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「あれ…?これは……?」
外に出ると、子猫が少し顔を出したダンボールがあった。俺は、そのダンボールに駆け寄る。
「なんでここに子猫が…?拾ってください…って…?」
この子猫は、捨てられたのか…。辛いだろうな…。
「お前、捨てられたのか…?俺の家に来るか…?」
猫は、にゃーと返事をする。
「俺のこと、怖くないのか…。なんか、優里みたいだな。」
猫はにゃーん?と鳴く。
「ああ、優里ってのは俺の幼馴染なんだ。もう、事故にあって亡くなっちゃったけど…。お前みたいに人懐っこくて明るいやつだった。」
(…もう、あのときの、人懐っこい優里は、見れないんだよな…。)
猫は、にゃー、にゃーん。という。
「慰めてくれるのか…?ありがとな。」
(こいつを見てると、やっぱ優里みたいだなって思う。俺の心の傷が、癒されてく気がする…。)
俺は、子猫を連れて家へと入って行く。
「お母さん!お願い!この子猫を飼わせて!!俺の心を癒してくれる気がするんだ!」
と、懇願する。
「そこまで言うなら…。でも、ちゃんとお世話するのよ。あと、明日必要なもの買いに行きなさい。」
よかった…。お母さん、飼うのを許してくれるみたいだ。
「うん!お母さんありがとう!」
俺は、子猫に駆け寄る。
「今日からお前はうちの子だ!」
(名前…なんにしようかな。)
「優里みたいだから、ひらがなでゆうり…にするか?」
猫はにゃーん、と返事をする。
「ゆうりって名前、気に入ったのか。じゃあお前は今日からゆうりだ!」
にゃん!と嬉しそうに返事をする猫。
「あら、優里ちゃんと同じ名前にするの?」
と、お母さんが言う。
「うん。こいつ、ゆうりみたいなんだ。すごい、似てる気がする。」
(こいつがいたら、毎日楽しそうだな。優里のことはすぐは立ち直れないけど…。)
「一緒にがんばろーな!ゆうり!」
「にゃん!」
ー第5話へ続くー