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年上男子と腹ペコ女子

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年上男子と腹ペコ女子

103 - 103話 二つの失恋

♥

177

2023年09月07日

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(花木side)

最近、朝に楽しみが出来た。寒気に負けて憂鬱だった出勤時間も、彼女に会えると思うと足取りが自然と軽くなり、楽しいものに変わった。

目当ての店の扉を片手で開くと、コーヒーのいい匂いがフワッと香る。カウンターに視線を向けると、控えめな笑みを浮かべる彼女と視線が合った。

「いらっしゃいませ。花木さん」

「おはよう、渚ちゃん」

「……下の名前にちゃん付けって、なんだか慣れませんね」

「あはは、ごめんね。苗字の方がいい?」

「いえ……いいんですけど」

「あはは、いいんだ」

緩みそうになる頰を引き締め、できる限り余裕な笑みを返す。

あれから、コーヒーを買いに来る度渚ちゃんと会話するようになり、お互いの名前を呼び合うくらいにはなれた。渚ちゃんは毎日この時間のシフトらしく、毎朝ここでバイトをしている。

渚ちゃん、いくつなんだろう。でも聞きにくいな……。雫ちゃんよりは年******************

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