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如月 未澄斗
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#刑事もの
鬼霧宗作
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第4話 凛一
取調室。
静まり返った部屋に、時計の秒針だけが響いていた。
坂田は問いかける
「君の親友、覚えているか?」
数秒間、何も言わなかった。
「…僕には親友が2人いた」
「満島凛一、覚えているな?」
すぐに反応した。
「もちろん。」
⸻
「じゃあ、別の質問だ。」
坂田は満島の写真を机に置き 写真を指で押さえる。
「満島凛一を殺したのか?」
部屋の空気が変わる。
優太はゆっくりと目を閉じた。
そして、小さく息を吐く。
「……殺してない。」
一拍置いて続けた。
「そう言いたいです。」
「そう言いたい?」
「でも……。」
優太は俯いた。
「もし、僕がやったとしたら。」
坂田は黙って聞いている。
「それは、僕じゃありません。」
「……。」
「別の人格です。」
坂田はその言葉を聞いても表情を変えなかった。
だが心の中では、一つの疑問が膨らんでいく。
本当に人格が違えば、記憶まで失われるのか。
⸻
取り調べを終え、坂田は廊下へ出る。
藤堂が待っていた。
「どうでした。」
「一年前の事件を知っていた。」
「それだけですか。」
「いや。」
坂田は少し考える。
「妙なんだ。」
「?」
「今回の事件のことを聞いても、何も覚えていない。」
「一年前の事件を聞いても、『もし僕がやったなら別人格だ』と言う。」
藤堂は腕を組む。
「つまり。」
「人格によって知っていることが違う。」
⸻
坂田は捜査資料を見つめた。
三人の女子中学生殺害事件。
一年前の満島凛一失踪事件。
二つの事件。
どちらも橋本優太の近くで起きている。
だが、話を聞ける人格は事件を知らない。
「……。」
坂田はふと呟いた。
「人格には。」
藤堂が顔を上げる。
「現れる条件があるんじゃないか。」
「条件?」
「今話している人格じゃない。」
「事件を知っている人格。」
「そいつを呼び出さなきゃ。」
坂田は資料を閉じた。
「真実は聞き出せない。」
⸻
深夜。
資料室。
坂田は古びた段ボール箱を机に置いた。
ラベルには、一年前の日付が書かれている。
『満島凛一 失踪事件』
坂田は箱を開ける。
もう一度、正確に読み直すべくファイルが を開く。
「この事件を調べれば……。」
そう呟きながら最初のページを開く。
「今回の事件との共通点が見つかるかもしれない。」
そして。
人格を呼び起こす”トリガー”も。
坂田はページをめくった。
まだ誰も知らない真実へ向かって。
コメント
1件
第4話読んだよ〜!めっちゃ静かな取調室の空気がリアルで、ちょっとゾクッとした…!優太が「別の人格です」って言った瞬間、ッ…!てなった😭💦 坂田さんが事件を知ってる人格を呼び出そうとしてるところ、続きが気になりすぎる!一年前の凛一のファイル開くラスト、今夜眠れそうにない…😇📚