テラーノベル
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兵たちが前線で戦い、エナが後方から援護射撃をする形で、戦闘が続いている。ルカ兄さんは炎属性の魔術と、長剣を使って戦っていた。俺とカグアは、酒樽の山に隠れて、そこをクラリスが守る形で籠城している。
「やるほど、やっぱりあの魔人、支配の魔力を使うタイプですな」
「支配の魔力? それはどんなものだ?」
魔人特有の魔力なのだろうか。だとしたら、是非とも研究したい⋯⋯!
「対象の血に自身の魔力を入れることで、従順な手下にするんですわ。アイツは封印が解けてから、ずっとハイベアを集めていたみたいっすね」
なるほど、なるほど⋯⋯しかし、そんな面倒なことを長々とするってことは、アイツ自身に大した力はないのだろうか?
「いえ、魔人は魔力の塊みたいなもんです。生半可な攻撃はまず通りませんぜ!」
「ふむ、確かにそうみたいだな。兄さんたちも苦戦している」
ハイベアは自身の魔力を使って、身体強化系の付与ができる。そしてそのバックには、魔力の塊たる魔人。パスを繋げれば、いくらでも供給が可能だろう。
現に、ハイベアたちは、斬られては傷を修復して立ち上がり、まるでアンデッドのようになっていた。
「カグアはアイツのこと、何か知っているのか?」
「いえ、おれは会ったこともありませんぜ。ただ、最初に名乗らなかったあたり、恐らく名無しでしょう」
なるほど、じゃあアイツのことは今から『名無し』って呼ぶことにするか。
「まんまっすね⋯⋯仮にも魔人です。アステル様ならともかく、普通の人間は相手になりやせんよ?」
さて、このまま無限に立ち上がってくるハイベアを相手にしていては、埒が明かない。何か状況を変えるきっかけを作らないとな。
「ルカ兄さん! これを使ってみてください!」
そう言って俺は、持っていたあの魔剣を投げてよこす。兄さんは慌ててそれをキャッチした。
「いいのかい!? アステルの方が、扱いを分かっているんじゃ⋯⋯」
「俺にはクラリスがいるから、大丈夫です!」
よし、これで少なくとも、苦戦することはなくなるはずだ。
「あのえげつない魔剣じゃないっすか。貸してしまって大丈夫なんですかい?」
「あぁ、それに俺が使ったら、ここら一帯を更地にしてしまうかもしれないからな」
まだ使ったことはないが、ルカ兄さんになら、安心して実験を頼めるというものだ。いい結果が出てくれよ⋯⋯!
ルカ兄さんがハイベアに向けて、魔剣を振り下ろす。それだけで実にアッサリと、ハイベアの首が斬り飛ばされてしまった。
「な、なんて切れ味のある⋯⋯」
よし、なかなかに良い付与になっているみたいだ。風属性の術式を刻んで、剣に風刃を纏うようにしたんだよな。まぁ、まだまだ付与している効果はあるんだが⋯⋯。
「いやいやいや、ヤバすぎですってぇ! ルカの兄者が、初めて包丁握った子供みたいになっちまってやすぜ!?」
おっと、心理的には逆効果になってしまったか。まぁ、今のでハイベアたちも兄さんを狙いにくくなったようだし、適当に振り回しておけば、大丈夫だろう。
「ぐぬぬぬぬ⋯⋯」
お、名無しが唸ってるな。でも、もうすぐハイベアも片付きそうだから、それが終わったらアイツも⋯⋯あ、こっち見た。
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花月夜れん
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柴田
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#バイオハザード
そまもんた@ペア画募集
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「クフッ、なんだなんだ? 子供がいるではないか! しかもお付きはメイドだとぉ?」
なるほど、俺を人質にでもするつもりなのか?
「子供の方は隠れてどうした! そうかそうか、この我が怖くてチビッたか! フン、別にハイベア共が死んでも、大したことはない。この我は魔人! 人間なぞに負けるわけがないのだからなぁ!」
ふむ、随分と豪気なことだな。
「貴様らがハイベアを倒し、疲弊したところを、我が直々に殺してやろう! もちろん、そこにいるチビガキもなぁ! まぁ、メイドを我に寄越すというのなら、ガキだけは見逃してやらんでもないが⋯⋯」
む、随分と欲深いヤツだ。
「まったくですぜ! 同じ魔人とは思えねぇ! おれはアステル様に紳士的にお仕えしてるってのに⋯⋯」
いや、初めて会った時のカグアも、あんな感じだった気が⋯⋯?
そんなことをカグアと話していると、クラリスから声をかけられた。
「アステル様」
「お、おう! 何だ?」
「少し席を離れても宜しいでしょうか?」
「好きにしろ」
そう言って許可を出すと、クラリスは大剣を担いで魔人の方へと向かって行く。ありゃ完全に殺る気だな。
「クラリス!? 君はアステルの護衛をして⋯⋯!」
ルカ兄さんが慌てた様子で声を掛けるが、クラリスの耳には届かない。だいぶキレているようだ。
「いいんですかい!? まさか、自分から生贄になろうとしてるんじゃ⋯⋯」
「いや? まぁ、それはないだろうな」
なんせクラリスは⋯⋯。
「そうかそうか。自ら体を捧げるとは、良い判断だと褒めてやろう。クラリスとか言うんだったか? ほれ、もっと近うよれ⋯⋯」
「勘違いなさいませんよう」
クラリスが空を飛ぶ魔人を見上げ、大声を張り上げる。それだけで、大気が震えるような威圧感があった。
「黙って聞いていれば、アステル様に対して、何たる無礼の数々⋯⋯『封者』たるルカ様に封印を頼むつもりでしたが、どうやらその必要はないようですね」
「⋯⋯ほう? まさか、この我とやる気か?」
ドガンと音を立てて、クラリスが大剣を地に突き刺す。その反動で巻かれていた包帯がハラリと落ち、漆黒の剣身があらわになった。
「殺してしまいましょう」
コメント
1件
クラリス、ついに本気出しましたね…!普段あんなに冷静なのに、アステル様を侮辱されたことで怒りが爆発した感じが伝わってきました。「♡♡♡てしまいましょう」の一言がめちゃくちゃカッコよかったです。あの漆黒の大剣の正体も気になりますし、ルカ兄さんが魔剣を手にした時の戸惑いも面白かったです。次が楽しみです!