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#普通
野々さくら
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ありあ
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小諸邸のロビーへ足を踏み入れた途端、信愛はまるで時計と睨めっこでもしていたかのように、慌ただしく動き始めた。
「さぁ、お父さんはこっちの部屋で」
有無を言わせぬ勢いで多摩雄の背中を押す。
「ちょ、おい」
続けて銚子の手を取り、反対側の廊下へ向き直った。
「お母さんはこっちの部屋ね」
銚子は戸惑いながら立ち止まる。
「な、なによ急に」
その時、柔らかな笑顔を浮かべた絹が近付いてきた。
「さぁ、お荷物お預かりしますね♬」
銚子は目を丸くする。
「う、浦添さん?」
一方、多摩雄の前には小夜と鳴子が現れた。
「はいは〜い♬旦那さんはこっちですよ〜♬」
「お荷物はこちらに」
次々と現れる見知った顔に、多摩雄は思わず苦笑する。
「菅生さんに八乙女さんまで
こりゃ・・一体」
すると信愛がパンと手を叩いた。
「いいから! いいから!早く
着替えて来て!もう準備出来てるから」
銚子は、ますます混乱する。
「着替えるって言ったって
何に着替えるのよ
それに準備って一体何の──」
最後まで言い切る前に、今度は秋穂が軽やかに現れた。
「さぁ♬さぁ♬行きましょ♬」
銚子は驚きのあまり声を上げる。
「花牟礼さんまで!?」
事情を説明されることもないまま、銚子と多摩雄はそれぞれ別々の部屋へ案内されていった。
◇ ◇ ◇
少し離れた場所では、その様子を見ていた部員たちが苦笑していた。
焔垂は肩をすくめる。
「何が何だか分からないって感じだったな」
茜も笑いながら頷く。
「まぁ、急にこんな豪邸に連れてこられて
いきなり着替えろ!なんて言われたらね」
さくらは吹き出す。
「きゃはは、確かに」
信愛は廊下の奥を見つめ、小さく微笑んだ。
「もうすぐだね」
朝陽も期待を隠せない様子で拳を握る。
「はい!待ちに待った瞬間ですね!」
皆が期待に胸を膨らませながら談笑していると、玄関のドアが勢いよく開く。
「悪い!遅れた!」
開かれたドアからは、龍河が息を切らしながら飛び込んできた。
その後ろから忍も慌てて続く。
「すまんな!」
二人は小走りで駆け寄る。
茜が笑顔で手を振った。
「あー!馬場さん!江波山さん!遅刻〜!」
すると哲哉まで悪ノリする。
「そうだ!そうだ!遅刻遅刻〜!」
龍河は苦笑しながら肩を落とした。
「哲哉さんまで一緒になって何言ってんスか」
忍も頭を掻きながら笑う。
「いやぁ、すまんすまん。なんとか
仕事終わらせてマッハで来たんだけどな」
龍河は辺りを見回した。
「つーか両親は?もう来てるのか?」
信愛は嬉しそうに頷く。
「はい、今それぞれ着替えてる最中です」
哲哉は庭の方へ視線を向ける。
「なら僕らは中庭に行っておこうか?」
「はい!」
茜は思わず胸に手を当てた。
「ついに感動の瞬間が〜♬」
一同は自然と笑みを浮かべながら、中庭へ向かった。
◇ ◇ ◇
そこには、仮設とは思えないほど本格的な式場が完成していた。
白い花々で彩られたバージンロード。
木々に囲まれたガーデン。
アーチの向こうには噴水が静かに水音を響かせ、用意された椅子が整然と並んでいる。
茜は目を輝かせた。
「うわぁ〜♬綺麗♬THE式場って感じ〜♬」
焔垂も感心したように辺りを見渡す。
「いい雰囲気だな」
哲哉は満足そうに微笑む。
「美沙ちゃんがやってくれたんだよ
いやぁ〜良い仕事するよホント♬」
信愛も何度も頷く。
「すっごく雰囲気いいですよ♬」
その言葉に、美沙は照れくさそうに笑った。
「ふふふ、ありがと♬」
美月も優しく微笑む。
「そう言えば昔からセンスあったもんね、美沙」
「ありがとうございます」
美沙は少し照れながら頭を下げる。
ひよりが椅子を見渡した。
「ならそろそろ座りましょうか♬」
宗太郎も腕時計を確認しながら頷く。
「だな。もうそろそろ
着替えも終わる頃だろうしな」
信愛は胸の前で手を組み、小さく呟く。
「ついに♬」
全員が静かに席へ腰を下ろした。
期待と緊張が入り混じる空気の中、誰もが中庭の入口へ視線を向ける。
銚子と多摩雄が姿を現す、その瞬間を今か今かと待ちわびていた。
コメント
1件
花牟礼さんまで登場して、みんなで両親を“拉致”して着替えさせる流れ、めっちゃテンポ良くて笑っちゃった😂✨ そして中庭の式場…!! バージンロードに白い花、噴水の音まで聞こえてきそうで、めっちゃロマンチックすぎてやばい😭💕 「ついに♬」って信愛ちゃんのつぶやきでこっちまでドキドキしたよ…! お二人の登場シーン、次の話で絶対見たい!!