テラーノベル
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苦しさって、いきなり来るわけじゃない。
少しずつ積み重なって、
気づいたときには、もう限界になっている。
琉叶はある朝、布団の中で動けなくなった。
体が重い。
心が重い。
理由はわかっている。
返事が来ない。
それだけ。
たったそれだけのことなのに、心の中はぐちゃぐちゃだった。
学校に行く準備をしながら、鏡に映る自分を見る。
目の下に、うっすらクマ。
顔色が悪い。
でも、誰にも気づかれない程度。
それが、余計に苦しかった。
学校に行けば、洸がいる。
それだけで、心がざわつく。
教室に入る。
いる。
普通にいる。
普通に笑ってる。
普通に友達と話してる。
その光景を見るたびに、心が削れる。
――なんで私は、こんなに苦しいんだろう。
――なんで何も起きないんだろう。
――なんで待ってるんだろう。
答えは全部わかってる。
好きだから。
それだけ。
でも、その「好き」が、自分を壊し始めていた。
夜。
布団に入っても眠れない。
考えたくないのに、考える。
期待しないって決めても、期待する。
諦めようって思っても、諦められない。
感情が、言うことを聞かない。
涙が出るわけじゃない。
大声で泣くわけでもない。
ただ、胸が重い。
苦しい。
息がしづらい。
静かに、壊れていく感覚。
琉叶は、心の中で思った。
――このままだと、私、壊れる。
それは、大げさじゃなかった。
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