片目がない僕と、不思議な男との物語

僕には、大切な人がいたんだ

誰にも優しくて、こんな落ちこぼれの僕にも、とても優しかった

僕はその人の優しさに溶け込んで

色んな人に迷惑をかけた

その人は僕のせいで居なくなった

悲しかった、なんで僕が消えないんだろうって何度も考えた

そんなこと考えたって何かが変わるわけじゃないのに

幼い頃に読んだ本のことを思い出した

これならあの人を

僕の代わりに

蘇らせられる…

なんて

でも

マッシュの事が好きになってしまったのかもしれない

胸が苦しいんだ

どうすればいいのか

あの人に恨まれるなぁ…

ごめんなさい

こんな僕が生きてしまって

決めたよ

僕は両目を揃える

そして、あの人を蘇させる

マッシュには辛い思いをさせるかもしれないけど

仕方ないんだ

僕の心がその緩みきった考えを

許してくれない