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唾液でよく濡れた陰茎を緩く握り、自慰をするみたいに擦ってみる。これくらいは今までもしていた事なので、清一のモノだろうがもう慣れたものだ。
だが、何度やっても興奮はしてしまうのが不思議だ。熱い吐息のまま陰茎に顔を近づけ、裏筋をツツッと舐める。切っ先だけを口に含み、竿部分を手で擦り上げると、清一が腰をもじもじと動かした。 痴態に染まる肌がほんのりピンク色に染まって愛らしく感じる。見事な胸筋の先で膨らむ清一の二つの尖りは美味しそうにツンッと自己主張をしていて、俺のズボンの中も段々と窮屈になってきた。
「みつ、充…… 挿れたい。ダメ?今日は無理か?」
口の中に半分だけ入る陰茎が、ドクンドクンと力強く脈打つ。こんなに早くそんな事をしたいなんて、上手く出来ていなくて不満なんだろうか?
俺が心配になっていると、清一が目の近くをそっと優しく撫でてくれた。
「このままじゃ気持ちよ過ぎて口に出しちゃうから。充、苦いの嫌いだろ?」
まぁ確かに。いくら好きな奴のモノとはいえ…… 精液までは飲める気がしない。もっと頭ん中がドロドロに溶けきっている時だったら可能かもしれないが、今はまだ無理そうだったので素直に口から引き抜いた。
「ぅあ…… 」
俺の口から抜き出た瞬間、清一が恍惚とした表情で甘い吐息をもらした。そんな声を聞くだけで腰の辺りがざわつき、腹の奥がきゅんっと疼く。無意識に俺が脚をモジモジさせていると、清一が足で器用に両方の靴下を脱ぎ捨て、俺の股間を軽く踏みつけてきた。
「うあっ!」
痛くはないが、踏まれた事に驚いて声が出た。
「咥えてただけでもうこんなになったんだ?充はイヤラシイな」
「…… エ、エロ動画の観過ぎだ、お前」
足を上下に動かし、布越しに勃起するモノを擦られる。パンツの中でグチュッと音がして、蜜が溢れている事をイヤでも気付かされた。
「観てないよ、その類は。充相手じゃないと勃たないし。男同士のやり方をネットで調べたくらいは、まぁ…… 後学の為にも、したけど」
お前だけだと言われた事で、カッと顔が赤くなった。
「自分で脱いで、充」
清一のお願いに対し、素直に頷く。着ている制服の上着、ワイシャツ、ズボンをサッサと脱ぎ捨てると、清一と同じくボクサーパンツだけの姿になった。
最後の一枚も脱ごうとすると、清一が手を掴んでそれを止める。
「それは穿いたままでいいよ」
「え、やりにくくね?」
「まぁ、それはそれで趣があるさ」
『この変態め』と言いたくなったが、自分も興味があったので言葉にはしなかった。
ベッドに上がり、仰向きで寝転がる。下から雑多に道具が入る箱を清一が取り出すと、その中から必要な物を一式抜き出して近くへ無造作に投げた。
「愛撫とかは後で沢山するから…… ごめんな」
手に潤滑ジェルをドロリと垂らし、清一が体温で温める。俺の穿くボクサーパンツを下にずらして双丘の間に指を忍ばせると、期待にヒクつく蕾をクルクルと撫でて解し始めた。
「…… 昨日もシタから、すぐに挿入りそうだな」
クスクスと笑われ、恥ずかしい気持ちになった。親が遅くまで居ないのをいいことに、毎日毎日人のことを此処に押し倒しては淫猥な事ばかりしやがって。清一の与えてくる快楽という罠に見事にハマり、少しの抵抗もする事なく受け入れてしまっているので、一方的に奴を責められないのが悔しくてたまらない。
恥ずかしくて、悔しくて、でも好きだから抱かれたい気持ちが先に立つ。あーもう、これだから恋愛感情とは厄介なものだ。
「もういけそうだな」
ゆるりと解れている蕾に指が入り、こちらの反応を伺いながら指先で内壁を撫でてくる。体内に異物を挿れる違和感などはもうほとんど無くって、ただただ気持ちいい。今更抱く側になど戻れない気がする。
(…… まぁ、そんな経験一度も無いけど。きっとこの先も、清一と居る限り訪れないんだろうなぁ)
「いいか?」
「『攻守交代したい』っても、どうせ聞かないんだろ?」
苦笑しながらそう言うと、「騎乗位ならいつでもどうぞ」と返されて即座に拒否した。
陰茎に薄手のゴムをはめ、双丘の間にソレを当てがう。解れた蕾にゆっくりモノを押し込んでいくと、途中からは勢いよく根元まで一気に挿入ってきた。
「あぁぁぁっ!」
ぐちっ、ぬぷっとイヤラシイ音と共に、体に快楽が駆け巡る。艶めかしい声が互いの口からこぼれ出て、更なる興奮に体の芯から震えた。
いくらされても飽きる気がしない。回を重ねるごとに体が馴染み、より深く享楽に溺れる。
「す——、——だ、みつ…… 充」
また清一は肝心の言葉を言えていない。唇は動いているのに、音にはなってくれていない。今までどれだけ本心を押さえ込んできたのかを垣間見た気がした。
関係を壊したく無い。
男同士だから報われるはずが無い。
傍に居る為ならば、言わずにこのままで——
そんな想いを清一は今まで沢山抱え続けてきたのだろうに、隣に居ながら全く気が付いてやれていなかった自分の不甲斐なさに涙が出てきた。
「い、痛いのか?」
心配し、声を掛けてくるくせに穿つのを止めてはくれない。止めて欲しい訳では無いのでいいのだが、『どんだけしたいんだよ、お前は』とは思ってしまった。
激しく求めてくる清一の首に腕を回してギュッと抱きつく。柔軟も筋トレも、初めて清一と相互自慰を行った日以来真面目に続けてきたおかげで、正常位でも体が痛くない。
抱き返してくれる事で生まれる安心感に包まれながら、前立腺をゴリゴリと陰茎で擦られる行為を存分に楽しむ。劣情により破顔した顔を清一の耳元に近づけ、「もっと、きもちぃ……」と懇願した。
「了解。素直で嬉しいな。回を重ねるたびにどんどんエロくなるよな、充は」
俺の耳元に顔を寄せ、耳朶を甘噛みしながら清一が囁いた。
「おまぇの…… せい、だろ?」
「イヤか?」
「ま、さか…… 好き、だよ」
「俺も、俺も充が——。——だ、……すき、だ」
(い、い、いって…… 言ってくれた!嬉しい、嬉しい嬉しいっ!)
たった一言なのに、心も体も満たされる。体だけを求められている訳じゃないと頭ではわかっていても、この一言の有無だけで多少なりとも心の隅で燻っていた不安感が皆無になっていく。
「俺、も」
いつから?とは訊かないでくれる清一の厚意に甘えながら、必死にすがりつく。感情の昂りのせいか清一のモノを喰い締める力が強くなり、「ソレ、ヤバイ…… 待って!」と焦った声を清一があげた。
「…… 充」
挿入を止める事なく、清一が俺の頰を撫でて瞳を覗き込む。
「きよ…… か…… 」
名前を呼ぼうと口を開けると、唇を奪われて言葉が消えた。吐息と唾液を絡ませながら、舌を貪り合う。軽く舌先を噛まれるだけで、体に電気が走った様に痺れた。
ピッタリとくっつくせいで、自分のモノが清一の下っ腹にあたって擦れる。手でしごかれる時のようにはいかないが、前も後ろも攻められて、もう爆発寸前だ。『体の相性』というものが本当にあるのなら、きっと俺達は最高だといえよう。誰かと比較なんかする必要性も感じないくらいに、どこもかしこも気持ちがいい。
「みつる、イッて…… いいか?」
首肯だけで答え、腰をよじる。もう自分もこれ以上は無理だった。
絶頂を目指し、自分本位な動きを清一がしだしたがソレが余計に気持ちいい。必死に求められる感じが、腹の奥に直接響く。
「みつ…… っ」
「い、いぃから…… こっちも、も——んっ!」
「んくっ!あぁっ…… ゔっ」
清一の陰茎がナカで存在感を増し、弾けたと同時に己のモノがしっとりとした肌の上に白濁液を撒き散らす。どくどくっと若さゆえの量を勢いよく出し切ると、清一の首に回していた腕から力が抜けて、ベッドにぽすんっと落ちた。
「はぁはぁはぁ…… 」
ランニングでもした後みたいに呼吸が苦しい。清一も同じみたいで、額から汗が零れ落ち、何度も肩で息をしていた。
ずるりっと体から清一が抜け出ていく感覚に、腰がびくりと跳ねる。
「…… 好きだ、充。愛してる…… ずっとずっとずっと前から、充だけが好きだった…… 」
ギュッーと上に重なる清一が俺の体を抱き締める。
「今言うか」
下着一枚同士。しかも精液でドロドロだわちょっと行為の邪魔だわの状態で、貴重な一言を言われたっていうのに、否応なしに心へ響く。
「…… でも、ありがと。長いこと想ってくれていて、ホントに嬉しいよ」
「ずっと一緒に居たい、充」
首元に唇を当てて、清一が囁いた。
「…… もちろん、俺はすでにそのつもりだぞ」
「言質、取ったからな。記録してあるから、後で『言ってない』とか言わせないからな!」
当たる唇に力が入り、強く首筋を吸い上げる。制服でギリギリ隠れる位置に、赤い花弁の様な跡がくっきりとついた。
「紅くてとっても綺麗だ、もっとつけたい…… 」
唇が移動し、俺の答えを待つ事なく跡が増えていく。胸、二の腕、腹だけでなく脚にまで赤い花が散りばめられた。こんなに多くては『虫に刺された』なんて言い訳は出来ないレベルだ。『存在を隠していた彼女にされた』と、バレバレの嘘すらも言えない。明らかに抱かれた側の体になっている。男としては沽券にかかわる話になってくるが、清一の『好きだ』って一言で諦めがついてしまった。
清一の想いの深さに追いつく。もしくは、追い越すのなんか絶対に無理なんだろうな。『あ、よく考えたら俺も好きだわ』って思ったのもつい最近だし。…… でもまぁ、告白されているのを知るたびにイライラしていた事を思い返せば、そこそこ前からは好きだったのかもしれない。だが、『いつから?』とか『きっかけは?』だとかは、やっぱり全然思い付かなかった。一番近くに居て、気心が知れた相手だとしか頭では認識していなかったしな。
「好き、好き好き——…… 充」
「嬉しいけど、流石にしつこいわ」
額にチョップをして、ツッコミを入れる。頭では『何度も言うな、煩え』って考えるのに心の琴線にはしっかりと触れていたのか、ほんわかと胸が温かくなっていく。
何よりも欲しかった言葉を貰い、俺の足元で、内腿にまでキスをしまくっている清一の頭を嬉しさからわしゃわしゃと撫でまくる。さっき清一がふとこぼした『記録してある』とかって言葉が少し引っかかったが、二回戦目を開始された事で深く意味を考える事は出来なかった。
【番外編①・終わり】