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「おっ、クスリが効いてきたみたいじゃん」
男が目隠しを外し、部屋の明かりに瑠衣は顔を顰めながら手を翳した。
刹那、瑠衣の視界がホワイトアウトするが、少しずつ目が慣れてくると、そこにいたのは東新宿で瑠衣を拉致した男たちと思われた。
顔バレを防ぐためなのか、部屋の中でもサングラスを掛けたままだ。
「く……クスリって……?」
「決まってんだろ。お前の身体がうんと気持ち良くなる媚薬を仕込んだんだよ」
「ひゃぁぁっ……んふっ……はぁっ」
言いながら男が舐めるように瑠衣の首筋を指先でなぞると、彼女の身体が泡立ちながらビクビクと震え、色めく声が漏れてしまう。
瑠衣の身体に触れた男が徐にスマホを取り出して操作すると、画面を彼女の前に突き出した。
「これに写ってる画像、お前だよなぁ?」
「……!!」
突き付けられたスマホを見て、瑠衣は言葉を失い愕然とした。
『☆全てを満たされたい男性、大募集☆』
そんな見出しが瑠衣の視界に飛び込む。
それは闇バイトの募集だった。
瑠衣の相手をする男性の募集。一日七名限定の応募は一人につき一回限り。期間は四月二十九日から五月一日の三日間。彼女の相手をするだけで十万円支払われるというもの。
瑠衣の送迎と、彼女の相手をする『お客様』の送迎をする人員を五名募集。
瑠衣の見張り役と付き添い兼世話役は一名の募集。
送迎役と見張り役は四月二十八日から五月五日までの期間。
募集要項の下には、『詳しい仕事内容は下記のサイトにアクセスしてね☆』とURLが記されており、いつどこで撮られたのか不明な瑠衣の画像が十枚ほど掲載されていた。
しかし画像の中に、撮られた覚えのある画像が一枚だけあるのに気付いた彼女。
(この写真って…………まさか……)
身の毛もよだつほどの恐ろしさに、瑠衣の表情が徐々に強張る。顔が怯えていても身体の芯は熱を持ち、疼きが止まらない。
それに、『送迎』なんて体裁のいい言葉で記されているが、実際は連れ去りだ。
「な……っ……何で…………どっ……どうして……!」
「俺らは、『ご主人様』の命令に忠実に動いているだけだから、わかんねぇなぁ」
正常な思考を失いつつある瑠衣がぼんやり考えていると、拉致したリーダー格の男が、ニヤリと笑いながら彼女に近付いた。