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「____!」
リュウトはエスと奴隷商人に気づき、すぐさま戦闘体勢に入る。
それに続き、他のパーティーメンバーもサポートのしやすい位置に陣取った。
「おやおや、これはこれは。ここでもあなた達に会いますとは、これも運命なんですかね」
「アオイさんを解放しろ!」
「おやおや、自分が買えなかったからと八つ当たりはやめてください。
あの時アナタがもう少し早く来ていれば、何事もなく35番を買えたんですよ?」
「うるさい! お前達『女神の翼』は奴隷商の中でもやり方が最悪だ!
今ここで俺が____」
そしてリュウトは気づく。
「__!? そのじいさんは!」
エスと幹部の後ろに転がっている死体。
「知り合いですか? まぁ興味ないですが、私共も此方のご老体に用がありましたね」
その言葉だけで、リュウトには十分だった。
リュウトから殺気が放たれる。
「…………お前らが」
「はい?」
「お前らが殺したのかぁぁあ!」
目は赤くなり、影から現れた紫に光る魔方陣が包み込む。
「リュウトっ!」
そこから現れたのは、エスと同じような漆黒の鎧をまとったリュウトだった。
「ご主人! だめ! また暴走しちゃう!」
「その力は使っちゃ駄目って、あの神父にも言われたでしょ!」
「ダまってロ! アイツらは殺す殺すコロス! アオイを、アカネを__」
そこでリュウトは踏み込む。
「……っ!?」
耳をつんざくような雷鳴と間違えるほどの大きな音と共に、
奴隷商人幹部の目の前でエスの剣とリュウトの漆黒のランスがぶつかり、
その衝撃で周囲の空気が爆ぜるように吹き飛ぶ。
「カエセ!!!」
「……その力、どこで手に入れた」
エスはリュウトのランスを上に弾き飛ばし、続けてリュウトの身体を蹴り飛ばす。
「ガァァァァァア!」
空中で回転して受け身をとったリュウトは、獣のように吠えた。
「話にならないな。
俺と同じ『女神』の力を持ちながら、その力に振り回されるとは」
「ダまれ!」
「そうなったお前は魔物と一緒だ。俺に狩られるだけの____」
一瞬、リュウトの視界からエスが消える。
気がついた時には――背後にいた。
「無様な、醜い『化物』だ」
「!?」
エスは、リュウトの心臓に剣を突き刺した。
「…………前のお前の方が強かったぞ」