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#ドS
#デートDV
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目が覚めたとき、
胸の奥に残っていた熱がまだ消えていなかった。
スマホを開く。
昨夜のメッセージが静かに光る。
『その時間、空けておきます。
先輩とお話しできるの、嬉しいです。』
指先が画面の上で止まる。
呼吸が少しだけ浅くなる。
短く打ち込む。
『おはようございます。
今日、よろしくお願いします。』
送信。
すぐに既読がつく。
『おはようございます。
こちらこそ、よろしくお願いします。
……少し緊張してます。』
胸の奥がわずかに揺れた。
その揺れは、すぐに静かに広がっていく。
『大丈夫ですよ。
話せるの、嬉しいです。』
送信。
鏡の前に立つ。
服を選ぶ手が少しだけ迷う。
普段なら気にしない細かな皺が、
今日はなぜか目に留まった。
スマホが震く。
『先輩、無理のない時間で大丈夫です。
どこでも合わせます。』
画面を見つめたまま、
指先がわずかに強くスマホを握った。
『ありがとうございます。
じゃあ、〇時ごろでどうですか。』
送信。
『はい。
大丈夫です。
その時間、向かいます。』
短い文なのに、
胸の奥の温度が少しだけ変わった。
窓の外の光が強くなる。
その光の中で、
今日という日が静かに形を持っていく。
スマホを手に取る。
入力欄を開き、
一度だけ指が止まる。
言葉を増やす必要はなかった。
でも、何も言わないのも違った。
短く打ち込む。
『気をつけて来てください。』
送信。
画面の光が静かに揺れた。
その光を見つめながら、
胸の奥の距離が確かに縮まっていく。