優羽が目を覚ますと隣で岳大がぐっすりと眠っていた。
岳大は右手で優羽に腕枕をし左手は優羽の腰に回して優羽をしっかりと包み込んでいた。
ここ最近の岳大は新規店舗の仕事以外に定期連載やコラム等の執筆業務、雑誌の写真の仕事、それ以外にも大学の客員教授としてのリモートでの授業や山岳協会の理事の雑務等に追われて忙しくしていた。だから疲れは相当たまっているだろう。
優羽は岳大を少しでも長く寝かせようと身動きをせずにじっとしていた。
しばらくすると岳大が目を覚ました。岳大は隣にいる優羽に微笑んでから言った。
「おはよう。寝ちゃったな」
「うん、もうすっかり夜よ」
優羽はなんだか恥ずかしくて岳大の胸に顔を埋める。岳大の肌の温もりを感じていると安心感に包まれる。
優羽は嬉しくてさらに身体を押し付けた。すると岳大が笑いながら言った。
「おっとまた始めちゃうと夕食を食べ損なうよ」
からかうような岳大の口調に優羽が顔を真っ赤にして反論する。
「違うもん!」
優羽が頬をぷくっと膨らませると岳大が頬を指で突いて笑ったので優羽も釣られて笑い声をあげた。
その後二人はテラスの露天風呂に一緒に入って汗を流した後着替えてからレストランへ向かった。
レストランにはしっとりしたピアノジャズが流れていた。
遅い時間だったのでレストラン内には二組のカップルしかいない。どちらのカップルもゆったりと食事を楽しんでいた
ホテルの夕食はフレンチだった。シェフおすすめの前菜に始まり、かぶのポタージュスープ、メインは黒毛和牛フィレ肉のポワレ ロッシーニ風でソースとのバランスが絶妙だ。
最後のデザートにはフォンダンショコラが運ばれてきたので優羽は大喜びをする。
幸せそうにデザートを食べる優羽を見つめながら岳大は今とても満たされていた。
それは優羽をやっと自分のものに出来たからだった。
岳大の予想通り優羽はセックスに関しては初心者だった。岳大の巧みなテクニックに翻弄される優羽を見てすぐにわかった。岳大が優羽の中に入る瞬間優羽は身体中に力が入り身構えていた。経験が少ない女性にありがちな反応だ。
それに気付いた岳大は心が痛んだ。
優羽は女性としての悦びを知らないままいきなり妊娠させられ出産したのだ。そして出産後から今日までそういう事とはずっと無縁の生活を送ってきた。
岳大が優羽の事を初心で純真無垢だと感じていたのは、彼女が本当に純真無垢だったからなのだと今やっと理解できた。
20代といえば普通なら愛する人との行為を楽しみ喜びを知り深めていく時期である。
それを経験しないまま彼女は急に放り出され孤独に耐えて一人で頑張ってきたのだ。
そう思うと岳大は西村の事が許せなかった。
岳大は優羽に対しこれから思い切り甘えさせてやりたい、女性としての悦びをいっぱい与えてやりたいそう思った。
食事を終えた二人はロビーの横にある土産物屋へ寄ってみる事にした。
土産物屋には先ほどレストランで食事をしていた二組のカップルも来ていた。どちらのカップルも仲が良さそうだ。
女性二人は優羽と同じくらいの年齢で男性3人の中では岳大が一番年上のようだ。
(岳大さんと私も他人が見たらあんな風に仲が良さそうに見えるのかな?)
優羽はそんな事を思う。その時いきなり涙が溢れてきた。
今までずっと独りだった優羽は隣にパートナーがいるという状況が幸せ過ぎて思わず泣けてきた。
優羽がそっと涙を拭っているとそれに気づいた岳大が心配そうに優羽の顔を見た。
「どうした?」
「ううん、なんでもない」
「疲れちゃったかな?」
「ううん、違うの」
「じゃあどうして泣いているんだい?」
「幸せ過ぎてなんだか泣けてきちゃったの」
その言葉に岳大の胸がギュッと疼く。そしてこの上ない優しい笑顔で言った。
「まだまだだよ。本当の幸せはこれからだ」
岳大は優羽の手をギュッと握ると優羽を連れて店内を歩き始めた。
その後岳大は優羽の実家と山荘のスタッフ、井上には菓子折を、そして流星にはリスのぬいぐるみを買ってくれた。
リスは同素材で出来た丸太の家がついていてリスを出し入れ出来る。
「この前保育園の園庭でリスがいたって騒いでいたからな」
「うん、そうね。きっと喜ぶわ」
岳大が会計を済ませた後二人はロビーを横切る際に奥の小部屋に卓球台がある事に気付く。
それを見た優羽はニヤッと笑って岳大に言った。
「勝負しない?」
「受けてたとう! どうせなら賭けをしないか?」
「賭け?」
「うん。負けた方が勝った方の言う事をなんでも聞くっていうのはどう?」
岳大がニヤリと笑って言ったので優羽は答える。
「いいわ。絶対に負けないから」
二人はフロントで卓球道具をレンタルするとすぐに勝負を始めた。
久しぶりの卓球はとても楽しかった。
優羽は前半かなりいい調子だったが後半は一切手を抜かない岳大の戦術に手も足も出ず結局敗退した。
悔しがっている優羽に向かって岳大が更に追い打ちをかけた。
「勝者の言う事を何でも聞くんだよね?」
優羽は悔しそうな表情を浮かべながら答える
「はいはい、なんなりとどうぞ」
すると岳大は優羽の耳元でこう囁いた。
「じゃあ部屋に戻ったらベッドで僕の上に乗る事!」
それを聞いた途端優羽は顔を真っ赤にして岳大の腕を思い切り叩いた。
その反応がおかしくて岳大は声を出して笑った。
部屋に戻ると早速岳大は服を脱ぎ捨てベッドの上にあおむけに横たわった。
そして優羽を呼び寄せる。
優羽は目のやり場に困りながらも覚悟を決めたのか真っ赤な顔でのろのろとベッドに上がった。
そんな優羽の服を岳大が一枚一枚剥ぎ取っていく。
優羽の下着まで全部取り払った岳大は優羽の腰を抱え上げると跨ぐような形で自分の上に乗せた。
その途端優羽の敏感な部分に岳大の硬いものが当たった。もうそれだけでおかしくなりそうだ。
岳大は身体を起こして優羽を引き寄せると優羽に唇を重ねた。
それと同時に両手を使って優羽を気持ち良くしていく。その愛撫はとても淫靡なものだった。
岳大の指が優羽の敏感な部分に触れるともう充分に濡れている。
岳大は再び優羽の腰を持ち上げると自分自身をゆっくりと優羽の中に埋めていく。
その途端に優羽が喘ぎ声を上げ始めた。
うっとりした表情の優羽を見て岳大は微笑む。今日一日で優羽はセックスの良さを覚えたようだ。それは岳大にとっても嬉しい事だった。
「優羽が腰を動かしてごらん」
そう言われても優羽はどうやったらいいのかわからずに戸惑っている。
「優羽が気持ちいいと思う動き方でいいんだよ」
岳大が優しく言うと優羽は頬を真っ赤に染めたまま集中する為に目を閉じる。
そして岳大の上で少しずつ腰を動かし始めた。
最初はぎこちない動きだったが段々コツを覚えてスムーズに腰を動かす。岳大は優羽の腰に手を添えると優羽が感じやすい部分へ当たるように微妙に調整を加える。
「あっっ……はぁんっ……」
うっとりとした表情の優羽が控えめな声で喘ぐ様子はかなりそそられる。
思わず岳大も呻き声を漏らす。
「くっ………」
その時優羽はうっすらと目を開けた。下にいる岳大が何かをこらえているような顔をしている。
岳大も快感を得ている事は優羽にもわかった。それにすっかり気を良くした優羽は少し大胆に腰を振ってみた。
その途端岳大が切ない表情を浮かべた後笑いながらそれを制止した。
「だ、駄目だよ優羽、良過ぎてそれは駄目だ……」
次の瞬間二人の身体の位置がくるりと反転した。
気付くと優羽はベッドに仰向けに横たわっていた。そしてすぐに岳大が優羽の中に入ってきた。
岳大は優羽の両足を真っ直ぐに持ち上げたまま少し斜めの位置から優羽の中を突いてくる。
その体勢は今までとは違う快感を優羽にもたらす。
「あぁーっっ」
思わず声が出てしまう。すると岳大は今度優羽を横向きに寝かせると優羽の背後に身体を密着させて後ろから突いていきた。
「あんっ あんっ」
新たな刺激に優羽は喘ぎっぱなしだった。
しばらくその体位で突いた後、岳大はもう一度優羽を仰向けに寝かせてから両ひざの裏に腕を差し込むと優羽の両足を大きく開いてから腰を埋めていった。
「あっ……あぁ、もうっ駄目………」
「うっっ」
あっという間に二人は同時に達した。その瞬間岳大が優羽の身体をギューッと抱き締め唇にキスをする。
部屋には二人のキスの音だけが響く。岳大は優羽にキスの雨を降らせた後最後に優羽の瞼にチュッとキスをした。そして優羽の身体を引き寄せる。
岳大の肌の温もりを感じた優羽は安心したように岳大の胸に腕を巻き付けるとやがて深い眠りへ落ちていった。
眠りに落ちる優羽を見つめながら岳大は優羽の事が愛おしくて仕方なかった。
岳大のテクニックに素直に反応し、喘ぎ、よがり、濡れていく優羽を見ているともう手放せなくなる。
(このあどけない寝顔の可愛い女性を一生大切にしよう)
岳大はそう心に誓った。
コメント
6件
誤字です、「負けた方が買った方の」→「勝った方の」だと思います😌
2人とも離れられない唯一無二の存在💕 許せないけど西村とのことがあったから巡り逢えた。 許せないけど西村にもそういう人が、奥さん…いてくれればいいと思えた。
素直でウブな優羽ちゃん西村の手で女としての悦びも知らずに妊娠→1人で子育て💢😡 可哀想すぎる😢 それが岳大さんの手解きで恥ずかしがりながらもだんだんと身体も女としての悦びを感じてmaxを迎える〜💕💕(*≧∀≦*)🫰 これはたまらん‼️ 岳大さんが優羽ちゃんを離せなくなって、もっともっと幸せにしてあげたくなる気持ちがとてもよくわかるシーンで満たされてましたね〜🥹❤️💓