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―――「くそやろぉぉぉぉぉお!!」
俺の名前は三田孝典、28歳のフリーターだ。
大体休みの日はゴロゴロしながら時間を潰してる。
そんな平凡な俺がまさかあんな事になるとは、
ピピピピッ⋯ピピピピッ
目覚ましの音が鳴る。
ピピピ⋯カチッ
「はぁ〜、ねみぃ」
あくびをしながら、カーテンを開けテレビをつける。
〈新発売!えのきチョコ!早速頂いてみましょうか!〉
アナウンサーが1口食べる。
〈うっ、風味が豊かで非常に美味しいですねぇ!〉
「嘘つけ!今うっ、て言ってたろ。まったく変なもんばっか出てくるなぁ。大体きのこの菓子なんて食いたくないだろ」
ピコンッ⋯
―――《システムを起動します》
「へっ、、?」
《只今より異世界へ転送する準備を行います》
「異世界?転送?って言うかこの声なに!テレビじゃないよな、なんかゲーム機がついてんのか?」
声の発生源を調べるため、部屋中を探し回る。
「ぜぇ..ぜぇ…なにも見つからん」
《準備が整いましたのでカウントダウンを開始します》
「カウントダウンてなに!」
《3…》
「なんだよこれ、俺一滴も酒飲んでないぞ」
《2..1…》
「もしかしてアニメとか漫画でよくあるやっ」
ヒュン⋯
「うわぁぁぁぁ!!」
ズドーンッ!!
俺は背中から森の真ん中へ落ちた。
衝撃と共に、鳥たちが一斉に飛び立つ。
「いでぇぇぇぇえ!!!」
《転送完了しました》
起き上がり埃や葉をほろう。
「いててて、、テメェ、話してる途中に飛ばしやがったな、、」
サァァァ⋯⋯
木々が揺れ葉の隙間から
日差しが差し込む。
「で、ここどこ?」
《お答えすることができません》
《レベル2から機能を解放できます》
立ち上がり辺りを見渡す。
「まって、ガチの異世界来ちゃったの?」
俺は頭を抱えその場にしゃがみ込んだ。
「どうしよう、、、」
そうこうしてる間に時間は過ぎ、日が暮れ始めた。
「あれからしばらく歩いたのにずっと森なんだけど!?さっきの声はなんも答えてくれないし」
草陰から物音がした。
グルルルッ⋯
「なんだ!?」
急いで音がした方を向くと、草陰から三体の狼が現れた。
「嘘だろ、、そっそうだ!異世界といえば魔法やスキルだよな!」
手を前に開き、見よう見まねで言葉を唱え始めた。
―――「我に力を与えたまえ、ファイアーボール!」
「…….まって、なんもできないのかよ!」
狼がもの凄い形相で追いかけてきた。
俺も捕まるまいと全速力で駆け抜ける。
「くそやろぉぉぉぉぉお!ハァハァ、、システム!何かないのか?」
《レベル2から機能を解放できます》
「どうやってレベル2になるんだよ!」
《お答えすることができません》
後ろばかりに気を取られ、足元の石に気付かず躓き転んでしまう。
ズドォォォ⋯
「いててて、、」
ガルルル⋯
狼が孝典に詰め寄る。
「ちょっと待って、俺美味しくないよ?」
そう話しながら後ろの木まで後ずさりする。
ぽふっ⋯
下に目を向けると傘が茶色いきのこが目に入った。
「ん、きのこ?もうなんでもいいや、俺よりこっちの方が美味いぞ!」
俺はきのこを狼に向かって投げた
ピコンッ
《初の攻撃を行ったことによりレベル2にアップグレードしました。機能を解放します》
「いや攻撃っていうか、きのこ投げただけなんだけど?とりあえずなにか戦える能力をくれ!」
《おめでとうございます【固有職業:きのこマスター】を解放しました》
「え、きのこ、、ますたー、?」
《初期装備として【一般級:ゴム手袋(薄手・ピンク)】を支給します》
「こいつ、、おちょくってるよな?そうだよな?」
そう言いつつも、素手よりはマシだったから俺は渋々ゴム手袋を付けた。
「こんなので何ができるってんだよ、しかも薄手って腹立つな。なんか戦える武器ないの?ていうかきのこマスターって言ってたからキノコで戦うのか?」
辺りにきのこが生えてないか急いで見渡す。
「この黄色いやつ使えるかな」
《【非凡級:麻痺ダケ】を採取しました。【一般級:霧吹き】を支給します》
《霧吹きの中に、属性を持つきのこを入れると各々の効果を発動できます》
「よし、ビンゴ!だけどさぁー、霧吹きって…でも何も無いよりはマシだけど。えーっと、霧吹きの中に麻痺ダケを入れてっと」
《【一般級:霧吹き】に麻痺を付与しました》
「よし!喰らえ!」
孝典は霧吹きを狼に向け噴射した。
グルル….
オオカミたちの身体が痙攣し始め動きが止まった。
「効いて、、る!よし、今のうちに森を抜けるぞ!」
生い茂る枝葉をかき分け、しばらく走り続けた先に灯りが見えた。
「はぁ、やっと森を抜けられる….」
あまりの疲労から、俺は倒れてしまった。
――――「おやおや、こんな所に人が入り込んでいたとは」
(つづく)
《ステータス》
・三田孝典 (みた たかのり)
・レベル2
・【固有職業:きのこマスター】
・【一般級:ゴム手袋(薄手・ピンク)】
(ごく一般的な手袋)
【一般級:霧吹き】
(属性を持つきのこを入れると、各々の効果を付
与できる)
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最後まで読んで頂きありがとうございます!
応援、コメント頂けると励みになります!
〝異世界に転送されたタカノリ、そして謎の人物は何者なのか〟
次回お楽しみに!
(*・ω・)*_ _)ペコリ
コメント
1件
読み終えたわ!「きのこマスター」って職業、めっちゃ尖ってて面白いね🍄 システムとの絶妙に噛み合わない会話も笑えるし、麻痺ダケ×霧吹きの戦闘発想は「なるほど」ってなった。えのきチョコのくだりとか、細かいギャグも好き。最後の「おやおや……」って人物、次回どう関わってくるのか気になる!続き、楽しみにしてる🔥