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「彩香さん、努力は認めるけれど、今回はちょっとチートを使わないですか。その方が楽しいし、ずるいとは誰も思わないと思うのですよ」
彩香さんの表情が一瞬固まる。
「何故それを。それも、今」
「ちなみに悠君には昨夜、私が狐火を使える事を話しましたよ。実際に狐火を発生させてみて。狐火そのものはちょっと怖いそうですが、それ以外は特に抵抗はないそうです」
今度は彩香さんだけでなく、美洋さんまで固まる。
「未亜、まだ早いって……」
「もっと仲良くなった後に悲しい思いをする、それよりはいっそ早いうちにと判断しました。ちょうど昨夜、眠れない様子でしたので。今まで気づかれなかったので分かるとおり、それでどうなるという事はありませんでしたよ。少なくとも私と悠君の場合は」
「スパルタだな、未亜は」
「合理的と言って下さい」
その返事に川俣先輩がにやりとする。
「なら私が先輩として次いかせて貰おうか。私こと川俣音子は猫又だ。正確には猫的な能力を持つ人間というべきだけれどな。別に猫が長年生きて妖怪に進化した訳じゃ無い。そういう種族っていうことだ。なお元々の生まれはトルコのイスタンブール。
ちなみに普通の人間と違うのは、瞬発力だけは並じゃ無い事と、暗いところでも目が見える事かな。ある程度人を騙くらかす能力があるのは、獣系の能力を持っている人間共通。
弱点としては、長時間耐久的な運動は得意じゃない事と、気を抜くとともかく眠いというあたりだ。というカミングアウトをした処で、悠の反応がどうか知りたい」
そう言われても……
「反応と言われても困りますね。なるほどなあと納得したなあ位です。先輩の場合は、そのまま過ぎて」
正直な僕の感想だ。
「感想はそれだけか、悲しいな」
「だって、そのままじゃないですか。いつも寝ていて、夜目がきいて、瞬発力あるけど持久力無いと言っていて」
川俣先輩の生態そのままだ。
カミングアウト関係ない。
「だとさ。カミングアウトしがいのない奴だ」
そう言いつつも、先輩の目は笑っている。