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第2話続き
幾多の家が焼き払われ、幾多の命が消えていく…
こんな事があっていいのか?
今すぐにでも辞めて欲しい。
お願いだ、リリアンヌ、今すぐ辞めてくれ。
第3話
緑の国侵略から数日たった日、いつもの様にリリアンヌが椅子に座って居る。
すると、1人の兵がやってきた。
「リリアンヌ様!ご報告です!」
「なんじゃ」
少し不機嫌そうに答えるリリアンヌ。
それもそうだろう、まだ愛しのカイルの想い人が探せていないのだから。
「カイル様の、想い人である緑ノ娘が、発見されました!」
彼女にとっては嬉しい報告。
愛しの彼の想い人がやっとこの世から消えたのだから。
「早く連れてきなさい!!」
「その、緑ノ娘、なのですが、発見された時にはもう、死んでいた。との報告です。」
リリアンヌの顔が無邪気な顔から悪ノ娘の顔へ変わる。
「そう…」
その顔は笑っているようにも見えた。
第4話
街に偵察へ行っていた兵士が云う。
「大変です!民衆が、攻めてきました!」
僕達は状況把握に時間がかかった。
要するに民衆は、餓えに苦しんでいるというのに王族達が自分達に食料を分けず自分達だけ楽をしているから。的なものだそうだ。
どうすればいい?
まずなにをしたらいい?
リリアンヌを守る?
リリアンヌを連れて逃げる?
民衆の相手をする?
王宮の騎士を連れて戦う?
違う、僕がやるべき事は一つしかない。
僕にしか出来ないことがある。
第5話
僕は急いでリリアンヌの部屋へ向かった。
彼女は椅子に座り、おやつを待っていた。
僕はおやつのブリオッシュを出し。部屋を出ていこうとした。
「アレン」
後ろから声がした。リリアンヌだ。いつもよりか弱い声だ。
「はい」
「妾は殺されてしまうのか?」
またも予想していなかった言葉
「僕には、分かりません」
「そう、よね」
「私は、分かっていた筈なの。いつ民衆が攻めてくるのか。だけど、私はそんなことないだろうと思っていた。」
「だけど、今民衆達が攻めてきた。」
「やっぱ、私って馬鹿ね……」
リリアンヌの目から雫が落ちる。
「リリアンヌ…」
矢っ張り僕がやるべき事は1つしかない。
「リリアンヌ様━━━━━━━━」
「あら、意外と似合ってるじゃない」
「リリアンヌ様もですよ」
僕が云ったこと、それは
お互いの服をとりかえっこする事
僕はもう彼女と一緒に生活出来ないこと…もう二度と彼女と笑い会えないということを決心してからこう云った。
リリアンヌから笑顔が消える。
「なに、云ってるの?」
「リリアンヌ。その服を着て今すぐ逃げるんだ。」
「嫌よ。」
「お願いだ。」
「仮に逃げられたとしても、私が此処(王宮)に居ないことが分かればすぐにでも追っ手が来るわ!」
「大丈夫。大丈夫だよ。王女様は此処に居るからね!」
僕はクルリとドレスを見せ周りながら云う。
僕はリリアンヌをそっと抱き寄せ、肩に顔をうずくめる。
「アレン…」
「民衆の云う通り確かに君は悪い子だ。だけど今はもう違う。君は王女でもなんでもない。ただの召使だ。だからこそ出来ることがある。その抜け道から抜け出して、逃げるんだ。いいね。外には君の馬。ジョゼフィーヌを待たせてある。」
「嫌っ!」
僕の目からも雫が落ち、頬を蔦る。
「愛馬だって主が来なけりゃ困るだろう?」
「アレン……」
民衆の声がすぐ近くまで迫ってきている。
時間が無い。
早く逃がさないと。
「時間だ。もう行くんだ」
「嫌!!」
泣きながら云う彼女を背に僕は最終手段に出た。
ガチャン
僕は外から鍵をかけた。
「アレン!!開けて!」
「知ってる?リリアンヌ、この部屋ちょっとした細工があってね、」
「外から鍵を掛けて中から出られないようにする事ができるんだよ。」
「ちっちゃい頃よくお母様にこうやってお仕置されてたっけ」
「覚えてないよぅ…」
王女!居るんだろう!出てきたらどうだ!!
マズい。民衆が、、革命軍がもうすぐそこに迫ってきている。
早く、早く逃げてくれ。
彼女が逃げないんだったら…………
「じゃあね、リリアンヌ。」
「僕は君の変わりになる。だから、君は僕の変わりに、お婆ちゃんになるまで、、僕の代わりに生きて」
「さようならリリアンヌ。」
「君と居られた日々は楽しかったよ」
僕は叫び声が聞こえる扉を背に歩く。
革命軍の声がする方へ
次回、最終話