テラーノベル
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まさかこんな、漫画みたいな展開マジであるんだ。
一番最初の感想はそれ。
その後すぐに相手がメンバーで後輩で同じ男の蓮って事に血の気が引いたけど。
でもそれ以上に蓮が絶望したような顔をしてたから、気にすんなよって言ってすぐに退散した。
実際、気にせずにいられなかったのは俺の方だと思う。
ふとした拍子に思い出す酔ってた時の記憶が、そりゃもうエロまみれだったからだ。
抱かれたのは俺の方だっていうのは、家に帰って風呂に入った時に気付いてたけど。それ以上に衝撃だったのは、自分がめちゃめちゃ蓮を求めてた事。
記憶の中の俺、蓮に縋り付いて絡み付いて『もっとして』とか『気持ちい』とか『蓮のちょうだい』しか言ってねぇ…。
あとめちゃめちゃ気持ち良かったのと蓮の名前をずっと呼んでた記憶しかない。
そのせいなのか思い出した記憶に嫌悪感はなくて、それだけ乱されたことが恥ずかしくて夜な夜な自宅で悶えてた。それこそリアルに床ローリングだ。
蓮はあんな俺を見てどう思ったんだろう。ていうか、どこまで思い出してるんだろう。
聞いてみたかったけど出来なかったのは、恥ずかしすぎるからだけじゃなく。
蓮があの日以来俺に一切近付いてこようとしないから。
気付いた時にはそうだった。俺が近くに行くと顔が強張る。
あの日の朝も顔を真っ青にしてたからよほどショックだったんだなとは思う。でもさすがにあそこまであからさまな反応をされると俺だって傷付く。
何で? そんなに俺とのこと嫌だった??
記憶の中の蓮は大切そうに俺に触れてくれて、嫌なことなんて一つもなかったのに。『佐久間くん』って何度も呼んで、あんなに優しく抱いてくれたのに。
蓮の気持ちが分かんなくてモヤモヤした。
でもさ、俺、何でこんなに悲しいんだろ。
あれは一夜の過ちで、そのせいで避けるのなんて普通のことだ。お互いにしこたま酔ってたあの状況で起きたことを本気にする方がおかしい。だから、蓮の反応の方が当然なのかもしれない。
分かってる。分かってるのに、それでも思っちゃうんだ。
あんなに大事に愛されて、忘れられるわけないだろって。
蓮にもう一度抱いて欲しい、俺以外あんな風に触れないで欲しいって。そんなことばっかり考えてる。
後悔するくらいなら、あんな風に抱かないで欲しかった。期待なんてさせないでくれれば良かったのに。
勝手だなぁって思うけどさ、そう思うことは止められなかった。
だからあの日、蓮を待ち伏せして思ってることをぶつけることにしたんだ。
自分の気持ちもはっきりしてるわけじゃないけど、それ以上に蓮の気持ちが知りたくて。はっきり『後悔してる。忘れたい』って言われたら諦めもつくかもしれない。
蓮から返ってきたのは、予想外の答えだった。
あの日のことは自分のせいだの一点張りからの一言。
「…俺が佐久間くんのこと好きだからだよっ!!」
告白ってさ、そんな辛そうな顔でするものだったか?
その後もずっと蓮は自分を責め続けて。
「ずっと、ずっと好きだった…だから泥酔して抑えが効かなくなって、俺が佐久間くんを襲ったんだよ。それしか考えらないでしょう」
「だからもう、佐久間くんは俺に構わない方がいいよ…メンバーの振りして自分のことそんな目で見てたなんて、気持ち悪いでしょ」
何でそんな悲しそうなんだよ。何でそんな最初から諦めてるんだよ。
そんな蓮を見てたら、何だか俺まで悲しくなってきた。
それと同時に、自分の心臓がどんどん早くなってく。あの時覚えた感覚が間違いじゃないって分かったから。
俺、すげえ蓮に大事にされてる。それが嬉しい。
蓮の顔に手を添えて、こっちを向かせながら俺の気持ちを話した。
最中のことを思い出したって事。
蓮がずっと優しかったから、もっとして欲しいって思った事。
混乱してぽかんとしてる蓮が可愛くて堪らなくて、思わず頭をわしゃわしゃ撫でた。
パニックになってる蓮に今も俺のことが好きか確認すると、覚悟を決めたような顔で口を開く。
「…好きだよ。今でもまだ、どうしようもないくらい好き。佐久間くん以外を好きになる方法が分かんないんだ。でも側にいたらまた触れたくなっちゃうから…お願いだから距離を取らせてよ…」
そんなこと、させるわけないだろ。
今だってこんなに蓮に触れたいって思ってるんだから。
蓮は俺を大事にし過ぎてずっと我慢してるけど、俺はもう我慢なんて出来ない。
蓮が出来ないなら俺からするから。
顔を両手で固定したまま蓮にキスをすると、びくっと跳ねた身体がそのまま固まった。
抵抗されないのをいいことに、そのまま舌も捩じ込んでみる。
蓮はされるがままで、薄っすら目を開けて見たらびっくりした顔でまだ固まってた。
調子に乗って更に絡めると、少しだけ目がとろんとしてくる。
本当に可愛いな。大好き。
たっぷり堪能してから離れると蓮はやっぱりまだ驚いた顔のままで、思わず吹き出した。
「…何で、キスなんて」
「……あの日のこと、ずっと忘れられなかった。蓮が大切そうに触ってくれた感触がさ、全然消えなくて…もっと蓮に抱かれたいって思っちゃったんだよな…」
「え…」
「でもそんなのさ、ただヤりたいだけみたいじゃん。だから言えなくて、距離置いて…でもさ、お前があんまりにもあからさまに離れるもんだから。嫌でも別のことに気付いちゃったんだよな」
「別のことって、何…」
「蓮と離れたくないって。ずっと俺のこと見てて欲しいし、俺の側にいて欲しい。俺以外、特別な意味で触らないで欲しい。そんなこと思ってるのに気付いちゃった…」
するりと蓮の首に腕を回して至近距離からその目を見つめる。
俺の気持ち全部伝えるから。だから、お願いだから信じてよ。
「お前に抱かれたから、それで気持ちが引っ張られてんのかなとも思ったけど…お前の話聞いて分かった。ねえ、蓮…好き。もう一度、俺のこと抱いて」
「何、言って…それこそ、俺があんな告白したから引っ張られてるだけなんじゃ」
「違う。お前の行動が、全部俺の為だって分かっただけだよ。あんなに大切そうに抱かれて。その後も俺が不快にならないように、迷惑掛けないようにって…お前、俺のことばっかりなんだもん。こんなに蓮に大事にされてるんだって思ったら、嬉しくてドキドキして、堪んなくなった」
そのままぎゅってしがみついてたら、蓮の腕が俺の背中に回って強く強く抱きしめられた。
届いた。ようやく届いた。
嬉しくなって蓮の顔を覗き込んで笑うと、今度は蓮の方からキスをしてくれる。
蓮そのままみたいな、熱くて真っ直ぐでちょっとねちっこい、でも最高に気持ちいいキス。
気持ち的にはいっそこのまま、ここでカーセックスしてもいいくらいだったけど。さすがにそんなわけにはいかないから、蓮の家にお持ち帰りしてもらった。
🖤片想いの場合の、🩷視点書いてみました
もうちょっとだけ続きます
#アンケート
雪だるまひとひと💙
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コメント
1件
読了しました。分岐②、今度は佐久間くん目線ですね!読みながら思わず「そうだったのか…!」と声が出ました。酔った夜の記憶に悶えるシーン、床ローリングはちょっと笑ってしまいましたが(ごめんなさい)、それ以上に「蓮に大事にされてるって気付いた」と素直に伝える展開にじーんと来ました。蓮くんの「気持ち悪いでしょ」に、即「させるわけないだろ」って返す流れ、最高です。お互いに相手を想いすぎて空回りしてた二人の気持ちがようやく届いた瞬間、本当に良かった…!続きも楽しみにしてます!