テラーノベル
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私は梟の部屋を後にし、九重灯のいる部屋へと向かった。…ノックをして、ドアをガチャリと開ける。彼は私に振り向き言った。
灯「あぁ咲さん。どうしたの?」
咲「ーーあなたは澄の死体を運んだの?」
灯「っ…!」
彼は驚いた顔を私にみせ、下を俯き口にした。
灯「…うん、僕が運んだ。廊下にあった死体を、書籍の炭の中に隠した。」
少し予想外な事に、あっさり認めた。しかも、外には持ち出しておらず、ただ隠しただけ…
灯「だ、だってみんなが死体を見たら、またパニックになると思ったんだ。まともじゃなくなって、大変なことになると思った。」
咲「そうだったの…急にこんな事聞いてごめんね。ありがとう。」
そう言って私は部屋を出て、書籍の方へと歩いていった。確かめるために、その言葉を。書籍は煤まみれで、炭が盛られている。その中でも、特に一際大きい炭に私は手を入れた。何かが当たる感触。急いで炭をかき分け、彼女に出会った。彼女の胴体。マネキンの様な彼女の体が、ただそこにはあった。
綺麗で切り傷ひとつない下着姿の彼女の首なし死体。しかし、腕や足にはいくつか痣があり、爪は何枚か剥がれかけている。酷い状態だった。あまりの惨たらしさに、私は炭でもう一度隠し、書籍を出ていった。廊下を歩く私の脳の片隅に、浮かんだ。
「何かがおかしい…」
そう、曲鎖澄の死亡にはいくつかの矛盾を孕んでいた。実際、この事件には、最悪の事実が存在したんだ。私は、もう一度▓▓▓▓▓のいる部屋へ戻った。
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