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5 - 4話 今月の紙芝居ニュース

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8

2026年01月15日

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4話 今月の紙芝居ニュース




夕方  

ふっくらは丸い体を地面に沈めて座っていた




短い脚を折り  

腹はふよっと前に出て  

もはや座っているのか転がっているのか曖昧




隣には琶がいる




大きな体  

長い首  

重なった鱗




畳まれた翼が影を作り  

その爪が紙芝居の枠を軽く押さえている








琶が  

一枚目をめくる




絵には勇者が描かれていた




整った顔  

似たような背丈  

同じ形の剣








ふっくら  

「……あれ?  

この人……なんか、いっぱい見た気が……」








琶  

「見たのではなく、増えている」








ふっくら  

「増えてるの!?  

え、勇者って繁殖するの!?  

わたしの知らない生態なの!?!?」








琶  

「……騒ぐな」








ふっくらが慌てて静かになると  

琶は次の紙をめくる








二枚目




今度はもっと多い  

勇者の群れだ




顔  

剣  

表情  

全部ほぼ同じ








ふっくらは丸い体を揺らして  

ひそひそ声で数え始める




「いち……に……さん……えっこれ……  

どこまでが“別の人”……?」








琶が軽く咳払いする




「無駄だ」








ふっくら  

「えっ?」




琶  

「途中で数える気力が失われる。  

おまえにそんな根性はない」




ふっくら  

「ひどくない!?」








琶は淡々と次をめくる








三枚目




また勇者  

しかも  

一枚目のと並べても  

違いがほぼない








ふっくら  

「ねぇ琶……  

これ、絵師さんが手抜きした?」








琶  

「……むしろがんばって描いている」




ふっくら  

「がんばってこれ!?!?  

じゃあ本物がこんな感じ!?  

みんなこんな顔なの!?  

剣までおそろいなの!?!?」








琶はふっくらの丸い体を  

つん、と軽く触る




「落ち着け。  

おまえには関係ない」








ふっくら  

「関係ないけど気になるよ!!  

えー……世界どうなってるの……?」








琶は最後の紙をめくる








四枚目




そこには  

勇者の群れがこちらを向いて立っている




全員同じ角度  

同じ目線  

同じ表情




絵なのに  

なぜか“見られている”気配が強い








ふっくらの声が小さくなる




「え……  

なんか……こっち見てない……?」








琶  

「見ている」




ふっくら  

「さらっと言わないで!?!?」








紙芝居は静かに閉じられた




琶は紙を片付けながら  

ぽつりと言う




「……数はまた増えたな」








ふっくら  

「えっ減らすとかできない?」




琶  

「知らないほうがいい」








ふっくらは丸い体を小さく丸めた




紙芝居ニュースは  

今日もゆるく  

そしてすこしだけ  

不穏だった

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