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もしも恋人ができたなら、彼女の憂慮を解決する自信はある。
だが別れを恐れられたら終わりだ。何故ならば人は必ず死ぬ。
「女神に代わり許しを与えます」
シスターの声が風に散っていく。
墓標の前で、シスターが膝をついて祈りを捧げている。
木の枝で作った十字架は秋沢信一のものだ。
祈るシスターとそれを見つめる巻木、隣には夜野美鈴が空を仰いで立ちつくしている。
あの衝撃的な出来事から一日が経っていた。
墓標には革のベルトが引っかかっている。
この異世界で手にしたベルトだけを残して、秋沢はこの異世界から消滅した。
もともと自分たちはこの世界の住人ではない。体は借り物だという証拠だ。
それでも墓標を作ったのは心のけじめをつけたかったからだ。
十字架は色とりどりの花で飾られている。
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