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それで3つのカーブを曲がりきって、浅瀬を勢いで乗り越えた先の河原で休憩となった。
「どうでした。結構大変だったでしょう」
小暮先生が、そう笑顔で言う。
前3艇は、結構大変だった模様だ。
僕からちらりと見た限りでは、反対方向を向いたり、横倒しになりそうになったりしていたし。
「大変だったですよ。とにかく艇が前を向かなくて」
未亜さんがそう言うと。
「横になった状態でカーブを曲がって、横揺れして、落ちるかと思いました」
「こっちもです。最後のカーブで、綺麗に逆を向いてしまいましたし」
しかし、相手の高校生組も、よくそんなのを平気で任したままにしていたな。
そう思ったら。
「実は事前に、高校生組には言っておいたんですよ。最初のカーブ以外は、沈んでも落ちてもいいから、あえて指示通りに漕いで下さいって。この区間は、落っこちてもそれほど危ない場所はないですし、瀬の後に必ず浅瀬が来ますから」
そういう訳か。
なかなかにスパルタだな。
確かに、最初のカーブ以外は後に余裕のある場所が来る。
だから、いっそ沈んでも落ちても大丈夫。
どうせ最後は、ちゃんと浅瀬が来る。
そんな計算だったのだろう。
「まあ、全部沈没しないで来たから、今日は上出来ですね。あと、やっぱり男の子はパワーがありますね。あれだけ前後のバランスが悪くても、乗り切ってしまいましたし。
ここでの交代は明日もやりますから、突破策を考えておいて下さいね」
おいおい。
でも、面白かったのは確かだ。
なかなかうまく行かない感じだし、無我夢中だったけれど。
「そんな訳で、ここで休憩したら、最初と同じ前後にして、最後まで一気に下りますよ。あと、これはおやつだそうです」
タッパーに入ったキウイが回ってきた。
皮を剥いて切ってあり、爪楊枝までついている。
こうやって動いている途中の甘い物は、本当に美味しい。
いつもは果物なんて、わざわざ買ったりしないんだけれども。
ついでに自分持ちのペットボトルのお茶を飲んで、一息つく。
先生がスマホで記念写真を撮った後、
それぞれ元の前後に戻り、カヤックに乗り込んだ。