テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「未亜さん、その種族というのはどんな感じなんですか。聞いていると、何か山奥の里で一族郎党で暮らしている、という雰囲気もします。でも、それ以上の広さを持つ概念のようにも聞こえたりもします。
更に、彩香さんと川俣先輩の事を考えると、違うけれど同じような意味を持つ種族が、他の地域や海外にもいるのでしょう。その種族って、どういう概念なんですか」
未亜さんはにやにやしている。
「それはまだ教えられないのです。早く言い過ぎて失敗はしたくないので。美洋に恨まれたりしたくもないのですよ。でもまあ、そのうちわかるのです」
僕には全くわからない。
白人、黒人等と分けるのは人種。
種族なら本来はその下の区分。
でも、そういう区分で使っている訳でもないような気がするのだ。
「ところで個人的な質問なのですが、悠君と彩香さんとはどういう関係なのですか。もう恋人として一線を越えるかな位の処までいったですか」
おいおいおいおいおい。
滅相も無い。
大体、一線を越えるって何をするんだ。
キスでは済まない気が……。
「そういう間柄じゃないですよ。単に席の周りが内部生ばかりで、他に話す相手がいなかっただけです」
未亜さんは横になったまま、覗き込むような目でこっちを見る。
「本当なのですか。今の返事を聞いて、彩香さんが悲しむような事はないのですか」
「悲しむも何も、実際それだけですよ。他に話する相手がいなくて話すようになって。ついでに課外活動なんかについても相談して、大体探している条件が同じだったから、一緒にここに決めたというだけですから」
実際にそれ以上では無いよな、と思う。
厳密には、彩香さんの機械苦手とかもあるけれど、その程度の些細な事は無視。
苦手な事くらい、誰だってあるだろう。
確かに、彩香さんは可愛いし、Likeの意味で好きだ。
でも、あくまでそれは僕の方の個人的な気持ちだけ。
だからどうだという事は、全く無い筈だ。
「なら、そう信じておきますか。その方が後々楽しめそうなのです」
微妙に不穏な感じの言葉だ。
「どういう意味ですか」
「言った通りの意味なのですよ。という訳で、我々も軽く仮眠しておきましょうか。今日は、きっと夜が長いのですよ」
そう言って、未亜さんは枕を引き寄せて。
問答無用という感じであっさりと、そのまま目を閉じてしまった。
残されたのは、クラスメイト女子2人に挟まれた状態で、話をしたせいで眠気が飛んでしまった、眠れないままの僕だ。
右を見ても左を見ても女の子という状態。
仕方なく、寝袋に潜り込んで、スマホを見ながら時間を潰したのだった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!