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#恋愛
ばたっちゅ
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モブD
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カエンボクが大きく笑うと、先程とは比べ物にならないほどの凄まじい火力の炎が噴き出した。熱風が広場を駆け抜け、観衆が思わず手で顔を覆った。
「見たか、これが俺の火力だ! 喰らえ! 秘伝の香辛料!!」
彼は乱暴に叩き切られた分厚い肉を炎で包みながら、小袋に入った大量の粉末をバサッと振りかけた。その瞬間、大量の香辛料が焦げる匂いと、飛竜の獣臭い肉が焼ける臭いが混ざり合い、広場にドギツイ臭いが立ち込めた。
「な、なんなんだこの臭いは……!」
「香辛料入れすぎじゃないか、げほっ、げほっ……」
観衆たちは目を閉じて、口元を布や服で覆った。だが、カエンボクは周囲の反応など気にせずに勝ち誇ったように笑い声を上げた。
「はーっはっはっは! これぞ宮廷魔法使いの炎魔法の火力だ! そしてこれがマホガニーの秘伝の香辛料で味付けをした究極の一皿だ!」
ドガッ!
カエンボクは出来上がった肉の塊を豪快に皿に叩きつけた。肉の外側は完全に炭になっていたが、彼は満足げに胸を張る。
「飛竜の肉は分厚くて硬い。これほどの火力でもなければ中は焼けず、食べた人たちが腹を壊す。俺ほどの魔法使いでもないと調理できない食材だ」
するとこちらを向いて勝ち誇ったように叫んだ。
「どうだ、エルムの平民共! ちんたらしていたら中身どころか表面すら焼けないぜ? さっさと地べたに這いつくばって負けを認めたらどうだ」
「ねぇ、ユウト。あんなこと言われてるけど本当に大丈夫?」
サフランが心配そうに耳打ちをしてきた。
「大丈夫っすよ。あんな奴ほっといたらいいっす」
(あんな真っ黒焦げの肉、胃もたれがしそうっすね)
「さて、そろそろ時間すね」
俺はカエンボクの煽りをスルーして、鍋から密閉袋を取り出した。
すると、サフランが心配そうに覗き込んできた。
「お肉はどう? ちゃんと焼けてる?」
俺は肉の様子を確認し、サフランの方を見てVサインをした。
「心配しなくていいっすよ、サフラン。ティアレ、もう火を止めていいっすよ」
「わかったよ、ユウト!」
俺は丁寧に袋を開いて、肉をまな板に取り出した。玉ねぎ風の野菜と低温調理によって、硬かった飛竜の肉はぷるんとした弾力を持っていた。
「す、凄い……! あの飛竜の肉がこんなに柔らかくなるなんて!」
「これで終わりじゃないっすよ」
俺は袋に残った玉ねぎ風の野菜と肉の汁を小さな鍋に移した。
――家事スキル:家庭の基本調味料!
スキルを発動すると、手元に見慣れた醤油、みりん、赤ワイン、食用油が現れた。ご丁寧にパッケージまで現代風だ。
俺は、それらの調味料を鍋に入れる。飛竜の旨みが溶け出した肉汁と、甘みが出た玉ねぎ風の野菜の香りが鼻をくすぐる。
「ティアレ、今度は少しだけ強めの炎をよろしくっす」
「うん!」
ティアレが少しだけ強めの炎を出し、鍋を一気に煮詰めていった。グツグツと煮詰まるソースから食欲をそそる香りがふわりと立ち上がった。
「これで極上オニオン風ソースの完成っす」
「凄くいい匂い!」
「こんなの……僕、家でも食べたことないよ」
隣でサフランとティアレがソワソワしているのがわかる。
「さて、いよいよ仕上げっすよ」
俺はフライパンと、調味料セットから食用油を取り出した。
「これで……どうするの? ユウト」
「香ばしさを出すために、強火でサッと肉の表面だけを焼くんすよ。ティアレ、強火をよろしくっす」
「ほーい」
フライパンをティアレに熱してもらい、薄く食用油を引く。その後飛竜の肉を投入した。
ジュウウウウウウウッ!!
その瞬間、飛竜の極上の脂の甘みと旨みが爆発的に引き出されていく。そして、特製ソースの匂いと混ざり合って広場全体を一瞬にして包み込む。それはカエンボクの時のような香辛料で誤魔化した焦げ臭さとは正反対の、脳を刺激する香りだった。
「な、なんだ今の匂い……っ!? 胃袋を直接掴まれたみたいだ……!…」
「本当に飛竜の肉の香りか? こんな匂い嗅いだことないぞ」
「獣の匂いがしない……? たまらん……っ! 早く食べたい!」
先程まで俺たちを嘲笑っていた観衆たちが一斉に唾を飲み込んだ。彼らの目線は俺たちの肉に釘付けだ。隣では顔面を真っ青にして震え始めるカエンボクがいた。
俺はゆっくりとフライパンから肉を取り出した。
「さぁ、サフラン。最後の大仕事だ」
「うん!」
「このお肉をできるだけ薄く、綺麗にスライスしてください」
「任せて!」
サフランが再び包丁を構え、流れるような軌跡を描いて肉を刻む。
スゥッ……トンッ。
力技ではない完璧な刃筋だった。切断された飛竜の肉の断面が見えると、特等席の審査員たちから感嘆のどよめきが聞こえた。
「おぉーっ!」
「う、美しい……」
強火で焼き焦がされたカエンボクの肉とは違う。外側は香ばしく焼き上げられ、中はしっとりと薄紅色に仕上がっている。そして、流れ出す肉汁が食欲をそそる。
「美味しそう……食べたい……」
隣でティアレがよだれを垂らしそうな表情をしている。俺は綺麗にスライスされた肉を皿に盛りつけた。そして、先程作った特製オニオン風ソースをたっぷりとかけた。
俺は会心の笑みを浮かべ、観衆の前に宣言した。
「飛竜のローストドラゴン……完成っすよ」
コメント
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わあ〜〜第18話、めっちゃアツかった😭🔥!! カエンボクのドヤ顔からのまさかの黒焦げ肉に笑ったけど、ユウトたちの低温調理×強火仕上げのローストビーフ、描写がもうヤバすぎてお腹空いたよ!! 特製オニオン風ソースの香りが画面越しに漂ってきた🥺💕 サフランのスライス技も美しすぎて鳥肌…! 次回の審査結果が気になりすぎる〜〜!!