テラーノベル
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部活が終わり、部室の外で片付けをしていた時だった。凌先輩が一人で私のところにやってきた。
「紗南ちゃん、少し話せるかな。……帰り、駅まででいいから」
並んで歩く道、私は昼間に成瀬先輩から聞いたことがどうしても気になって、思い切って切り出した。
「あの……成瀬先輩に聞いちゃったんですけど、凌先輩、中学の頃女の影が一切無かったって。誰かを一途に思ってた的な??」
「え? あいつ、口堅そうに見えて意外と喋るんだよなあ」
先輩は苦笑いをして、少し遠くを見るような目をした。
「すいません……」
「いや、別に大丈夫。いつかは話さないとって思ってたからさ。……俺さあ、中学生の頃、好きになっちゃいけない人を好きだったんだ」
「え……?」
「……友達のお姉さんの事が好きだったんだ。そのお姉さんは当時大学生で。とにかく優しくて。でも俺はまだ中学生だったから。それにそのお姉さんが彼氏いることも知ってた。なのに勝手に好きになってさ。完全には諦めきれなくて、ある日告白しちゃったんだ」
「そしたらお姉さんめっちゃ驚いて。『……凌くん、あなたはまだ若い。これから色んな人出会うんだよ。あなたにふさわしい人に必ず出会うからね』って。そこで俺の初恋は終わった」
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