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4件
残り2話!!?!?! ちょっと驚きすぎて目玉落っこちたんですけど 皆幸せになって…くれ.
もうそろそろ完結しちゃうのかな〜と思いながらコメ欄開いたらカウントダウン始まってて崩れ落ちた 舞い上がる瞬間を最後まで見届けます🫰
散って舞う完結まで残り【2話】 「これって結局何?」などの疑問がありましたら返信にどうぞ! あとがきで答えます。(無い場合は小ネタ?伏線?だけ答えて多分終わります)
ゆっくりと目を開けると
いつも通りに
「またねっ!」
と言うヤエと、どこか悲しそうな顔をして
「おやすみ」
と当時の私が言って寝室へと入って行った。
シダレと同じ様に私の事を見守ってから「ん〜!」と伸びていた。
「今日?」
とどこからか顔を出したソメイにヤエはゆっくりと頷いてソメイにこんな提案をする。
「せっかくだからちょっと歩こっ?」
月明かりだけが照らすアマガイの暗い道を2人は少し歩くと、ソメイが優しい表情で聞く。
「なんかサクラから聞いた?」
「な~んに聞いてない!」
「だよね〜」
「あ!でもストレリチアのドライフラワーならあげたしどうにかなって無いかな!」
「え〜?花言葉知らなかったらどうするの?」
「うっ」
「恋のなんとか〜みたいな方しか知ってなかったら?」
「うぅっ」
と言うソメイの質問に胸に手を当てあからさまにダメージを受けているヤエがなんだか面白くて
先程まで頬をつたっていた涙も忘れてくすくすと笑ってしまう。
「ま、まぁでも!どうにかなる!……多分っ!」
やけに自信満々なヤエにソメイ少し面白そうに
「なんで?」
と聞くと「うぇ!?なんで…?」と言いうーん、うーん、と唸って出た答えは
「な、なんとなく?」
と、どこか頼りなかった。
そんなヤエの答えを聞いたソメイは「あははっ!」と楽しそうに笑って
「そっか〜!なんとなくか〜!」
と言った。ヤエもそんなソメイを見ていたせいか楽しそうに「あははっ!」と笑った。
私もなんだか面白くなって笑ってしまう。
ひとしきり笑うとヤエが笑い疲れたのか「ふぅ~」と息を吐いてから、ソメイを見る。
ソメイは雰囲気で察したのか少し切り替えて、ヤエを見つめ返した。
「それじゃあ、また来年っ!」
「うん!また会おう!」
そう言うとヤエの体が何万、何千の桜の花びらになりぶわっと散って舞う。
私の心はなんだか暖かく、不思議と「幸せ」と言う言葉が合う様な気持ちになっていた。
そしてまた、私は後ろへと引っ張られた。
パチッと目を開けると次は綺麗な藍色の夜空に星々がキラキラと輝く夜のアマガイだった。
人の居る場所へと目線をやると、桜のブランコに座り下を向きながら今までの私の話しをしている、私とただ優しい顔で私の事を見つめているソメイの姿がいた。
これはまだ、新しい昨日の出来事。
そう理解するのには時間はかからなかった。
「だからいや。」
そう私が言っている時にソメイは私の前に立つ。
「なんで、あんな場所に帰らなくちゃ…」
そこまで言うとソメイはただ優しい手つきで、昨日の私の両頬を持ちおでこ同士をコツンとぶつける。
「大丈夫。君はしあわせになれるよ。」
瞬きする間もなく昨日の私から大粒の涙が零れるとソメイはそっとおでこ同士を離して
「また会おう。だから」
「生きて」
そう言うとソメイが何万枚の桜の花びらへと姿を変え、目の前の私に笑みを浮かべていた。
そんな状況を見て私は目を瞑り、ただアマガイでの思い出を巡らせていた。
アマガイに来てからずっと。ずーっと。ソメイ達と居る時が楽しかった。
幸せだった。
この先ずっと一緒に居たいと思えるほど 大切な人だった。
だからこそ、苦しかった。
居なくなってしまうのも、自分の願いと正反対なのも。全部。
そう思い返すと少しづつ、思い出させる様に
行ってくるね。と手を振り返した時の感覚。
一緒に笑いながらご飯を食べた時の感覚。
たわいも無い話しをして笑っている時の声。
どこか苦しそうに、寂しそうに話した声。
優しく頭を撫でられた時の感覚。
はぐれないようにぎゅっと繋いだ手の感覚。
爽やかで甘い花の香り。
私を安心させた桜の香り。
全部、全部。鮮明に私の体に戻って来た。
少し湿ったまつ毛には気づかない振りをして、ゆっくりと目を開け、わんわんと泣き叫ぶ私の事を見つめる。
すると誰かが私の背中を強く押し、昨日の私に吸い込まれる。
そんな状況で私は時に身を委ねる様に、目を瞑った。