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一ヶ月後、紫野の祝言が執り行われた。
夫となる高倉一郎(たかくらいちろう)は、年齢が52歳。紫野より32歳も年上だった。
外見は、髪が薄く、でっぷりと腹の膨らんだ太った男で、どう見ても見栄えが良いとは言えない。
高倉は今回で四度目の結婚であり、これまでの妻とはすべて離縁している。
そして、三人の元妻との間には11人もの子供がいた。
四度目ということもあり、祝言は簡素に済まされた。
高倉家の家業は、表向きは両替商を謳っていたが、実際は高利貸し業で、貸した相手から利息を搾り取ることで財を成したと言われている。
客人たちが帰った後、風呂へ浸かり一息ついた紫野は、覚悟を決めて寝室へと向かった。
障子を開ける直前、一瞬怖気付いてしまい、ため息をついた。
(どんなお方でも、夫には変わりないのよ! 紫野、しっかり尽くしなさい!)
そう自分に言い聞かせ、そろりと障子を開ける。
中には、酒に酔って脂ぎった顔の一郎が、笑顔で椅子に座っていた。
「おお来たか! 風呂は気持ちよかったか?」
「はい、とても……」
「そうかそうか。今日からここがお前の家だ。遠慮などせずに寛ぐといい」
「ありがとうございます」
紫野はそう言いながら、布団のそばに正座した。
すると、一郎が椅子から立ち上がり、紫野の隣にあぐらをかいて座った。
「お前は可愛いいのぅ……肌がみずみずしくてすべすべしておる……」
一郎はそう言いながら、紫野の浴衣の袖を肩まで捲り上げ、むっちりとした手で彼女の腕を撫で回した。
その瞬間、紫野の身体に鳥肌が立つ。
「……っっ」
ぶるっと震えた紫野を見て、高倉はいやらしい笑みを浮かべながら彼女を抱き抱えると、自分の膝の上に乗せた。
「だ、旦那様……」
驚いて振り返った紫野の口を、高倉の分厚い唇が塞ぐ。
「んっっ……」
それは、紫野にとって初めての口づけだった。
酒と煙草の強烈な臭いを嗅ぎながら、思わず紫野の目尻に涙が滲んできた。
(これが男女の口づけ? もっと、尊いものではないの?)
そう思いながら、紫野はつい高倉の身体を押しやる。
それに気付いた高倉は、一瞬「ん?」という顔をしたが、再びニヤッと笑い、紫野の耳元でこう囁いた。
「初めてだから怖いのか? 大丈夫だ、俺が気持ち良くしてやるからな」
高倉はいやらしい笑みを浮かべると、あっという間に紫野を布団の上に押し倒した。
そして、紫野の首筋に舌を這わせる。
(い……いやっ……!)
紫野は無言の声を上げながら、必死に首を振って高倉の唇から逃れようとした。
しかし、高倉の舌は執拗に紫野の肌の上を這い回り、徐々に下へ降りてくる。
紫野は足をバタバタさせなんとか逃げようとしたが、高倉のでっぷりとした身体の重みで逃れられない。
「ははは、そんなに照れるな! じきに良くなる。それにしても、お前は本当に綺麗な肌をしておるなぁ。思わず、全身を舐め回したくなるぞ」
高倉はそう言ってから、一気に紫野の浴衣を引き剝がした。
「あっ……」
紫野が恐怖で怯えている合間に、高倉も素早く浴衣を脱ぎ捨てる。
そして、紫野の白い滑らかな肌の上に身体を重ねてきた。
「うん、お前はいい匂いだ、きっとあそこの匂いもたまらんだろう……」
一郎はそう言った後、紫野の乳房を揉みしだき、乳首を吸い始めた。
「あ……いやっ……」
「いい声だ! もっと喘げ!」
「い、いやっ! やめてくださいっ!」
「はは、胸は嫌か。じゃあ、ここはどうかな?」
一郎は一度身体を起こすと、紫野の両脚を思い切り開いて股に顔を埋めた。
「いやぁーっ! やめてっ!」
「ほう、すでに女の香りが満ちているぞ……お前は素質があるのかもしれないなぁ……」
一郎はピチャピチャと音を立てながら、紫野の花芽を吸う。
(いやっ! 助けて、助けてお父さん! お母さん!)
身動きが取れずに絶望感に苛まれた紫野の瞳には、涙があふれてきた。
今までは、書物の中でしか読んだことのない男女の営みが、こんなに恐ろしいものだとは思いもしなかった。
紫野は恐怖に包まれたまま、歯を食いしばって耐えるしかなかった。
しかし、それもほんの束の間だった。
次の瞬間、紫野は恐ろしいものを目にする。
高倉が股に着けていた晒を外し、赤黒くいきり立った何かを手にしている。
それを見た瞬間、さらなる恐怖が紫野を襲った。
「いやっ! 誰か助けてっ!」
紫野が全力で逃げようとすると、いきなり高倉の平手打ちが飛んできた。
ピシッ!
「っっ……」
「俺に逆らう気か? お前は金と引き換えに売られたんだぞ! だから、俺に逆らうことなど許さない!」
高倉はそう声を荒げると、いきり立った一物を紫野の股間に擦り付けてくる。
頬を赤く腫らした紫野が、それでも必死に抵抗し続けていると、突然、高倉が身体の動きを止めて呻き始めた。
「うぅっ……うぅーっっ」
一瞬、紫野は何が起きたのかわからなかった。
しかし、次の瞬間、高倉が崩れ落ちるように紫野の隣にゴロンと横たわる。そして、胸を抑えながら呻き始めた。
「だっ、旦那様っ! いかがいたしましたか? 旦那様っ!」
紫野は慌てて浴衣を着込むと、障子を開け大声で叫んだ。
「誰か! 誰かーっ! 旦那様が……」
すると、屋敷の奥から手伝いの者が走ってきた。
「どうなされましたか?」
「旦那様が突然倒れて……」
紫野の声を聞きつけて、さらに手伝いの女性が走ってきた。
「まぁっ! 旦那様っ! 誰か、誰か医者をっ!」
夜ふけにも関わらず、屋敷内は騒がしくなった。
紫野は、裸のまま仰向けに倒れている夫を見つめながら、ただ茫然とその場に立ち尽くしていた。
コメント
85件
あ~気持ち悪っ…😱😱😱 とりあえず貞操は守られたけれど🤔 年老いた夫は倒れ、これから紫野ちゃんはどうなる…⁉️
もう読みながらどこまでいくのか心配になってしまいましたよ、マリコ先生!よかった!
ぎょえ!狸腹のエロガエルあの世に行かれたのかしら?天国のご両親が護ってくれたのよ!