テラーノベル
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ステージを包む淡い光の中、彼女はマイクを握りしめた。
目の前には、自分の歌を聴くために集まってくれた大勢の観客がいる。
彼女は静かに息を吸うと、胸の内に抱えてきた想いを語り始めた。
「普通って言葉ってさ、定義無いじゃん?」
会場が静まり返る。
「けど私は周りの大人から『お前は
普通じゃない』って言われ続けてきた」
彼女の声には、これまで積み重ねてきた痛みが滲んでいた。
「自分の価値観と合わないってだけで
私の個性を『普通じゃない』って簡単な言葉
で押し潰そうとする大人ばっかりだった」
それでも彼女は、まっすぐに観客を見つめ続ける。
「今から披露する歌は、私がそんな身勝手な
大人が作った普通や常識に押しつぶされて
自分を見失いたく無い!
自分が持って産まれた本来の色を忘れたくない!
自分の個性を貫いて強く行きたい!」
言葉に込められた想いが、静かな会場へと響き渡る。
「そう思った時に作り上げた一曲です」
彼女は一度、客席全体を見渡した。
きっと、この場所にいる誰かも。
かつての自分と同じように、他人の決めた「普通」という言葉に傷つけられたことがある。
そう信じるように、彼女は語りかけた。
「きっと今日ライブに来てくれた人の中にも
そんな葛藤を感じた事ある人いるんじゃないかな?」
その声は、先ほどまでよりも少しだけ優しくなっていた。
「この曲を聴いて、そんな人たちが自分の
個性を大切にするキッカケになれば良いなぁ」
彼女はマイクを握り直す。
そして、これから届ける曲の名を告げた。
「では聴いてください」
一瞬の静寂。
次の瞬間、彼女は力強くタイトルを口にした。
「定義の無い言葉の刃物」
コメント
1件
×××さん、第175話、読み終わりました。 「普通って言葉には定義無い」——この一言で一気に引き込まれました。周りに「普通じゃない」と押しつぶされそうになりながら、それでも自分の“色”を歌に変えて届ける彼女の姿が、本当にまぶしかったです。最後の「定義の無い言葉の刃物」というタイトル、刺さりました。あの言葉が、誰かの傷をなぞるだけでなく、癒す刃にもなるんだろうなって思います。
#普通
野々さくら
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44
ありあ
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