テラーノベル
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ジンは必死で叫んだ、しかし、松吉の力は想像以上に強くてジンも一緒に沈みそうになる、海水が口に入る、鼻に入る、肺が苦しい
―ダメだ、このままじゃ二人とも沈んでしまう!とにかくお義父さんを落ち着かせないと―
「婿殿!これを使え!!」
その時、船から浮き輪が投げ込まれた、誠一郎の声が聞こえた、ジンは松吉の体を支えながら、浮き輪に向かって必死に泳いだ、足が重い、腕が痛い、呼吸が苦しい、それでも、休まずコールタールの様な重い海を泳いだ
「お義父さん、これに掴まって!」
「あぷぷぷっう~~~!」
松吉の手を浮き輪に掛けさせると自分も浮き輪に掴まって一気に安堵で力が抜けた、
「引っ張るぞ!!」
「離すなよ!」
誠一郎と観光客の男性たちが、ロープを引っ張る、ジンと松吉の体が、少しずつ船に近づいていく、やがて、船のデッキに手が届いた
「お義父さんを先に!!」
ジンが叫ぶと、誠一郎達が一斉に松吉の体を引き上げた
「よいしょ!よいしょ!」
松吉の体がデッキに引き上げられる、真っ青になった松吉が、デッキの上で激しく咳き込んでいた
「げほっ・・・げほっ・・・」
「松吉っつあん!!大丈夫ですか!!」
観光客たちが慌てて駆け寄る、ジンは最後の力を振り絞り、デッキの縁に手をかけた、腕が震えて指が滑りそうになる
「ううっ・・・」
全身の筋肉が悲鳴を上げている、どうしてこんなに力が入らないのかと思ったら、昨日の荒波祭りのダメージがまだ残っているのだと感じた
それでも、ジンは歯を食いしばり、腕の力だけで淵に上半身で這い上がると、そのままゴロンッとデッキに転がった
「はぁ・・・はぁ・・・」
デッキに仰向けになって荒い息を吐く、全身がびしょ濡れで、心臓が激しく打っていた、力が入らない
「婿殿!!大丈夫か!!」
誠一郎がジンの肩を掴んだ
ゼイ・・・ゼイ・・・
「ハイ・・・なんとか・・・お義父さんは?」
ジンが顔を上げると、松吉がデッキに這いつくばってみんなに囲まれている、激しく咳き込み、顔色は悪いが、意識はしっかりしている
―助かった・・・よかった―
ジンの胸に、安堵が広がった
「すぐに戻るぞ!!」
誠一郎が操縦席に走り、エンジンを最大にした、船が勢いよく向きを変え、マリーナに向かって走り出す、観光客達は、真っ青な顔の松吉に毛布を巻き、かいがいしく世話をしてくれている
コメント
3件
無事で良かった💦
2人とも無事で良かったーー😭 ジンさんの勇気に感謝✨️婿殿流石よーーー😭✨️
え~んよかった😭 二人とも無事で😢 ジンさんがいなかったら…😨本当にありがとう🙏 ジンの淡路滞在記、濃いわぁ🥹