花守町は、山と霧の多い田舎町だ。そんな街にポツンと立つ小学校があった。
学校内ではちょうど今ホームルームが終わった所だった。
5年1組たった3人しか生徒がいないクラスでは、頭脳派の「ゆうま」;スポーツ万能「みなと」優しい性格で男子からも女子からも人気が高い「みお」という生徒たちで成り立っていた。
今まさにこの3人は、ホームルームの時にちょこっとだけ紹介された転校生「しずく」について話し合っていた。
みなと;「正直どう思うよあの転校生…予言ができるって言ってたぞ」
みお;「私は予言がどうのこうのより、女の子が入ってきてくれたことが嬉しかったかな」
ゆうま;「僕はあの転校生あまり好きではありませんね、予言だなんて馬鹿げてますそれに雰囲気が暗すぎるんですよあの人」
その日3人は思い思い転校生のことを言い合っていた。
次の日の朝誰よりも早くみおが教室に着くとみおの隣に新しい席が用意されそこには転校生しずくが静かに座っていた。
みおは、持ち前の優しさと明るさで転校生に話しかけてみた。みお;「おはよう今日からよろしくね」しかししずくは無反応だった。それどころかぶつぶつと何かを言っていた。
しずく;「今から10秒後5年1組廊下前ガラスの破片が目に入り失明する。対象5年1組ゆうま」
みおがきょとんとしていると、5年1組の廊下前からゆうまの悲鳴が聞こえた。
みおがびっくりして廊下に出ると、そこには目を押さえて転がっているゆうまの姿があった。
ゆうまの周りには飛び散ったであろうガラスの破片が落ちていた。みおはその場に立ち尽くすことしかできなかった。やがて悲鳴やガラスの割れる音を聞きつけ先生達がやってきた。
その後のことはあまりの出来事にみおは覚えていなかった。ただ確かだと分かったことは、転校生しずくの予言は必ず当たると言うことだけだった。







