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孝典は見知らぬ部屋のベットの上でうなされていた 。
「うぅぅ、、、、ハァ!」
孝典は飛び起き周囲を見渡し、状況を理解できずにいた。
「(ここは…?アパートの天井じゃない….そうか俺は確か森で倒れて….)」
コツ⋯コツ⋯
足音が響き、部屋のドアが開く。
「ここはアタシの家だよ若いの」
お盆を持った老婆は、俺に近づいてきた。
「これでも食ってあと少し休みな」
老婆はスープを渡し、孝典はスープを食べ始めた。
「にしてもアンタ、なんでこんな場所にいたんだい?見たところ冒険者ではなさそうだが」
老婆は疑いの目で俺を見ていた。
それは当たり前か、だがどう伝えたものか。
「えーっと、他の世界から飛ばされてきたというかなんていうか」
老婆は話を聞き終わると立ち上がり、ドアに向かって歩き始めた。
「まぁ、詳しいことは分からんけど、それ食ったら休んで朝になったら出ていきな」
「ありがとう、ばあちゃん」
「誰がばあちゃんだ!まったく失礼なガキだ」
バタンッ⋯
老婆は激しくドアを閉め、下の階へ降りていった。
孝典は大きく背伸びをした。
「さて、これからどうするか」
ピコンッ
システムの音が鳴る。
《レベル2にアップグレードした事により機能を解放しました》
「そうだった、レベル2に上がったんだったな」
《【会話:レベル1】【ウィンドウ】【マップ機能レベル1】を獲得しました》
「会話?ってどういう事だ?俺は話せてるぞ」
《私が話せるようになりました》
「え、話せるようになったの!?」
《レベル1でお伝えできる範囲内であれば話すことができます》
「なるほどな、あとはマップとこのウィンドウってなんなの?」
《ウィンドウと唱えるとステータス画面やマップを開くことが出来ます》
「ほぇー、便利なこった。はぁあ、腹も膨れたしあと少し寝るとするか」
孝典は瞼を閉じ布団に入った。
―――その頃1階では、老婆が椅子に座り険しい表情をしている。
「(どういう事だい、アタシに気付かれずにこの森に入った?ありえない、それなら外部からの侵入か?)」
机の引き出しから便箋を取り出し書き始める。
「(あのガキが何者であれ…このまま野放しってわけにはいかないねぇ)」
――――翌朝
「はやく起きんか!」
怒鳴り声と共に、老婆が孝典の布団を取り上げる。
「さみぃぃ!勘弁してくれよばあちゃん」
「誰がばあちゃんだ!早く下に降りてきな、飯にするよ」
孝典が目を擦りながら階段を降りると、いい香りが部屋中に漂っていた。
「美味そうだろ、そこ座りな」
孝典は老婆の目の前の椅子に座り、食事を食べ始めた。
「いただきます!」
しばらく食べ進めると、孝典は食事の手を止める。
「なんだい?口に合わなかったかい?」
「いや、、食卓を囲むの久々でさ、昔を思い出したんだ」
老婆は、そんな孝典を見て微笑んだ。
「(なんだい、良い奴そうじゃないか)」
涙ぐみながら、孝典は残りの食事を食べ終えた。
―――「よしっ、そろそろ出ますね」
孝典は、玄関で靴を履きながら老婆に話した。
「出るっつったって、アンタどこに向かうんだい?」
「えーっと、とりあえずそこら辺を歩いてみようかと(….って、そういえば完全にノープランだったわ!)」
計画を立てておらず慌てる孝典、その様子を見た老婆はため息を吐く。
「はぁ、アンタここに詳しくないんだろう?それならスレイブ王国に行きな。」
「スレイブ王国?」
「あぁ、こっから少し歩いたとこにある。着いたらそこのギルド員にこの手紙を出して冒険者登録しな。金持ってないんだろ?」
老婆は、手紙とお金の入った小包みを取り出し俺に渡した。
「手紙?」
「きっと、あんたの助けになるはずさ」
「よく分かんないけど、ありがとなばあちゃん」
「…ローザだよ」
「え?」
「アタシの名前さ、アンタはなんて言うんだい?」
「孝典だ」
「そうか、タカノリか。王都までは魔物は少ないが気をつけていくんだぞ」
「ああ!色々とありがとなローザさん」
「ローザでいい、気を遣うな。じゃあなタカノリ」
ローザに背を向け、孝典は森の出口へ向かい歩き始めた。
――――ガチャ⋯
ローザは家の扉を閉め、椅子に座りながら重い表情をする。
「(タカノリあんたは良い奴だが、それはそれこれはこれだ。…アタシの結界をすり抜けたやつを見過ごすわけには行かない)」
ローザはテーブルの空いた皿を見つめる。
「あんな顔で飯を食うやつを疑いたきゃないけどねぇ…」
―――その頃、孝典は
「ここら辺ローザが全部手入れしてんのかな?すげーな」
道の端には色とりどりな花が植えられ、上にはツタが生い茂りアーチ状になっていた。
「おっ、ここで終わりみたいだな」
孝典は森を抜け、開けた草原にでた。
「(うわぁ、なんもねぇぇ)」
草原だけが広がり、見渡す限り建物らしきものは見えなかった。
「ここを真っ直ぐだよな」
孝典は歩いた。
「たまにはこういうのもいいな」
孝典は歩き続けた。
「まだか、、?」
孝典は歩き続けたが何も見つからなかった。
「ちくしょょーーーーー!あのババアめ、どこがすぐなんだよ!」
足が棒になり、心が折れかけたところでふと閃いた。
「あ!マップあんじゃん。ウィンドウ!」
ピコンッ
《項目を選んでください》
機械音とともに青白い画面が表示され、マップを選択した。
「げっ、、まだ結構あるじゃん。勘弁してよぉぉー」
それからさらに歩き続けること三十分、前方に巨大な城壁があり、人だかりが見えてきた。
「お!やっと着いたぁぁー、とりあえずあそこ並ぶか」
検問所の最後尾に並びしばらく待ち続け、やっと順番が回ってきた。
「次の方前へ!」
「あっ、はい!」
「通行証をお願いします。」
「つう、こう、、しょう、?なんか必要なの?」
「通行証が無い方は通すことができません」
「(うっそぉぉぉおん!何も聞かされてないんですけど!)」
騎士は、孝典の事を鋭い視線で見ている。
「あのぉー、ギルドに行きたいだけなんですけどぉー、必ず戻ってくるんでちょっとだけダメですか?」
「ダメです」
「そんなぁ、」
―――「ちょっといいですか」
後ろから、金髪の男が孝典に話しかけた。
「(うわぁ、何だこの眩しいイケメン君は)」
「冒険者ギルドに用があるんですか?」
「え、あ!うん!」
「それなら僕に任せてください」
金髪の男は騎士に向かって話す。
「彼は僕の連れなので通してあげて貰えませんか?」
騎士は金髪の男をみて慌てていた。
「お、お連れ様だったのですね、どうぞお通りください。」
二人は検問を通過し、冒険者ギルドに向かう。
「助かったよ、ありがとな、、えーっと」
「ヴァールといいます」
「おう、ありがとなヴァールさん。俺は孝典だよろしくな」
世間話をしながら、あっという間に冒険者ギルドに到着した。2人が建物に入ると、周囲がざわつき始めた。
「おい!あれってまさか」
「S級冒険者のヴァールさんだ!」
周囲の反応を見てヴァールは苦笑いする。孝典は、まさか話し相手が結構すごい人だったのかと驚いている。
「ヴァールさんってそんなにすごい人だったんだな」
「いやぁ、そんなこともないですよ。では僕はギルドマスターに用があるのでここで」
「あぁ、ありがとな」
ヴァールがギルド職員の案内で、奥の扉へ入っていった。
「さて!俺も用事を済ますか」
ギルド職員のいるカウンターへ向かう。
「すみません、冒険者登録をしたいんですけど。あ、あとこれ」
ズボンのポケットからローザから渡された手紙を出しカウンターに置く
「拝見いたしますね」
ギルド職員は、封を開けようとした時紋様に気づく。
「こ、これは、少々お待ちください!」
そう話すと、ギルド職員は奥の扉へ慌てた様子で入っていき、数分後に戻ってきた。
「こちらへどうぞ」
「(なんだ?)」
案内されるがままについて行き、孝典は不安の気持ちを抱えたまま奥の部屋に通された。
―――ガチャ⋯
扉を開けると、中には大柄な男とヴァールが座っていた。
「…君はさっきの」
「なんだ?知り合いか?」
大柄の男がヴァールに話す。
「はい、さっきギルドまで案内したんです」
「手紙は読ませてもらったぜ、俺はこの冒険者ギルドのギルドマスターバドルだ。あんた冒険者になりたいんだってな」
「はい!(ローザナイスー!)」
「じゃあ早速だが試験を受けてもらうぜ」
「え、、試験?」
「俺に一発でも入れられたら合格だ」
バドルがジャケットを脱ぎながら立ち上がる。
「(ムリムリムリムリ!あんな巨体と戦えるわけないだろ、、!)」
慌てた孝典を見かねてヴァールが口を開く。
「ギルドマスター、その試験俺に任せてくれませんか?」
(つづく)
《ステータス》
・三田孝典 (みた たかのり)
・レベル2
・【固有職業:きのこマスター】
・【一般級:ゴム手袋(ピンク・薄手)】
【一般級:霧吹き】【マップ:レベル1】
【ウィンドウ】【会話:レベル1】
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最後まで読んで頂きありがとうございます。
応援、コメント頂けると励みになります!
〝孝典の相手がまさかのS級冒険者!?
ヴァールとどう戦うのか!〟
次回お楽しみに!
(*・ω・)*_ _)ペコリ
コメント
1件
リーさん、第2話読了です! ローザおばあちゃん、厳しいけど孝典に手紙まで用意してくれるなんて、やっぱり優しいですね。「あんな顔で飯を食うやつを疑いたくない」っていう心情がじんわりきました。そしてまさかのヴァールさん、S級冒険者だったんですね!イケメンで性格良くてすごい人って、ずるいです(笑)。次どうなるのか気になります!