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里見弴×有島武郎(とんたけ)でオメガバです
地雷の人はお帰りください
帝國図書館の片隅
窓から差し込む午後の光が埃を白く輝かせている
「武郎兄、またそんなに根を詰めて…顔色が悪いよ」
里見弴は机に突っ伏しそうになっていた兄・有島武郎の肩に手を置いた
その瞬間弴の指先を電流のような痺れが走る
有島は震える肩を強ばらせ浅い呼吸を繰り返していた
部屋に充満し始めたのはどこか冷たい雨の日の土のような…ひどく甘い有島固有のオメガのフェロモンだ
「…弴か…すまない、少し…抑制剤が切れたようだ…」
有島は潤んだ瞳で弟を見上げた
その瞳には血の繋がった弟への情愛とそれ以上に抗いがたいアルファへの渇望が混ざり合っている
この世界に転生してから彼らの関係はより残酷でより強固なものへと変質していた
兄である有島が「運命に翻弄されるオメガ」であり弟の弴が「彼を唯一救い縛り付けるアルファ」であるという皮肉
「いいよ、僕が来たからにはもう大丈夫」
弴は兄の背中に腕を回し、その耳元で低く囁いた
弴から放たれる若草のような瑞々しくも圧倒的なアルファの香りが有島の理性を容赦なく剥ぎ取っていく
「弴…だめだ、僕達は兄弟…」
「武郎兄、ここでは血の繋がりなんて魂の輝きに比べれば些細なことだよ」
「………ねぇ、僕に預けて」
有島は力なく首を振ったがその指先は助けを求めるように弴の服を固く握りしめていた
弴は優しく、だが拒絶を許さない力強さで兄のうなじへと顔を近づける
「愛してるよ武郎兄。誰よりも、作品よりも」
静まり返った図書館に服が擦れる音と重なった熱い吐息だけが溶けていった
続きます
コメント
3件
ごちそうさまでした!!!