TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

はごろもまごころ

一覧ページ

「はごろもまごころ」のメインビジュアル

はごろもまごころ

105 - 第57話:未来音楽祭

♥

48

2025年11月24日

シェアするシェアする
報告する

第57話:未来音楽祭

夜の「未来特区」中央広場。光のステージが設置され、巨大スクリーンには「協賛未来音楽祭」の文字が映し出されていた。観客席はすでに満員。市民たちは皆、ヤマトフォーン(ヤマホ)を片手に入場ゲートを通過していく。


水色のシャツに短パン姿のまひろは、肩から小さなバッグを提げ、目を輝かせていた。隣にはラベンダー色のブラウスにベージュのスカートを着たミウ。イヤリングを揺らし、ふんわり微笑みながら人混みを歩いている。


入場ゲートでは、大型端末に向かってカナルーン入力を行う。


「コンサート → ミライオンガクサイ ニマイ → カイケイ → ケッサイ → オワリ(アンズイ)」


ピッと音が鳴り、緑色の光が流れてゲートが開く。市民は一人ひとり入力を済ませてから会場へ入るのが義務だった。





ステージに現れたのは、協賛アーティストと呼ばれる若者たち。全員が未来風の衣装を纏っていた。濃い緑のジャケットに緑のアクセサリーをつけた男性ボーカル、そして水色のドレスを纏った女性シンガー。観客がヤマホをかざすと、スクリーンに「安心協賛ソング」と表示され、歌詞がカナルーンで流れる。


「ハジメル → オンガク → オワリ(アンズイ)」


ステージ前の観客たちは、音楽が終わるたびにアンズイを声に出して唱和した。





まひろは目を輝かせながら言った。

「ぼく、こんなに大勢で同じことばを言うのって初めてだよ。なんだか安心するなぁ」


ミウは微笑みながら頷いた。

「え〜♡ これが“未来音楽祭”なんだよ。カナルーンで始めて、アンズイで終わる。安心って、音楽みたいにみんなで共有できるんだよねぇ」





だが広場の天井には、協賛の名の下に設置された無数の監視カメラが光っていた。観客の顔、入力ログ、声に出したアンズイのタイミングまで、すべてがリアルタイムでネット軍に送られていた。





暗い部屋で、緑のフーディを羽織ったゼイドが映像を見つめる。

「音楽でさえ、入口は呼び出しカナルーン、終わりはアンズイ。

“安心の歌”を合唱させれば、疑う余地すらなくなる……」


モニターには、笑顔でアンズイを唱える数万人の観客が映っていた。

はごろもまごころ

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

48

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚