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#エッチなの書けないから
m k .(nrkr
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瑠璃マリコ
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「…………」 まさか見えているのか?と疑問に思いながら、慌てて我が身を確認したが、季節に反して真冬向け並みの脂肪蓄えムッチリボディであるという問題点がある以外は至ってちゃんと姿を消せている。叶糸レベルが相手では通じないままだが、保有魔力が高めであろうが看破出来ないくらいにはしっかりと隠しているのにと不思議でならない。
きっちりと跪礼されたままで、依然として御一行は頭を上げず、最前の中央に位置している一人以外は微動だにしていない。これでは埒が明かないなと考えはしたが、私はこのまま「……もしかして、私の姿が見えているのか?」と素直な疑問を口にした。
即座に「——あ、楽にしてから答えて欲しい、ぞよ」とも付け加える。また変な見栄を張ってしまって恥ずかしくなったが、もう遅い。
叶糸同様、彼らも私の変な言葉遣いを華麗にスルーしてくれ、まるで事前に訓練でもしたのか?と思うくらい綺麗に皆が一斉に顔を上げた。一番手前の中央で、一人だけずっと肩を震わせていた者が現在の当主である南風アルサだった。黒に近い茶色い髪色、同系色の瞳と褐色肌が特徴的な青年である。若いながらに一国の『宰相』という職に就いているにしては随分と優しげな雰囲気があり、眼鏡で知的さをプラスでもしていなければ、『職業は保育士です』と言われた方が納得出来る風貌の御仁だ。
「いいえ。私如きの瞳では看破出来ぬ完璧な隠滅状態ですよ。ですが我々は、長年訓練を積み、『種族特性』を最大限にまで引き上げているので、こちらの女性は愛らしき足音や羽ばたきで、そこの男性は木蓮のようなその匂いで貴女様の位置を把握しており、私めは超音波の代わりに魔力を用いて『反響定位』いわゆる『エコーロケーション』の様なもので周囲の状況を感知しています」と教えてくれた。
「……すごい、ね」
(『種族特性』か。叶糸の場合は、あの脚の速さだろうか)
「ありがとうございます」と微笑みながらアルサが頭を下げる。姿さえ隠せばどうとでもなると思っていた自分の甘さを忘れてしまう優しい笑顔だ。だけど私は『今度は獣人の種族特性をも意識して行動せねばな』と反省した。
「ここではなんですから、場所を変えませんか?」
そう提案され、「あぁ、そうじゃな」と答えながら姿を現す。するとアルサが急に崩れ落ちる様にその場で伏せ、慌てて顔面を手で覆ったかと思うと、今度はボタボタと手の隙間から血を流し始めた。
「だ、大丈夫か⁉︎君は体が弱いのか?」
驚きに翼を広げ、少し大きめの声が出てしまった。南風家の当主が病弱であるという報告は受けていないのだが、急にどうしたというのだ。
「す、すみません……。小さき者である事までは理解していましたが、まさかその様な愛らしきお姿とは思いもせず、感極まってしまいまして」
「……そ、そうか」と返しはしたが、突然の出血騒動に驚き過ぎたせいか彼の言葉を深くは理解してやれなかった。
隣の女性からハンカチを受け取り、それを鼻に当てる。アルサはどうも鼻粘膜の弱い男性の様だ。
「そのお姿では移動が大変でしょう。どうぞ私の手に」とアルサが言い、空いている方の手をこちらに差し出してきた。
「そうだな、借りるとしようか、のう」
素直に返して彼の差し出した指先にちょこんと乗る。その瞬間、刺さるような視線を一瞬感じた。『殺気』にも近い程の視線に驚き、即座に振り返ったが、古風なデザインの玄関ドアしかない。……気配も消えているし、気のせいかと思う事にする。
「どうかしましたか?」
軽く小首を傾げているアルサは先程の視線には気が付いていない様だ。他の者も同様である。ただ単に、気付きながらも受け流しているだけという可能性もあるが。
「……いや、何でもない。行こうか、のう」
そう伝えると、アルサを筆頭としてゾロゾロと玄関に集まっていた御一行が一斉に移動を始めた。向かう先は多分客間だろう。
「時間もないので、歩きながらでいいから答えて欲しい。——お主らの第一声は『待っていた』だったが、まさか君達は、『私』を知っているのか?」
キリッとした声と顔で告げたのだが、アルサは口元と肩を震わせ、また鼻血を出しでもしたのかハンカチに染み込む赤い範囲が広がっていっている。そのうち出血死するんじゃ?と段々心配になってきた。
「正確には『知っている』とは言えません。ただ、『存在自体は把握してはいた』といった所でしょうか」
「……把握していた、じゃと?」
驚きが隠せず、無駄にはくはくと空気を噛んだ。
「はい。貴女様が直々にこの家に訪れたという事は、もう既にご存知かもしれませんが、我が南風家は初代の頃より『情報』の収集に特化した家でございます。『情報』は力そのもの。場合によっては武力以上の破壊力を発揮します。まぁ、たかだか二千年分程度のものではありますが、ありとあらゆるデータの収集を古今東西行い続けて参りました。民衆や貴族達といった人心に関するものだけではなく、自然に関するデータも分析していくうちに、『神』にも等しい者の存在に気が付いたのです。そうですね……現代でいう所のシミュレーションゲームの『プレイヤー』に例えるとわかりやすいでしょうか」
彼の言葉を聞き、今度は目を見張った。そこで『神』に帰着するのならまだしも、まさか『管理者』の存在に行き着くだなんて、どんな分析能力をお持ちなんだ、コイツらは。
「把握している限り、ここ二千年の間だけでも二度は『プレイヤー』の交代があったとみています。世代交代がある。ならばその者達は『神』や『仏』ではなく、保守管理や運営を行う様な存在ではないかという考えに行き着きました」
「な、何故そこまで把握を?我らの中で、こうして姿を実際に現したのは私だけのはず、じゃが」
存在自体を隠せと『ノア』から指示されてはいないが、過去に一人も地上への降臨はしていないので驚きを隠せなかった。
「干渉が及ぶ傾向性、でしょうか。二代前は人間そのものに、先代は海洋資源や農作物の出来などを、貴女様に引き継がれてからは震災の予防や天候管理に注力なさっていますよね?おかげで大きな災害に見舞われる事が激減し、余剰予算で国力を上げる余裕が出来て嬉しく思っております。ちなみに貴女様が『プレイヤー』であると我らが確信しているのは、『魔力の質』でですね。ヒトとは違い、大地や自然と一体化している雰囲気がありましたもので」
(——何コイツ、怖い!)
アルサはニコニコと人畜無害な笑みを浮かべているが、鼻血のせいで血生臭い匂いを漂わせているからか、怖さに拍車が掛かる。惑星の住人達に『管理者達』の存在を知られる心配なんか微塵もせずに『ハコブネ』を管理してきた事を今更ながら激しく後悔した。
コメント
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アルサが主人公の可愛い姿に鼻血出すギャップ、めっちゃツボったw 種族特性で位置バレするのもちゃんと世界観に落とし込んでて好きだわ。情報収集で管理者の存在に気づいてる設定がもう……この家やべえ(褒めてる)。次回も楽しみにしてる!