テラーノベル
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人外パロ(🩷)の💚🩷です。
(阿部視点)
「………ぅ…グスッ、おかあさん…?どこ……?」
雨の日、幼い俺は1人で街を歩いてた。
冷たい雨の中、一緒に歩いてたはずのお母さんとはぐれて、不安でいっぱいで…
周りにはお母さん以外のたくさんの大人。
どこを見ても暗くて、寒くて。
もうだめなのかなって思ってた。
「おーおー、何グズグズしてんのさ」
いつの間にか入り込んでた路地裏の端っこに座り込む俺に、誰かが声をかけてくれたんだ。
不安でいっぱいだった俺は、差し出されたその手をなんの疑いもなく握った。
その手を握って一緒に歩いてたら、雨が当たってても寒くなかった。
お兄さんも傘は差してなかった。
でも、そんなこと気にせずに俺の前を歩いてた。
お兄さんに手を引かれるままいたら、いつの間にかお母さんの姿があった。
「!お母さん!!」
お兄さんに行ってきなって言われて、俺は急いでお母さんのもとへ走る。
「亮ちゃん!!」
お母さんも俺のことを探してたみたいで、俺の声にすぐに気づいてくれた。
お母さんに手を握られながら、俺は振り返る。
さっきのお兄さんに、お礼を言えてなかったから。
(……あれ…?)
でも、お兄さんはどこにもいなかった。
確かにさっきまで一緒に歩いてきたはずなのに…
不思議に思いながらも、周りにはいっぱい大人の人達がいるし、きっとどこかに行ったんだろうって……
その日の出来事が今も忘れられずに俺の頭に残ってる。
「幸運の猫、ですか?」
「そう!ピンクの猫がいるんだって! 」
いつもの職場で最近噂になっている話。
“幸運を呼ぶピンクの猫”。
都市伝説的なものなのかな?
ツチノコみたいな?
「全身がピンクの猫なんだって!阿部くんはこういうの興味ない?」
「俺は……ちょっとは興味あります」
オカルト的なものは信じてない方かもだけど、本当にいたらいいなとは思う。
宇宙人とかはいると思うけどね!
幸運のピンクの猫、か…
頭に入れておこうかな。
会社から出て電車に揺られる。
この雲の感じ、あれが少し降りそうだな。
そんなことを思いながらぼんやり窓の外を見てる。
実家から都会に引っ越して、もう2年も経つのか。
俺は、結構有名な企業で働いてる普通の会社員。
職場は明るくて楽しいし、給料もいいから生活に困ることもない。
楽しく生活できてると思う。
「……」
そういえば、前にお母さんから連絡が来てたよな。
確か、家を少しリフォームしたから見てほしいって。
久しぶりに帰ってみてもいいかもな…
噂を聞いたあの日から1週間、有給を使って、俺は実家に帰省した。
都会とはまた違う安心感。
風が心地いいな。
故郷の匂いを感じながら実家の中に足を踏み入れる。
「まぁ、亮ちゃん!!」
「お母さん、久しぶり」
俺がリビングに顔を出したら、テレビを見ていたお母さんが嬉しそうに振り返る。
確かに、造りがちょっと新しくなってるな。
しばらくの間、お母さんに近況報告をする。
都会での話とか、こっちは何も変わってないよってこととか。
「せっかくなら町を歩いてきたら?」
「そうだね」
俺も行きたいところがあったから、お母さんに言われた通りに家を出る。
俺が行きたい場所は、あの日、俺が迷子になってた商店街。
あそこに、何となく行きたいなって思った。
町を歩いてて感じたのは、2年離れただけでも結構町並みが変わってること。
前にあった建物がいくつか無くなってたり、新しい建物ができてたり…
たったの2年なのに町並みはすっかり変わってて迷子になりそうだ。
「…ここ、かな?」
スマホのマップを見ながら何とか商店街に辿り着くことはできた。
ここは昔と変わってないな。
俺が知ってる状態のままだったから少し安心する。
俺がここに来た理由は1つだけ。
もう1度、あの時に会ったお兄さんを見つけたい。
あの頃の俺は、助けてくれたお兄さんに感謝を伝えられてないんだ。
それに……
お兄さんの存在はこんなに覚えてるのに、顔も声も…全く思い出せないんだ。
こんなにも記憶に残ってるのに、どうして助けてもらえたこと以外の記憶が無いんだろう…
それがずっと疑問で、俺の中でモヤモヤ溜まり続けてた。
だから、今日見つけられたらいいなって思ったんだけど…
「さすがに、それは無理なのかな…?」
あのお兄さんがここにいるとも限らないし、そもそもこの町の人なのかもわからないし、本当に見つけられるのかな?
見つかったら嬉しいなくらいの気分でいるけど、本音はすごく会いたくてしょうがない。
感謝したいからとかそういうのじゃなくて…ただ、もう1度お兄さんの顔を見たいんだ。
それに……
“幸運を呼ぶピンクの猫”。
それも探してみてもいいかなって思う。
どこにいるのかも分からないけど、都会よりは見つけられそうな気がするしね。
あの日の記憶を遡りながら、俺が歩いていたはずの道を歩く。
途中でこの町の人に声をかけられたりして、まだ俺のこと覚えててくれてるんだなぁって思ったり。
でも、それもそうだよな。
ここは広い町ってわけではないし、みんな家族みたいな感じだからな。
「そう!見たのよ!!」
「本当に~?」
「本当にピンク色だったの!!」
しばらく商店街の中を歩いていたら、買い物中の主婦3人組の会話が聞こえてきた。
今、ピンク色って言った?
もしかして……
「お久しぶりです。僕、阿部亮平なんですけど…」
「あら、亮ちゃん!?」
「また一段とかっこよくなっちゃってー!」
「今年でいくつでしたっけ?」
「今年で33ですね」
「「「嘘ー!!見えな~い!!!」」」
「あはは…」
この町1のおしゃべり好きっていうのも全然変わってないな…笑
でも、ちょっと安心したかもしれない。
「それで、ピンク色のっていうのは?」
「亮ちゃんも気になる?実はね、私見ちゃったのよ!」
「全身ピンクの猫ちゃんを!!」
以上となります。
今回の💚🩷は前編・後編で分けてみようと思います。
前編は💚が実家に帰って、過去に助けてくれたお兄さんと噂の幸運を呼ぶピンクの猫を探すという話ですね。
手がかりを見つけた💚はお兄さんも猫も見つけることができるのでしょうか…?
がぅたんさん、リクエストありがとうございます!
後編が出るのは、恐らくかなり遅くなってしまうと思います…!<(_ _٥)>
ここまで読んでいただきありがとうございました!!
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コメント
3件
リクエストお応えしていただいてありがとうございます .ᐟ .ᐟ もぅやっぱ合いますね 、、語彙力が無いんですけど .ᐟ 大好きな夢花さんの文章で大好きなぁべさくを書いていただいて本当に嬉しい限りです😿 後編も気長に楽しみに待ってます🥹💞
ああ、もう……すごく切なくて温かい話だった🥀💚 幼い日に助けてくれたお兄さんの顔も声も思い出せないまま、それでも「会いたい」って思う気持ちが、亮平くんの根っこにある優しさを感じさせるね。雨の日のシーンがすごく印象に残った……あの時、差し伸べられた手が、今も亮平くんの中で生き続けてるんだなって。 ピンクの猫の噂と、過去のあの日がどう繋がっていくのか、すごく気になるよ。後編、ゆっくりでいいから待ってるね🌙