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肉槍を抜き、奏を仰向けにさせると、大きな黒い瞳は濡れ、細い腕が彼の引き締まった頬へ辿々しく伸びていき、指先が触れる。
惚けた面差しで怜を見上げている彼女の脚を開いていくと、休む間もなく剛直を咥えていたせいか、膣口が微かに開いている。
滑らかな身体を強く抱きしめ、乳房と胸元を強く吸い上げて証の華を植え付けた後、ゆっくりと陰茎を挿入させていった。
「奏……」
思いの外、奏を激しく抱いたせいか、律動させずに彼女をただ抱きしめ続けるだけでも、怜の心と身体が癒されていくような気がした。
狂おしいほどに愛しい女の瞳を射抜き、真剣な面差しを向ける。
「——愛してる」
情事の最中に愛の言葉を恋人に囁くのは、怜にとって初めての事だった。
言葉を砕けさせて奏を抱いていた怜が、男特有の艶を放ち、甘美で蕩けそうな声音で紡がれた言葉に、奏の瞳から熱くなった雫が頬を伝い、胸の奥をキュッと締め付ける。
「私も…………愛してます……」
奏も消え入りそうな声で答えると、膣内に埋め込まれた肉杭が硬度を増し、怜はそのまま彼女を抱き起こした。
互いに見つめ合い抱き合いながら交わっている、二つの肉体。
繋がった部分は白く泡立ち、グチュグチュと粘り気のある音を立てながら溶けそうになっている。
怜に突き上げられ、色白の肢体を揺さぶられながらも、奏の小さな手は、ぎこちない仕草で彼の頬を包み込む。
愛する男と一つになり、堪らず涼しげな奥二重の瞳に恍惚とした眼差しを送った。
「っ…………怜さ……ん…………んんっ……はぁっ……」
「奏……」
ドロドロに溺れながらも奏が微笑むと、吐息混じりで怜に愛を伝える。
「あなた……に…………はあぁっ…………っ……出会え……て…………本当……に…………ううぅっ…………良かっ……た……」
彼女に眼差しを絡ませたまま、白皙の身体を抱きしめる腕に力が更に込められていく。
「れい……さ……ん…………誰より……も…………っ……あ……愛し……て…………るぅっ……」
奏の中で激しく律動している剛直が熱を纏い、膣内を埋め尽くすほどに肥大した。
「っ……奏っ……!」
互いに唇を貪り、強く抱きしめ合いながら怜は腰を狂気的に律動させると、広い背中に淫猥なうねりが迸り、子宮の疼きは今にも弾けそうになっていた。
「ううっ……んんんっ——」
「っ……うぐっ——」
二人は全てが繋がったまま達した後、そのままシーツの海に沈み込んでいく。
身体を離すのを惜しむかのように唇を奪い合い、被膜越しに奏の中へ夥しい量の白濁を注ぎ込む。
ドロっとした熱を全て吐き出し、二人はようやく身体を離して、怜はコンドームの処理を済ませた。
「奏……」
彼女の隣に横になりながら抱きしめ、触れるだけのキスを交わすと、長い黒髪を滑らせるように撫でた。
「互いに苦しくて辛い思いをした分……これから先は…………二人で一緒に幸せになろうな?」
穏やかな眼差しで奏を包み込む怜の言葉に、奏も柔和な微笑みでコクリと頷く。
「怜さん……よろしくお願い……しま……す……」
奏の視界が潤み、歪んでいくと、『奏は泣き虫だな』と目を細める怜。
出会ってから、何度彼の前で泣いただろう。
雫を黒い瞳から零す度に、彼女の中にあった不安や心配事が洗われていき、涙が枯れ尽くした、と言っても過言ではないかもしれない。
聖なる夜、怜に抱かれた奏は、純粋に好きな男に抱かれて嬉しい、幸せだという気持ちで満ちている。
「奏は…………俺だけの愛しい女……」
怜が呟くと、二人は肌を露わにしたまま、時間を忘れてキスを交わし続けた。