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#エッチなの書けないから
m k .(nrkr
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瑠璃マリコ
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「はい。私も、こちらに居る妻のサリアと共にあの夜会に参加していたのです。長年行動を観察していた剣叶糸殿とダンスを踊っている姿を拝見し、我らはすぐにアルカナ様が管理者である事を察知致しました」
「叶糸を、“観察”?それは何故?じゃ」
「有能な“人材”はまさに宝ですから、優秀な彼は幼少期の頃から既に南風家の観察対象でした。就職活動期に入る頃にはこちらからスカウトしようと考えてもいたのです」
それならあの家から保護しても欲しかったなぁと正直思った。児童虐待をしていたのだ、保護する理由なんかいくらでもあっただろうに。だけど、貴族間での干渉過多は今の時代であってもやはり難しいのだろうか。公爵家の存在の様に、パワーバランスへの影響とかもあるのかもしれないな。
(……いや、違うか。“観察”しているという事実を知られる訳にはいかなかったんだな、きっと)
「成る程な。まぁ、君もあの場に居たのなら話は早い。頼みと言うのは、“龍”の“獣人”である時の“私”を南風家の一員という事にして欲しいの、じゃ。立場の用意も自分でやれなくもないが、そういった行為は元来得意じゃない。管理が杜撰だった時代ならいざ知らず、自分でやると中途半端な“設定”のせいで矛盾が生じてしまう可能性が高いから、情報関連に強い南風家を頼るのが一番だと思ったの、じゃよ」
「お任せ下さい!」
アルサから元気な返事が速攻で返ってきた。考える時間なんて、私が話していた間くらいしか無かっただろうに本当に良いのだろうか。
隣に居る“猫”の“獣人”でもある妻のサリアも嬉しそうに何度も頷いている。匂いに敏感らしい執事風の獣人男性や、他の者達も輝く笑顔を浮かべているから、どうやら誰一人として不満はなさそうだ。
「南風家の遠縁の者でも良いのじゃ。矛盾のない“設定”と共に戸籍なども用意して欲しいのだけど、情報化された今の時代でもそれは可能か?」
「我々は『皇』の家と懇意にしていますので十分可能です。皇家としても、『吉兆』とされている“龍”の“獣人”の頼みとあれば喜んで偽造するでしょう」
「助かる」
「ただ、戸籍に関しては少々お時間を頂けますか?」
「わかった」
と頷くと、またアルサが鼻血を垂らし始め、サリアから新しいハンカチを受け取った。叶糸といいアルサといい、ヒトとは動物に弱いモノなのだろうか。
「『遠縁の者でも』とのお話でしたが、アルカナ様には私の“妹”という“設定”は如何でしょうか。お立場的に地上では未婚でしょうし、あのお姿ですと十八歳辺りの年齢が自然ですね。私は既婚者で現在二十七歳なので、“妹”というのが一番しっくりくるかと思います」
「何処に居ようが私が未婚なのは間違いないが、“妹”とな?妻のサリア的には良いのか?急に“義妹”なんぞが降って湧いても」
「もちろんでございます!一片たりとも不満なんぞございませんっ!」
瞳を輝かせ、祈る様に手を組んでいる。一族一同が管理者を崇拝しているという言葉に嘘はない様だ。
「生まれつき体が弱く、だが注目を浴びやすい“龍”の“獣人”であった事でずっと領地の屋敷で静養していたという体でいきましょう。成長と共に健康体となり、二年後のデビュタントの為に都内のタウンハウスにやって来たという事にすれば不審に思う者もいないかと。私達に“妹”が居るという情報が長年隠匿されてきた理由も、『吉兆』であり『希少種』である“龍”であったが故とすれば疑う者はおりませんし、南風家の者であれば、事前に情報が漏れ出なかった事を不審に思う者も絶対にいませんよ」
「うむ。では、それでいこうか。——して、見返りには何を望む?豊富な財産も、地位も名誉も既に持っている南風家の当主には難しい質問かもしれんが、出来る限りは叶えようと思うんじゃが……」
「では一つ」
「なんじゃ?」
「私の事を是非とも『お兄ちゃん』とお呼び下さい!」
「私の事は是非とも『お姉ちゃん』と!」
「……は?」
興奮気味に二人から続け様に頼まれ、「……そ、それで良いのか?他にももっと違う願いも叶えられるぞ?『子孫繁栄』やら『健康』だけじゃない、不死は無理でも寿命が許す範囲までの『不老』くらいまでなら聞いてやれるのだが……」と、引き気味にこちらから提案したが、「「——いいえ!」」と綺麗に夫婦揃って返してきた。
「“管理者”であられるアルカナ様の尊い御口から『お姉ちゃん』と言われる以上の御褒美はございませんっ」とサリアが熱弁すると、彼女の背後に控えている者達も何度も頷いた。
「その通りです!アルカナ様に『お兄ちゃん』と甘えて頂けるだけでもう、私には至福の一瞬です!」
「あー……わかった。じゃが、“妹”になるのなら、今後は呼び捨てじゃないと変じゃないか?『お兄ちゃん』『お姉ちゃん』」
クリティカルヒットでも喰らったみたいに大量の鼻血を吹き出して、アルサがとうとう畳の上に倒れてしまった。サリアまで夫の膝に重なる様に崩れ落ち、突っ伏してしまっている。もう何処ぞの覇王みたいに『一片の悔い無し!』とでも思っていそうだ。
「アルサ様!」と執事風の若い獣人男性が当主に近寄り体を抱き起こす。これといって私は何かをした訳じゃないが、当主の一大事だ。『怒られるか?』と一瞬身構えたが、「『お兄ちゃん』呼びをして頂けて良かったですね、アルサ様っ!」と涙を流しているとか、コイツも相当な『狂信者』の様だ。南風家の面々は優秀揃いのはず……なのだが。認識を改めた方がいいのか?と、ちょっと不安になってきた。
コメント
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いやー、アルサとサリア、兄妹呼びで鼻血ドバドバは笑ったわ(笑)。「一片の悔い無し!」ってサムズアップしそうな感じ、完全に狂信者だけど悪意がなくてむしろ可愛い。で、アルカナ様も「わかった」って受け入れるの優しいよな。「妹」設定で表向きは収める感じ、物語の広がり方もいい塩梅だと思う。続き楽しみにしてる🔥