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マロン
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みずき
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佐久間くんの潤みを帯びた大きな目が、ゆっくりと見開かれた。さっきまでの苦しそうな顔より、ずっといい。
すぐに信じて貰えるとは思ってない。だけど苦しそうに、泣きながら俺への想いを捨てたがっていた佐久間くんに、伝えなくちゃって思った。
捨てるなら、俺に全部渡して。大事に仕舞っておくから。
そして今度は、俺が佐久間くんを想っていく。
片想いでもいいよ。
佐久間くんが苦しくない方を選べるなら、それでいい。
…苦しめて、ごめんね。
「…れ、ん……今、何て…?」
「佐久間くんが好きだよ。俺の側でいつでも周りを明るく照らしてくれてたのが、佐久間くんだって分かったから」
「俺なんて、別に…」
「駄目だよ、否定しないで。佐久間くんが側からいなくなって、やっと実感したんだから。俺にとって佐久間くんは、やっぱり太陽だったんだって」
戸惑った顔で俺を見上げる佐久間くんに、小さく笑ってみせる。
困惑したように逸らされた目も、何だか穏やかに受け止められた。これからずっと、何年でも。佐久間くんに片想いし続けるって覚悟が決まったからかもしれない。
すぐにでも気持ちに応えて欲しいとは、当たり前に思う。けど、苦しくてそれを捨てたいって思うなら…それは受け入れたい。
「…同情なら、いらねえからな…」
「佐久間くんは、俺が同情で誰かに恋するような奴だと思ってる?」
「それは…でも、ヤッたから情が移ったのかもしれないだろ」
「確かに気になったきっかけにはなったかもしれないけど。それだけじゃないよ」
疑り深い佐久間くんの言葉を、一つずつ否定していく。
どれも当てはまらないよ。
佐久間くんが佐久間くんだから、好きになっちゃったんだから。
言うべき言葉が見つからないのか黙ってしまった佐久間くん。逸らされたままの目を見つめながら口を開く。
「…信じてくれなくてもいいよ。それでもこれからずっと、好きって言い続けるから」
「……っ」
「ずっと想いを返して貰えなくても、それでもいい。想うのだけ許してくれるなら…」
囁くようにそう伝えると、逸らされたままだった佐久間くんの目にようやく俺が映った。
どこか戸惑ってるようにも見える表情で俺を見上げる。
「…何で、お前の片想い前提なんだよ」
「俺を好きでいるのが苦しいなら、捨ててくれて構わないって思ったから」
「何だよそれ」
「好きな人が苦しんでるのに、俺を好きでいてなんて言えないでしょう」
俺の言葉に佐久間くんは大きな目を更に見開いて、すぐに片手で頭を抱えるような仕草をした。
「…そうだな、お前はそういう奴だったな」
「佐久間くん?」
「いつだって相手の事を考えて、ばかみたいに優しくて…思ったよりマジでばかだったわ」
「…え、俺ダメ出しされてる?」
「違げえよ、ばか。そうじゃなくて……俺が好きな蓮だなって、そう思ったから…」
…今、好きって言った?
確信が持てなくて聞き返そうとしたその時、腕を俺の首に回しながら佐久間くんが伸び上がった。
そのまま柔らかく唇が触れ合う。
驚いて咄嗟に動けずにいると、佐久間くんがそのまま俺の首にぎゅうっとしがみついた。
「そんな簡単に捨てられるわけないだろ…お前が思ってるよりずっと、こっちは片想い拗らせてるんだからな」
「佐久間く…」
「…苦しくても痛くても…それが蓮のくれるものなら、全部欲しいよ」
コメント
2件
はーやっと同じ方向をむいたか、世話の焼ける🖤🩷だな、ただ一度同じ方向を向くと2人して暴走機関車になるからブレーキ役が必要だけど挙手するメンバー居るかな? 💙と🤍は冷やかしとゆう燃料投下しそうなので受付拒否で😅
水瀬菜音さん、第39話読みました! 蓮くんの「捨てるなら、俺に全部渡して」という台詞に胸がぎゅっとなりました。自分の気持ちを差し出す覚悟と、それでも相手の苦しみを优先する優しさが同時に伝わってきて…。 佐久間くんの「そんな簡単に捨てられるわけないだろ」からの流れ、本当に良かったです。拗らせた片想いがようやく通じ合った瞬間の温かさに、こちらまでほっこりしました。続きが気になります!