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###中学生の2人
中学生になったひよりとひなたは同じクラスに進級した。ひよりはひなたの支えで過去のいじめを少しずつ克服していた。毎日のように二人は一緒に学校に通い、一緒に帰る。その時間がひよりにとって最も心安らぐ時間だった。しかし、過去のトラウマが完全に消えたわけではない。新しい環境で再びいじめられるのではないかという恐怖が彼女を襲った。
そんな中、学校の文化祭で合唱コンクールが開催されることになった。クラスごとに参加し、各クラスから一人ずつソロパートの担当が選ばれることになった。ひなたはクラスメイトたちに「ひよりの歌声は本当に素晴らしいから、彼女がソロをやるべきだよ!」と力強く提案した。
最初は不安だったひよりも、ひなたの自信に満ちた言葉に背中を押され、「自分にもできるかもしれない」と思うようになった。数日後、ついにひよりがソロの担当に決まった。ひよりは緊張したが、ひなたの「君ならできる!」という励ましが彼女の心の支えとなった。
練習が始まり、ひよりは毎日放課後に一生懸命に歌の練習を重ねた。それを見守るひなたは、いつもその笑顔でひよりを元気付けた。しかし、練習が進むにつれて、ひよりの中で再び不安が募っていった。過去のいじめの記憶が甦り、皆の前で歌うことへの恐怖が彼女を押しつぶしそうになったのだ。
その頃、いじめが再び起こる予兆が見え始めた。ひよりが一人で練習をしている時、数人のクラスメイトが陰で嘲笑していたのである。しかし、ひなたはその様子を見過ごさず、「彼女をいじめる権利なんて誰にもないよ」と強く言い放ち、いじめっ子たちを追い払った。ひなたの力強い姿勢に、ひよりは改めて彼女の存在の大切さを感じた。
文化祭の当日、ひよりは緊張で胸がいっぱいだった。しかし、ステージの袖からひなたの笑顔を見ると、心が少し落ち着いた。「私にはひなたがいる、だから大丈夫」と自分に言い聞かせ、ステージに立った。会場が静まり返り、ひよりのソロパートが始まった。その瞬間、全ての不安が消え去り、ひよりの歌声が会場に響き渡った。
歌い終えると、ひよりは大きな拍手に包まれた。クラスメイトたちも彼女の才能を認め、嘲笑ではなく、素直に喜んでいた。ひよりにとってこれは大きな自信となり、彼女の中に新たな希望の光が宿った。ひなたはその後、ひよりを抱きしめ、「君はやっぱり最高だよ!」と褒めたたえた。
こうして、ひよりはひなたの支えを受けながら、中学生活を充実したものにしていくのであった。