頭の中で再生される
あの頃とは違い目に光はなく、太陽のような笑顔もない
何を考えているか分からないけれど確かに大介だった
コメント
6件
やゔぁすぎぃ、、、好きすぎる 続き楽しみにしてます
あべさくぅぅぅぅ( ߹꒳߹ ) 2人とも大丈夫?! まじで話が気になりすぎる!!!!!!
え、やばい…急な展開すぎん!? ちょ、あの、物語の世界に入り込むわ…