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仁さぁ〜ん❣️怪しい雰囲気で刑事の張り込みか?💦とエンジェル✨を必死で探してる様子が伝わってきたよー💓😆明日も楽しみぃー💖🤭
仁さん、綾子さんをロックオン🎯そしてハート🩷を射抜かれちゃいましたね〜🔫💨 まさかのエキゾチック美女👩✨❤️🩷❤️🔥 これはー速攻追いかけて🚗💨なんとしてもお近づきに〜😅😅 軽井沢に来た目的が綾子さんを見ることだったのが、見たくて話したくてウズウズの仁さん💕🫰🫰 もう自分の好き💖って気持ちを認めちゃいましょ🥴
チラボレ💘しちゃいましたね〜(〃'艸'〃)キャー💗💗💗 仁さんどうする⁉️抑えられる⁉️ かなり興奮されていらっしゃるようにお見受けいたしますが…😆 イケイケゴーゴー٩(ᵒ̴̶̷͈̀ὤᵒ̴̶̷͈́*)و♪だけど、ヘマしないようにね🤭
次の日仁は軽井沢に向かった。
仁は朝8時にマンションを出て高速に乗り順調に飛ばす。
(ほっほー、なかなかいい走りをするな)
買ったばかりのSUV車はなかなかの乗り心地だった。この旅が慣らし運転になりちょうどいい。
仁はご機嫌な様子でハンドルを握る。
最近『エンジェル』とは朝晩の挨拶までするようになっていた。
起きたら「おはよう」、寝る前は「おやすみ」。そんな些細なやり取りが楽しくて仕方がない。
仁は外出した際の景色や外で食べた料理の写真を撮って送ったりもした。すると最近ではお返しに『エンジェル』は自分で作った料理を撮影して送ってくれる。その料理がまた美味しそうでたまらない。
(もし顔は不細工でも料理が出来りゃー上等だ)
仁はふとそんな風に思った。しかし慌ててその思いを取り消す。
(会ったり付き合ったりする訳じゃあねぇんだからな)
そう思い直し時計に目をやると、ちょうど昼時に差し掛かっていたのでお昼にしようとサービスエリアに寄った。
その頃綾子は屋上で光江と話していた。
「『フロストフラワー』今読んでるよ。なんか読んでると北海道に行きたくなっちゃうねぇ」
「ですよね? 阿寒湖にフロストフラワーを見に行きたくなりました」
「北海道は行った事あるのかい?」
「はい、何度か」
「そっかぁ、あたしゃ行った事ないんだよねー」
「いいですよー、北の大地は大らかでどこまでも果てしなくて」
「ハハッ、なんか小説の一文みたいだねぇ」
「フフフッ、そうですね」
「最近なんか随分明るくなったね。なんかいい事あった?」
突然光江に言われたので綾子はドキッとする。
「そうですか? 特には……」
綾子は誤魔化そうとした。しかし鋭い光江が突っ込む。
「隠したって駄目だよ。あたしゃ全部わかっちゃうんだから」
「光江さんに隠し事は出来ないですね」
綾子はそう言って笑った。そして光江に正直に言う。
「メル友さんが出来たんです」
「メル友? ああメール友達かい? 昔はあたしもいたねぇ、メールフレンドっていうやつ?」
「え? 光江さんもいたんですか?」
「うんうん、あの頃は流行ったもん。あ、あたしさ、若い頃は事務職やってたからパソコンも割と早くから使ってたんだよ」
「へー、そうなんですねー」
「で、何さ、そのメル友がどうしたって?」
「うん…お互い顔も名前も知らなくて匿名でやり取りをしているんですが、相手の事を何も知らないから話しやすいっていうか」
「なるほどね。相手は女? 男?」
「男性です」
「ヒューッ! いいじゃん、どんな人なんだい?」
「詳しくは知らないんですが歳は45歳で出版関係のお仕事をしていて、あ、東京在住の方です」
「へー独身?」
「はい」
「いいんじゃない? 会っちゃえば?」
いきなり光江が言ったので綾子は驚く。
「いえ、会うつもりはないです。あくまでもメールだけのお付き合いなので」
「何でー? お互い独身なら会ってみりゃーいいじゃん」
「いえ、それはちょっと」
「相手の顔とか気にならない? どんな人かなーとかってあたしだったら気になっちゃうだろうなぁ」
「まぁ少しは気になりますが……」
「だろう? だったら気軽に会ってみりゃあいいじゃん」
「そう簡単には……今はメールでのやり取りだけでも充分楽しいので、会ってがっかりされても嫌かなあと。そこでメールが終わっちゃうのも淋しいですし……」
「まあそうだねー、今は勝手に相手の事を美化して想像しているかもしれないから実際会ったらこんなんじゃなかったーってショック受けるかもしれないしね」
「はい」
「ま、いーんじゃない? メールだけでいいって思うなら。ただそのうちきっと会いたくなるよー。人ってさぁ、見えないものに対して興味や憧れを抱くからねー」
「そういうもんでしょうか?」
「絶対そうに決まってるよ」
光江はそう言ってガハガハと笑った。
その頃仁は休憩を終えてから再び高速を走っていた。あと少しで碓氷軽井沢インターチェンジへ到着する。
「だいぶ紅葉が深まってきたなぁ」
高速から見える景色を眺めながら仁は呟く。
目的のインターチェンジへ着くと一般道へ下りて走り続ける。 そして仁の別荘がある別荘地へ向かった。
軽井沢町まで来るとスーパーへ寄り食材やビールを買い込んでから別荘へ向かう。
別荘へ到着し車をガレージに停めると仁は荷物を手にして家の中に入った。
別荘の管理は全て管理会社に委託しているので、前もって連絡をしておくと通風作業やハウスクリーニングをしておいてくれる。だから到着したらすぐに快適な別荘ライフを楽しむ事が出来る。もちろん冬の除雪もしておいてくれるし冬に訪れる際には薪ストーブの薪も準備してくれる。
仁の別荘は3LDKのモダンな佇まいの平屋の建物だ。高い天井と薪ストーブ、広いウッドデッキが自慢だ。
庭には白樺や落葉樹が植えられまるで小さな森のようだ。樹木に設置しているバードフィーダーに餌を食べに来る野鳥を見るだけでも楽しい。そしてこの庭には時折リスも現れる。
仁は買って来た食材をキッチンへ放り込むと早速コーヒーを淹れた。
コーヒーが入ると仁はカップを手にしてテラスのチェアに座る。そしてコーヒーを飲みながら庭を眺めた。
耳に聞こえるのは柔らかな風が木々の葉を揺らす音、そして鳥のさえずりだけだ。
「あー、やっぱり生き返るな―」
仁が前にここへ来たのは去年のクリスマスから年明けまでだったので約10ヶ月ぶりだ。
ここ数年のクリスマスは毎年ここで一人静かに過ごすのが恒例だった。
のんびり寛いでいた仁は腕時計をチラリと見た。
(もうすぐ『エンジェル』の仕事が終わる頃だな)
そう思った仁はコーヒーを飲み干すと出かける準備を始めた。
(今日見つけられないとチャンスは明日の道の駅か明後日の朝しかない)
仁はなんとしてでも今日『エンジェル』を見つけておきたいと思った。
そうすれば明日道の駅で再度会えるかもしれない。
(もし彼女が生理的にNGな場合は明日道の駅には行かないかもしれないしなぁ)
仁はあくまでも期待し過ぎないように自分を戒める。
そしてサングラスと帽子を取りに行き 念の為にマスクも着けた。
黒のキャップにサングラス、それにマスクを着けた仁はどこからどうみてもアヤシイ雰囲気だ。
(ありゃ? かえって目立つか? なんか張り込みの刑事みたいだな)
鏡に映った自分の姿を見て思わず苦笑いをした。しかしのんびりしている時間はないので財布とスマホだけを手にすると仁は車で目的の工場へ向かった。
運転しながら胸の鼓動が高鳴る。
(何ドキドキしてんだよー、緊張なんざ縁のない仁さんがよー)
仁はそう思いながら『エンジェル』が働いていると思われる工場へ向かった。
工場へ着くと工場の出入口が見える場所へ車を停める。幸い工場の前の通りはほとんど車が通らない。大きな幹線道路から一本入った所なのでとても静かだ。
工場から出て来る車は一台もいない。まだ勤務時間中なのだろう。
出て来る車はいなかったが工場へ入って行く車は何台もいた。軽自動車や自転車が次々と工場へ入って行く。
(24時間稼働してるのか? 夜勤組の出勤か?)
そう思いながら仁はひたすらアイボリーのジムニーを待った。
その時工場内からチャイムの音が響いてきた。それからしばらくしてポツポツと車が工場内から出て来始めた。
「まさか同じ車種の同じ色はねーだろうなー」
白の軽自動車が一台、黒のワンボックスが一台、青のセダンが一台、そしてシルバーの系が一台……
車が続々と出て来る。
黒、黒、白、赤、青、白、グレー、黒…………
仁は見逃すまいと工場の出入口を見つめ続けた。
その時ジムニーが出て来た。しかし色はグリーン色で運転しているのは男性だった。
(チッ、フェイントか)
その時もう一台ジムニーが出て来た。色は『アイボリー』だ。
(あれか?)
仁は思わず身を乗り出す。するとアイボリーのジムニーは一時停止をしてから車道に出た。そして右折ウィンカーを出して右へ曲がる。曲がった後仁の車の横を通り過ぎた。
その時ハンドルを握る女性の顔がはっきりと見えた。
女性はまるで女神のように美しかった。
(あ…れが……『エンジェル』?)
仁はしばらく動けずにいた。
今目撃した女性は細面の輪郭に目鼻立ちのくっきりとしたエキゾチックな美女だった。
薄化粧でナチュラルな雰囲気なのに華がある。例えて言うならばCAによくいるタイプのハッと目を引く正統派美人だ。
大きな瞳にぽってりとした唇、そして日焼けした肌がとても印象的だ。
ブラウンの髪は肩よりも長く後ろで一つに結んでいた。
メールを始めたばかりの頃の『エンジェル』の弱々しさはそこにはなかった。
今見た女性はどちらかと言えばジムニーがとても似合う健康的な女性だ。
そんな『エンジェル』に見とれていた仁はそこでハッとする。
(追いかけるか)
仁は慌ててエンジンをかけると急いで車をUターンさせた。
そしてアイボリーのジムニーの後を追いかけた。