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週刊誌の見出しは止まらなかった。
「🖤、女優と真剣交際」
「お泊まりか?」
ネットは炎上。
SNSには、
「裏切られた」
「やっぱりそういう人だったんだ」
そんな言葉が並ぶ。
🖤は否定コメントを出した。
《仕事の打ち合わせです。交際の事実はありません》
でも火は簡単には消えない。
問題は――
💚だった。
💚は表ではいつも通り。
でも楽屋では、少しだけ静かだった。
「大丈夫?」
メンバーが心配する。
「大丈夫だよー」
あざとい笑顔。
でも🖤だけは気づいていた。
夜。
💚の家。
二人きり。
「ごめん」
🖤が言う。
💚は首を振る。
「🖤は悪くない」
でも次の言葉が続かない。
沈黙。
テレビではワイドショー。
コメンテーターが勝手な憶測を並べる。
💚がリモコンで消す。
小さく息を吐く。
「俺さ」
「世間の“彼女”にはなれないんだよね」
その言葉は静かで重い。
「女優なら祝福されるのに」
🖤の胸が締めつけられる。
「俺は、隠される側」
💚は笑おうとする。
でも目が赤い。
「誤解でも、俺は表に出られない」
「🖤の隣に立てない」
その現実。
🖤は近づく。
「俺の隣に立ってる」
「今はな」
「今もだ」
💚の肩を掴む。
「世間が何言おうが、俺が選んでるのは💚」
「でも世間は違う」
「だったら、誤解を解く」
強い声。
💚が驚く。
「どうやって」
🖤は迷わない。
「ちゃんと説明する」
「もう一度、本人の口で」
数日後。
グループの公式配信。
メンバー9人が並ぶ。
🖤が口を開く。
「今回の報道について」
静まり返るコメント欄。
「交際の事実はありません」
はっきり、落ち着いた声。
「軽率に見える行動があったなら謝ります」
頭を下げる。
「でも嘘の情報で誰かを傷つけるのはやめてほしい」
その言葉は真っ直ぐだった。
隣で💚が、静かに見守る。
そして最後に、🖤が言う。
「俺は、今もグループが一番大事です」
それは嘘じゃない。
でも💚にはわかる。
その中に、自分も含まれていることを。
数週間後。
女優側の事務所が正式に否定。
追加写真もデマだと判明。
炎上は、少しずつ鎮火した。
世間の誤解は、ゆっくり溶けていく。
夜。
二人の部屋。
💚がぽつりと言う。
「怖かった」
「うん」
「🖤が遠くに行くかと思った」
🖤は首を振る。
「行かない」
「世間がどう思っても?」
「関係ない」
💚が小さく笑う。
「強いね」
「守りたいからな」
「誰を?」
🖤は迷わず答える。
「💚」
💚の目に涙がにじむ。
今度は、不安じゃない涙。
「誤解、解けたね」
「ああ」
「でも俺らのことは解けない」
秘密のまま。
それでも。
🖤は💚の手を握る。
「世間に祝福されなくても」
「俺が祝福する」
💚が笑う。
「それ、プロポーズみたい」
「違うのか」
💚は少しだけ泣きながら笑う。
誤解は溶けた。
でも二人の恋は、まだ秘密。
祝福されない形でも、
ちゃんと本物。
🖤の隣にいるのは、
最初から最後まで、💚だけ。