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大体は美鈴が簡潔な用事を言いつける内容のものが多かった
そこで沸き上がる素朴な疑問
―この二人は従兄だけの関係ではないの?―
そしてずいぶん遡って美鈴が父と結婚する前の二人のやり取りを見てしまった
「この苦しい運命を呪うのはやめよう」と美鈴はよこしていた
「これまで本当にうまくやってきたではないか・・・・私は自分のしてる事が分かっているつもりだ、もう少しの辛抱だ・・・ 」
さらに美鈴はこう書いてよこした
「あなたと私は一心同体だ」
「あなたの〝いとこ〟より」
そこでバスルームで徹のシャワーの音が止んだ、彼が出て来る、私はすかさず開いていたLINEを閉じて慌てて外にでた
私はキッチンでお皿を洗うフリをしてさっきのlineの内容を考えていた
もちろんいとこ同士でLINEのやりとりぐらいはするだろう、しかしあの内容はまるで美鈴からのラブレターではないか、そして最後の皮肉っぽい
「あなたの〝いとこ〟」
という文字をわざわざクォテーションで囲んである。しかしあの書き方でなかったら私はスルーしているであろう、あの二人はただのいとこ同士ではない・・・・