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ドアの前に立ち、そのドアを開ける。重く、力強く。
梟「どうしたんだい。さっき、話せる事は話したよ。」
咲「…嘘」
梟「え?」
咲「お前は私に、嘘をついたな!!」
壁をドンッと叩きつけ、睨みつけた。
咲「…澄を殺したのはお前だな?」
梟「何を言うかと思えば、意味不明だよ。彼女は自殺してしまった。これは悲しい事実なんだよ。あぁ、それより、九重は?彼はこの誘拐事件の「うるさい!!」
私は彼の肩を思いっきり押し、距離をとる。
咲「彼女の死体を見つけたんだ。彼女の指の何枚かの爪は剥がれかけだった。とても自殺とは思えない。むしろ、何かに抵抗していた跡にみえた。教えろ。…嘘だったんだろ?お前がベラベラ語っていた、回想は!」
梟「まぁ、そう怒らないで。何か勘違いしている様だね。その外傷はきっと引きずられた時のものだよ。床板にでも挟まってしまったんじゃないか?」
咲「他にも根拠はある。そもそも、彼女には自殺した跡がないんだよ。手首には傷ひとつなかった。こんな閉鎖的な屋敷での自殺なんて、方法は限られてる。首を吊るための柱なんて部屋にはない。窒息できるような物も、部屋にはない。焼死した後も当然ない。」
梟「きっと彼女は事前に準備していたんだ。僕達の知らない自殺道具をね。僕が部屋を出た後、それを使ったんだ。」
咲「いや、お前は彼女の首を掴み、窒息させた。その後、手形がついた首を切断し、血をだらだらとつけることで隠したんだよ。」
梟「っは。想像力が豊かだなぁ。じゃあ、その証拠はあるのか?僕が彼女を殺した、証拠。」
咲「なければここまで言うはずないでしょう。」
私は部屋の奥まで行き、その押し入れを開けた。
【彼は一通り語り終えると、そっと押し入れを開けた。その瞬間、たちまち私の目には驚愕の物がうつった。】
そう。血まみれの斧だ。私はそれを手に持って言い放つ。
咲「物的証拠。お前が澄の頭を見せびらかした時、奥にあるの見えてたから。」
彼は、私の目をじっとみつめた。下半分しか見えないマスクをつけた彼の顔は、何を考えているのか、分からない。分かりたくもない。