(花木side)
最近、朝に楽しみが出来た。寒気に負けて憂鬱だった出勤時間も、彼女に会えると思うと足取りが自然と軽くなり、楽しいものに変わった。
目当ての店の扉を片手で開くと、コーヒーのいい匂いがフワッと香る。カウンターに視線を向けると、控えめな笑みを浮かべる彼女と視線が合った。
「いらっしゃいませ。花木さん」
「おはよう、渚ちゃん」
「……下の名前にちゃん付けって、なんだか慣れませんね」
「あはは、ごめんね。苗字の方がいい?」
「いえ……いいんですけど」
「あはは、いいんだ」
緩みそうになる頰を引き締め、できる限り余裕な笑みを返す。
あれから、コーヒーを買いに来る度渚ちゃんと会話するようになり、お互いの名前を呼び合うくらいにはなれた。渚ちゃんは毎日この時間のシフトらしく、毎朝ここでバイトをしている。
渚ちゃん、いくつなんだろう。でも聞きにくいな……。雫ちゃんよりは年******************
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