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頭を抱えていた手を退けて、連華ちゃんをおんぶした。
猛スピードで走って、日本国の大阪の山の中の愛華の居る屋敷に向かった。
山の中に大きな館が見えてきた。その館の庭に僕は勢いよく入った。
「愛華!僕もう駄目!緊急!」
緊急過ぎるよ。愛華、頼むよ。そんな思いを込めて僕は叫んだ。
「連華、もう、僕達ドールのリーダーを呼んだから、僕の能力、“身代わり”で連華のしんどさを取るね。そしたら僕は暫く寝てると思うけど」
連華ちゃんをそっと降ろしてそう言った。
連華ちゃんの顔の前に手を伸ばして「身代わり」と唱える。
あ、もう、力入んない。
「炎端!どうした!」
草花の上に寝転がってると愛華が縁側から飛び出てきた。
「この、子、れんめい、ドールで、ぼ、く、能力で、ハァ、ハァ、うけおった、から、あ、と、よろ、」
最後の力を振り絞って、大まかな情報を愛華に託す。愛華は賢いから、こんだけの情報で分かるよね。
そうして僕は意識を手放した。
気を失ってる時、僕は夢を見たんだ。誰かと深く関わらないって決めたあの日の夢を。
『僕は、これから中立国として生きるんだ』
その日、スイス様に告げられた驚きの事項。
『中立国?そっか〜。中立国なら、誰かの肩を持っちゃ駄目に成るんだね』
驚いたなぁ。僕の顔からじゃ、僕の言葉からじゃきっと伝わってはくれないけど、僕は凄く驚いたんだ。
元々、感情を表に大きく出すのは苦手だった。でも、人は大好きだったし、普通に仲良くなりたかったから、よく関わりに行ってたし、普通に笑ってたと思う。
けど、この日から僕は一線引くようにした。深く関わりすぎたら情が移っちゃうから。
窓の外からはチュンチュンと小鳥の歌声が聞声てきて僕は目を覚ます。
「ん、ん〜、ふぁ~。よく寝たぁ〜」
大きな欠伸をしながら背伸びをしてそう言いう。
「炎端さん!良かった、平気そうです」
連華ちゃんが嬉しそうに僕に向かってそう言った。
「おはよう」
いつも通りの笑顔を向けて、いつも通りに挨拶をする。
連華ちゃん、もう、シンドいのもしっかり無くなったんだね。良かった。
これからはあんまり連華ちゃんに関わら無いようにしなくちゃ。情がかなり移っちゃったみたいだしね。