テラーノベル
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観光客達は次々と魚を釣り上げ、デッキは笑い声で溢れていた、ジンはぎゅっと奥歯を噛み締め、いまこの時を楽しもうと思った
「お義父さん、見てください!また釣れました!」
ジンが嬉しそうに叫ぶと、松吉も笑顔で応えた
「おお!ええ魚じゃ!さすがじゃな、婿殿!」
その時だった
ゴォォォォォ――
突然、海の上を強烈な突風が吹き抜けた、船が左右に大きく揺れる、観光客達が悲鳴を上げ、手すりにしがみついた
「うわーーーーーっ!強風だぁーーー!」
松吉が操縦席の近くでバランスを崩した、麦わら帽子が風に飛ばされ、松吉の体が宙に浮いた
その瞬間――
ザッパァァァァン!!
松吉の体が、海に投げ出された
「うわぁああああ!!」
「松吉っつあんっっ!」
「大変じゃーーーー!」
「大将が海に落ちたぞーーーー!!」
観光客達の悲鳴が響く、ジンは一瞬で松吉が落ちた船尾に走った、脳裏に昨日の松吉の優しい笑顔が浮かんだ、田んぼ道を一緒に歩いた朝の光景、弟のことを語った時の、温かい言葉
―生まれ変わったら、ワシの孫で生まれてこい―
ジンは一切の迷いなく、両手を矢印の先端のようにしてデッキから海へ飛び込んだ
.:・.。. .。.:・
冷たい海水がジンの全身を刺すように包み込む、サングラスが吹き飛び、塩水が目に染みた、それでも、ジンは必死で目を開け、松吉を探した
プハッ!!
「お義父さん!!」
海面に顔を浮かべると数メートル先で、松吉が必死にもがいていた、手が水面を叩き、松吉の顔面蒼白の顔が沈んでは浮かび、沈んでは浮かびを繰り返している
バシャバシャ!
「わ・・・わしは・・・泳げないんじゃ・・・!」
松吉の声が、波の音に混じって聞こえた
「ええ?!この島の人なのに?!」
ジンは驚きながらも全力で泳いだ、腕を大きく動かして水を足を蹴る、都会のジムで鍛えた体幹が今全力で動いている、波が視界を遮って海水を飲みそうになるがそれでも泳ぎ続けた
「お義父さん、掴まって!!」
ジンが松吉に追いつき、その腕を掴んだ、松吉の体は重かった、パニックになった人間は何倍もの力で暴れる、松吉の手がジンの肩を掴み、首を掴み、必死にしがみついてくる
「落ち着いて!大丈夫です!僕が助けます!」
「あわあわわわわわ!」
コメント
4件
きゃー大変、2人とも助かって🙏お願い😭
ジンさん!松吉さんを助けてーー💦2人とも無事でいてーーー💦😭
大変😰ジンさんお願い🙏 松吉さんをどうか助けて😭