・登場人物は全てオリジナルのキャラクターです(一次創作)
・BL要素を含みますが、やらしい描写は無いです(多分)
・設定などがぶっ飛んでいることがあると思いますが、お見逃しください()
それでもいいという人は、どうぞ↓↓↓
まぁ要約すると、昨日の朝俺がいつまで経っても起きないから兄貴が見に来たら俺が消えてて、スマホで連絡も取れなかったもんで大慌てしたらしい。玄関と裏口の防犯カメラで確認しても出た気配がなくて、みんなパニックになったってさ。みんな手分けしてずっと探し回ってたって。
俺はそんなことを聞かされながら、ダクラと二人電車に揺られてた。俺がいたのは、最寄りの駅から2駅ほど離れたところの道端。「今度はお前の番だ。何であんなところに寝てたんだ」「うーん…。まぁとにかくさぁ、みんな集めてから話してもいーい?」「…逃げんなよ」「逃げねぇよ!んもー、信用ねぇなぁ俺〜」「失踪しといて何が信用だ」ひぇー、ダクラに睨まれんのちょー怖ぇー!好きだけどー!
で、家に着いたら待ってた奴らが玄関で待ち構えてた。ヴォルテが笑顔でこう言った。「おかえり大斐!突然なんだけど、一日中いなかったのは事件とか事故に巻き込まれたから?」「うんにゃ、違う(ヾノ・∀・` )」
みんなに1回ずつ頭叩かれた。痛てぇし!
「で?どうしていなくなったんだ」リビングで、床に正座しながらみんなと向き合う。怖いんだけど〜!「うーん、俺にもよく分かんねーんだけど〜、俺ちょっとパラレルワールドに飛んじゃったっぽい!」
みんなに1回ずつ頭叩かれた。デジャヴ!
「なんでぇ?!」「この期に及んで聞き苦しい嘘なんかついてんじゃねぇよ…」「え?!嘘じゃねぇんだけど?!」「大斐!!」ガシッと肩を兄貴に掴まれる。「俺らがどれだけお前を心配したか分かってるのか?!事件にでも巻き込まれたんじゃないかって、仕事休んでまでお前のことを探し回ってたんだぞ?!ダクラだって、学校から帰ってきたらすぐ探して…っ、」「…だけどさぁ斐甍、こいつこんな時にまで冗談言わねぇと思うんだけど」ないす!やっぱヴォルテはよく俺のこと分かってるよな!さすが俺の親友だわ!「異世界に飛ばされたのが冗談じゃなくてなんだってんだよ」「いやでも…」「兄貴もヴォルテもストップ!喧嘩するなぁ!」「はぁ?!お前のせいでこんなことに「よーするに!俺がパラレルワールドに行ったことを証明すればいーんだろ?!」俺はポケットからスっとスマホを出して、写真フォルダを開く。そんでみんなに画面を見せた。みんな俺のスマホの画面をじーっと見てる。
「何だこの写真」「いや、だから、パラレルワールドで撮った写真」兄貴がバッとスマホを奪い取って、ズームしたりしてる。周りの奴らもぎゅうぎゅうになって画面を見た。
前に俺が見たパラレルワールドものの漫画では、そこで撮った写真がバグって現実世界では見れなかった、みたいなものもあったけど…。でもスマホにちゃんと残ってた。良かった〜、これなかったら詰んでたもんなー!証明出来ずにおしまいになっちゃうとこだった!
「お前が加工したとかそういうのじゃねーの?」ヴォルテが俺に問いかけた。「俺にそんな技術あると思う?」「ないと思うわ…」「金払って誰かに頼んだとか」「俺がそこまでしてドッキリすると思う?」「ない」「だろ??あっ、ちなみに動画もあるんだぜ」
一先ず写真やら動画やらをみんなに見せた後、取ったメモとかも見せながら、あの世界のことをみんなに説明した。俺が説明してる最中、誰一人として口を開かなかった。みんな俺が発する一つ一つの言葉を聞き漏らさないように、めっちゃ集中して聞いてた。謎の優越感感じちゃったよね。
「…で、ダクラに起こされて、現実世界にいたってわけよ。大体こんな感じかな」俺が一通り説明を終わらせても、みんな黙ったままだった。みんなが困惑してるのが雰囲気で伝わってきた。「俺の説明で分かった?」「説明自体はわかった、お前無駄にコミュニケーション能力高いからな」「無駄に???」兄貴俺のことディスるの好きじゃね?昔からそーだよなぁ。「…ただ、どうしても信じ難くてな」「んなこと言ったってさぁ…。俺だって最初は夢だと思ったし!」我ながら適応能力は高いなぁと思う。だって俺、あそこで起こったことちゃんと受け止めてるもん。「俺…、向こうのダクラが心配だよ…。あんなところで一人でいるなんて可哀想で…」
「だけど結局は違う世界線の俺なんだろ」家に帰ってきてからずっと無言だったダクラが口を開いた。「別人なんだから気にする必要ない」「はぁ?!いくら世界線は違くても、ダクラはダクラだよ!心配しないわけねーじゃん!」ダクラがじっと俺を見る。だけどそこから感情は読めない。「まるで帰ってこなかった方が良かったみたいな言い草だな」「そういうわけじゃねーよ!ただ俺は…」
「ったくダクラ、突っかかるのはやめろ」ヴォルテがダクラをなだめる。そんでダクラがヴォルテを睨みつけた。ひー、俺にまで殺気が伝わってくる…。「とにかく!俺がいなくなったのは、そういうことデス」「…信用せざるを得ないみたいだな?」兄貴がため息混じりに言った。「これ以上疑うのも意味が無い。俺はお前を信じる」「おっ兄貴さすが〜」「俺も信じるよ〜」「ヴォルテも分かってんじゃん☆」ダクラはずっと、ムスッとしてた。なぁにをそんなに怒ってんだよぉ。
結局その後、みんな疲れてたからすぐに解散して寝た。また居なくなったら困るからって、みんな俺の部屋で寝た。ダクラに至っては俺のベッドで隣で寝たし。普段なら100%有り得ないんだけど?
朝目が覚めた時は、現実世界にいたからホッとした。と同時に、パラレルワールドのダクラのことを思って落胆した。
「ということで!俺、色々推理してみたんだけど!」「急になんだ」朝飯食ってる時に、俺は話を切り出した。「んだから!俺がなんで隣街の道端に寝っ転がってたかって話!俺さぁ、この世界とあの世界はリンクしてるんだと思うのよ!」「そりゃパラレルワールドというくらいなんだからリンクはしてるだろ」「そーゆーことじゃなくて!だからー、場所の位置がリンクしてるってこと!」「どゆこと?」「つーまーりー!この世界で俺の家がある場所は、あの世界では最初にいた路地裏だってこと!で、あの世界でダクラの家があった場所は、この世界では隣街の道端ってこと!!」こことあそこはリンクしてる説。自分的にはなかなかにいい説だと思う。「…そうだとして、何になるんだよ」朝だからなのか昨日のことを引きずってるのか分からねーけど、めっちゃ機嫌悪そうなダクラが低い声で言った。「何になるってことはねぇけどさぁ…でもなんか後々使えそーじゃん?」「お前はまたそのパラレルワールドに行きてぇのか」うーん、ここはなんて答えるのが正解なんだろ?行って向こうのダクラを助けたいのも山々なんだけど、この世界に帰って来れる保証はないというか…。「…まぁその…、天に任せる感じかなぁ」ダクラが舌打ちしてどっか行った。えぇ〜なんか戻ってからめっちゃ冷たいんだけどー!俺の好きだったダクラくんどこー?!今も好きだけどー!ちょっと冷たすぎるー!
「あのさぁ…、俺、実は割とまた向こうに行きたいって思ってんだよね」ダクラを何とか連れ戻して、打ち明けた。「お前なぁ…」「だって向こうのダクラが…」「お前の主張も分かるがな、お前の世界線はここだろう。…それに向こうの世界に行って、お前に何が出来るんだ。まさか本当に世界を救うことができるとか考えてるんじゃないだろうな」「俺なら出来るよ〜」「大斐、俺は割と怒ってるよ??」「えぇー!何でー?!世界救うことの何がそんなにいけないわけー?!」「危険だからに決まってるだろ!そんな訳の分からんロボットがうじゃうじゃいたり、変な政府当局がいたり…」「んなこと言ったって〜、この世界にも、殺人犯もヤバい人もいるじゃん?」「だがな…」「俺はダクラを救いたいの〜!」「そもそも、またその世界線にいける保証はないんだぞ」「でも2度目はないっつー証拠もねぇし!!」
結局あーだこーだ言い合っても、神のみぞ知るっつーの?だから俺らは争うのをやめた。「俺、もし向こうの世界に行けた時のために、この世界の写真と動画撮っとくね」「俺も行く」「あーそぉ?いいよ別に〜」なんか今日はダクラがくっつき虫なんだけど。昔に戻ったみたい。嬉しいんだけどさぁ、普段はツーンとしてるから慣れないというか…。つーかダクラが近づく度に心臓バクバクいうのやめてもらえます?
あれから1週間が経った。普通に寝ただけなんだけど…、また目が覚めたら例の路地裏に居たわ…。
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